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それでも朝はくる~読書記録102~

昭和56年(1981年)に発行された森村桂さんのエッセイ。

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上下と分かれていて長いのだが、とても読みやすく引き込まれていく本であった。
というか、中学生の頃から森村桂さんの本は読みやすく好きだった。

森村桂さんが船で南太平洋のフランス領の島・ニューカレドニアに行き、「天国にいちばん近い島」を執筆。その時にファンレターを送ってきた青年と森村桂さんは結婚。
当時、日本テレビに勤めていた冒険家の谷口正彦である。本の中では山下二郎とされている。

1971年に日本テレビが「ヒマラヤに雪男がいる」みたいな番組を放映したが、その時の探検隊メンバーのリーダーだった。


週刊平凡 (平凡出版): 1978-03|書誌詳細|国立国会図書館 ...https://iss.ndl.go.jp › books
目次:, 森村桂さんが谷口正彦さんと抜き打ち離婚 / / 40 (0021.jp2). 目次:, 人気上昇!レイジーを囲む親衛隊の良識 / / 43 (0022.jp2).

谷口正彦さんに関しては、今なら週刊誌の取り上げ方も違ったと思う。
シンプルに言うと、「DV夫」だ。精神的にも肉体的にも妻を苦しめ、その細かい描写にこちらの心が痛む。
機嫌が悪いと手をあげ、するとお手伝いさんらは怖がり。精神的に痛めつける言葉をネチネチと言うのだが、森村桂さんが4時間ほど謝罪してなんとかなったという。
森村桂さんも谷口正彦さんも戦前生まれ。家庭内で男が女房に手をあげる、飯が不味いだの文句を言っても妻が謝るだけ。今よりも慰謝料なんぞ取れなかった時代ではないだろうか。上の週刊誌をみると、1978年に離婚となっているからだ。
谷口正彦さんの場合、莫大なお金のかかるヒマラヤ旅行も妻がお金を捻出し、その旅には再婚相手となる女性も行ったのだとか。つまり、堂々としたものだ。不倫しながら妻を責めまくる。

その為、森村桂さんは生活の為に必死で稼いだ。夫が日本テレビを辞めて、無収入なんて時もあったわけで。
精神的におかしくなった。

再婚相手の三宅一郎さんは正反対の良い方で。森村桂さんが望むような「恋愛至上主義」にはならなかったろうが。
もしも、三宅一郎さんと初めから結婚していたなら、桂さんは精神を病むこともなく、自殺もしなかったのではないだろうか。桂さんが望んでいた子供も得て。谷口正彦さんからは、子供を作らない、と言われてずっときたらしい。

そうなると、森村桂さんの本は世に出なかったのかもしれない。幸せに子供や夫と猫とケーキを焼いて暮らして。

かつては、新幹線ではなく、高崎から鈍行で行った軽井沢。
(寄居駅から八高線で高崎に行き、そこから鈍行に。横川で釜めしを買って食べるのだ。)
懐かしく思うのだった。



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