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はじめてのおにぎり

幼少期の両親の不倫の話です。始終、泣きながら書きました。事実をそのまま書いていて、不快になったり自分の体験を思い出して悲しくなる方もいると思うので、お気をつけください。全て現実の出来事なので、攻撃的な人を避けるため金額をつけています。ご理解ください。

わたしは都内のIT企業に務める、普通のOL。

今年35歳になるが、独身だ。

ある日会社に企業コンサルの先生がきて、わたし達従業員にこんな課題を出した。

「次回までに、それぞれのパーソナルゴールを考えてきてください」

よくカタカナを使うおじさんだから、最初は何をいってるかわからなかった。

よくよく聞くと、つまりは個人目標を立ててそれに向かって仕事をせよ、ということらしい。

提出期限もあり、それを考えた瞬間、わたしは目眩がした。

なぜなら、わたしには夢やゴールとして描く未来がないからだ。

自ら望んでこうなりたい、と思ったことがない。

やりたいことではなく、結果的にそうなったことの方が多い。

厳密には、"ない"のではないかもしれない。

ただ、小さな頃から夢がなくて、将来の夢として「お医者さん」「お花屋さん」とか呑気にいってる友達をみてビビっていた。

「おまえら本気でいってんのか」と。

だからわたしはいつも、隣の席の子の夢を提出していた。

"わたしは将来、トリマーになりたいです"

わたしには熱意を注げるものがその頃からなかった。

それは仕事をしている今も続いていて、歩合制でもない仕事で、何を目標にしたらいいのか、まったく頭に浮かばず思考が停止した。

その場その場で人が喜ぶ仕事、褒められる成果をだす、それ以外に言葉が浮かんでこない。

でもそれではあまりにも漠然としていてゴールとはいえない。

そこで、会社で一番仕事ができる上司に相談してみることにした。

すると上司に

「自分の好きなもの・嫌いなもの・得意なものを自分で知っていないと目標は作れないよ」

と言われ、コンセプトを作るための本を渡された。

本を読み、自分の好きなもの、嫌いなもの、得意なもの、何だろうと考えてみた。

毎日Asanaというタスク管理アプリでリマインダーをつけて、朝起きたら3個好きなものをメモ帳に書く。

夜中は脳みそが疲弊しているから、朝がいいらしい。

すると自分がどれだけ堕落しているかを見せつけるような好きなことがたくさん出てきた。

好きなものは、飲みの席、ギャンブル、蕎麦屋の雰囲気、牡蠣を食べること、海をみること、文章を書くこと、みんなが自分に注目している瞬間、褒められること・・・

結構数が溜まってきて、次は何が嫌いか出してみる。

だけど、どこかで自分を美化したような、嘘をついて後ろめたい感じがして、それらがすべて本心じゃないのではないかと気づいてきた。

その後ろめたさや、こうでないといけないというような線引きがどこにあるのか、本当は気づいていた。

だけど、そんなことは小さいことだと維持を張ってきたわたしがいる。

それが、わたしの幼少期のトラウマの存在。

正直、これを解消しないことには、今のわたしの口からついて出ることは自分自身にも嘘をついたことばかり。

当時自分を守り母を傷つけないために、大人になって傷ついた自分を納得させるために、自分に嘘をついてきた。

そりゃあ、パニック障害も双極性障害も治らないはずだ。

思っていることとやっていることが違うのだから。

前置きがなくなったが、これがわたしがこの「トラウマ解消ノート」を始めるきっかけである。

よくある話かもしれないが、わたしにはこれらすべての事実がいまだに受け入れられていない。

自分の本当の意味の正義と違う。

でも、これをどうにか自分の腑に落とさないと、受け入れないと、わたしは会社の目標どころか自分の人生を満足にまっとうすることができないと思う。

だから一つずつ、噛み砕いて、本心で、何が起きたのか、自分がその時どう思ったのか、書いていきたいと思う。

これはわたしが小学二年生の時のこと。

わたしの母と父は、互いに公認の浮気をしていた。

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