「ワークショップで伝えたいこと」　エレメンツを舞う〜心も体も自然の一部であることを思い出す

こんにちは！ベリーダンサーのShala（シャーラ）です。心と身体の健やかさを呼び起こすために、都内で自由な感覚で舞う誰でも参加できるダンスワークショップを開いています。

2001年よりベリーダンスを教え始め、2007年ごろより、通常のレッスンでは伝え切れないことを、ワークショップとして開催するようになりました。ショーの合間を縫って単発での開催から、2014年以降は、これまでの内容をまとめテーマを統一、SHALADINA ダンスメソッドとして組み立て、毎シリーズ8回から10回ほど行っています。

ベリーダンスには大変古い歴史があり、風、火、水、大地といったエレメンツと一つ一つの動きとが、非常に密接に結び付いています。身体と心はつながっていますので、身体を動かすことはそのまま心にも影響します。

ベリーダンスそのものに様々な歴史と切り口がありますから、どこを取るかなのですが、宮殿のハーレムで踊られていた妖艶なダンスという側面を愛しながらも、より親近感を感じたのは、こうした自然との関わりの深さなのでした。それまでに、アフリカンダンス、フラダンスとアーシーなダンスが好きで習っていたこともあると思います。野生児として生まれ育ったことも大きいでしょう。

ヨセミテ国立公園にて

私たちが海や湖、焚き火や裸足で土の上を歩くことに癒されるのと同じように、ダンスをしながら、一つ一つエレメンツを意識していくことで、想像力を働かせつつ、自由に身体を動かし舞うことは、心身に大きな浄化と癒しをもたらします。この感覚は、通常のオリエンタルダンスと言われる、振付の習得を目指すレッスンでは得られにくい感覚なので（時間も短く、ストレッチから基礎から全部やらなければ！）、改めて時間と場所を設け、そこが海や森や溶岩の大地に自由に様変わりし、思いのままにたっぷりと舞えるよう、安全なスペースを確保してのことでした。

皆さんそれぞれに自然と親しみやすい環境やスポーツなどがあることと思います。ダンスを通して、心と身体に流れる自然と触れ合うことからくる癒しと浄化は、健やかさに大きく貢献することが、ほどなくして判明しました。

エレメンツには、ポジティブな意味とネガティブな意味の両方があります。自然の性質とは、そういうものですよね。

～風～

例えば、舞い上がる風は、自由な心を表し、冒険心と変化に富んでいて、常にとどまることがなく、動きを伴います。それぞれのエレメンツの意味はとても深いので、ここに全てを記すことができませんが、ほんの一面を記すと、日常生活の中では、移動するという行動、引越しなどもこれに当たります。でもこの風の要素が多くなり過ぎると、なんだか乾燥してくるんですね。心が乾いているような感じでしょうか。

マルタ島女神ツアーにて　「風と水と」

～水～

これを落ち着かせるのが、水です。引越しに限らず動き回って疲れたら、近くの温泉に行くとか、自然と水に浸かって安らぎたくなることがあるのではと思います。「ああ疲れた。温泉にでも行きたいなあ！」そして、この水にも、私たちにとって良い面とそうでない面とがあります。水は感情を表し、それによって人と人を結び付けたり、どこまでも広がって一体化させるような性質があります。もちろん洗い流すという性質による浄化の力も絶大で、古来様々な宗教儀式において火と共に使われていますし、水の場合、海などはその最たるものですね。ところが、この水の要素が心身を大きく占めるようになると、なんだかメランコリックになってきます。なんとなく重たい感じ。「ちょっと憂鬱ね。何にもやる気がしないわ。」

那須のロッジにて

～火～

さて、火はどうでしょうか。火は温める性質、創造性を表します。アーティストたちは創造性の炎を自ら燃やして、（自然発火？！）誰に言われなくても勝手に作品を作り始めます。ところが、火の性質として飛び火もします。作品を観た人が、自分も絵を描いてみたり、踊ってみたり、何かを作ってみたくて仕方なくなることがあります。一気に点火するということで言えば、お笑いもそうです！たった二言三言で客席のあちらこちらでドッカンドッカン、炸裂します。笑　コメディアンの素質がある人は、火の要素も強いということになるでしょうか。そして、怒りもまた火。。。これ以上はやめておきましょう。笑

舞台でも火！　公演「Black Maria」より　　　　写真撮影：柴田正継

～土～

最後に、土はどんな性質を表すと思いますか。

一つに、育む、育てる性質。子どもを育て、動物たち植物たちの世話に明け暮れることなどは、まさに大地の性質ですね。プレイフルで、春の大地で冬眠から目覚めた動物たちが転げ回って遊ぶように、楽しい性質をも表します。母性と言えるでしょう。ところが、ある日大地は裂け、全てを呑み込んでしまう。。。飲み込まれる恐怖をももたらすのが大地。母の愛もしかり。飲み込まれ、支配されてしまいそうな恐れを、人は感じることがあるのかも。育てる母性を豊かに持った土の要素の強い人は独特の話し方をすると、アメリカはモンタナ州でエレメンツに関するリトリートワークショップに参加した時、ベリーダンススーパースターの一人として活躍していた講師、ドンディ＆ティターニャ姉妹から教えてもらいました。（この素晴らしい体験についでもまた！）

などなど、両極端な性質を簡単に述べましたが、こんなことを面白おかしく自分たちの言動にも例えつつ、我が身を振り返りつつ笑いつつ、ワークショップはスタートしました。そして今も、エレメンツを舞うことは続いています。それだけ、心身のバランスを取るのに必要な要素だからです。またワークショップにおいては、私自身、笑わせる言葉が口をついて出てくるのは、やはり火の要素が強いのかもしれません。怒りっぽいかどうかは。。。どうか聞かないでください。笑　

普段は多くの時間を海で過ごしています。

とにかく、心身を流れるエレメンツのバランスが良いと快適です。エレメンツは、他に木や金属などもありますが、エレメンツを学ぶことによって、今は水が過多かなとか、火が強過ぎるな、などと意識できるようになり、これほど自分自身の心身と自然とがつながっているのかと驚いたり。ダンスを踊っている時も楽しいに違いないけれど、早速家に帰る道すがら発見や気付きがあり、家に帰ってからも、次のワークショップまでの間も、気付きというフィードバックが次々やってきてなんだか楽しい！そうして、人生を豊かに生きるために大切なこと、自分自身を知ることにつながり、楽しい道筋になればと思い、教えています。

教えるというよりも、輪になって好きなことを話しながら、シェアをするという明るい雰囲気です。それでは、ワークショップに関する経験談、そして想いもまた尽きせぬものがありますので、また綴ってゆきますね！

エレメンツをご自身の身体で感じてみたい方、踊りを通して、音楽を通して、一緒に楽しみましょう～

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