一般企業に就職したら【就職後の生活を想像しよう】


就職をすることを目標にする場合に、考えておくことは自分の取扱説明書を考えてみることです。身体傷害者、精神障害者ともに、一般の人が仕事で一緒にすることが少ないことと、障害者ひとりひとりに付き合い方には違いがあるので、西野カナさんのうたのように「トリセツ」をつくって自分を理解してもらいましょう。


トリセツに何を書くのか

障害者ということで、一般企業に就職した場合、企業の人たちは障害者の事を全て知っているわけではありません。障害者の皆さんや家族の人が当たり前に思っていることも、当たり前でない場合があります。それを前もって知っておいてもらうためにトリセツを書いて、上司や同僚の人に自分を知ってもらうために作ります。
上の文章を読まれた方は気づいたと思いますが、自分や家族が当たり前と思っていることをどうやって企業の人が当たり前と思わないと気づくのは無理じゃない?
そうです。そのためにこの記事を書いているのです。自分や家族が普通と思っていることで、企業の人が普通と思わないことを書いていきます。


スペースの問題

車椅子に乗っている人は特にトリセツが必要です。
段差をなくすなどはよくしられていますが、以外と知られていないのは、動線上のものです。車椅子の場合には動線上にくずかごがあるだけでそこを通れなくなります。
そのため、少なくともあなたが通る動線上にはくずかごも置かないようにしてもらわなくてはなりません。トイレや食事をする場所に行く動線上にはものを置かないようにしてもらいましょう。また、話を聞いたり、仕事の説明を聞いたりするために上司の席まで行く場合にはその動線上にもものを置いてもらわないようにしましょう。

もう一つは机の問題です。
車椅子に座って作業をする場合には足が入るスペースだけではなく、車椅子の一部が入る必要があります。椅子の高さは調節可能ですが、車椅子は下げることができないのでトリセツに書いておくことが必要になります。


音の問題

話し声が気になって、作業が進まない人いますよね。
その場合に作業所などでは耳栓をしたり、音楽を聴くことで集中することにしていたかも知れません。そして、声をかけるときには、近くまで来て、肩を叩くなどをしてくれたと思います。職場では普通は耳栓や音楽を聴きながら仕事をしている人は居ません。
ですから、私には耳栓あるいは音楽を聴くことが必要であるとトリセツに書いておく必要があります。そして、それは、今の仕事に集中するためだとしっかり伝えてください。ですから、気分がいいときに音楽を聴いて歌い出す癖がある場合にはなるべく耳栓にするか、自然音の音楽を流しておくようにしましょう。
BGMがあるから大丈夫と言われたときは、私は耳ダンボなのでBGMと一緒に人の話し声が聞こえてしまうのですとトリセツに書きましょう。理由が分からないと無用な摩擦が生じますが、理由が分かれば、そこだけ気をつければ他と変わらないと分かってもらえるのでとても有効です。

説明の方法

これは、就職を決めるときに作業所の人が職場に伝えてくれているのが普通です。しかし、全員に説明してくれているかどうかは分かりません。トリセツを書いておくことは重要です。
まず、どこまで前提条件が共有できているかです。仕事場に長く居る人は、前提条件抜きにいきなり説明に入ってくることがあります。これ困りますよね。知らないことを知っているような感じで説明されても、それを推測するのが苦手な人にとっては。
日本人なら知っているはずとか、義務教育で習っているはずのことというのは、大抵は喋っている人の思い込みです。仕事をしながら覚えたことがほとんどなのです。まず、トリセツの最初に私は「空気が読めない人です」と宣言しておきましょう。
これは相手が面倒と感じるから嫌だなと思う人が居るかも知れません。そんなことはありません。今までの仕事の段取りをもう一度見直すことになるので、説明しているうちに新しい発見があるかもしれないからです。
これを今日中にやっておいてと言うのも、辛い人いますよね。自分がどれ位できるかが予測出来ない時はよくあります。その時には、ある程度仕事をこなしたら、新しくできることのトリセツを作りましょう。自分がどれ位の事ができるかは想像つきませんが、色々仕事をこなすうちに分かってきます。

その中で特に強調しておくのは、精神的疲労でこれ以上はできないと言う事をハッキリ書いておくことです。ベットメーキングで10室までは疲れも出ずこなせるようになると、13室できると聞いてもらうようにしましょう。できる場合は「はい」と答えればいいのですが、その3室が増える事により、精神的な疲れが出る場合が出る人もいるでしょう。その時ははっきり「ごめんなさい、私には10室が限界です」と言うことが大切です。

精神的な疲労感がある人はできる範囲の事をすることが大切です。
他の人からは肉体的には疲れているようにみえないときがあります。そして、限度を超えると精神的疲れがどっと出て、横になってしまうときがありますよね。急に疲れるというのをあまり見たことがある人は少ないので、ずるしていると思うか、急に倒れて大騒ぎのどちらかを引き起こす可能性があります。精神的に疲れたときにはそんな風になることをトリセツにしっかり書いておきましょう。

仕事がなれてきたら、量が増やせるようになるときもあります。
その時はトリセツを改定して、仕事を増やしてもらいましょう。


仕事の覚え方

仕事を覚えるのが不得意な人がいますよね。これはどうすれば良いかは作業所で解決法を見つけておいた方がいいのですが、たまたま教えてくれなかったらどうするかです。
普通はマニュアルというものが作られていて、それを見れば仕事ができるようになっていることが多いです。あなたが就職したのを機会にマニュアルを作ってもらうのも一つの手です。これは仕事の見直しになるので、上司に本当は仕事の手順を見直すためにやってもらうと、その仕事場全体の能率が上がるので、作ると感謝されるのですが、なかなか面倒なので作ってもらえません。これは、仕事を紹介してくれた作業所の人や福祉の相談員に相談した方がいいかもしれません。自分で言ったりトリセツに書いたりすると角が立つことがあるかもしれません。
もう一つは例えば職業を紹介してくれた人が、Excelができますといったので、上司が「これExcelでやっておいて」という言い方される場合があります。これ分かんないですよね。Excelで何をするのかを説明しないと私の頭にあるExcelは動かないとトリセツに書いておくことをお勧めします。この年月日と品目と値段が書いてある表を月ごとの合計をExcelを使って書いておいてねと言われたら、ちゃんとできますよね。これが、できない場合は作業所の人に文句を言ってください。

仕事の話をしてもらうときに、トリセツに書いておかなければならないのは冗談と普通の言葉が区別できないときです。仕事の話をするときには冗談を入れないでくださいとトリセツに書いておきましょう。「あれは冗談だったのに」と言われても、分からないですものね。


最後に

いくつかのトリセツに記載すべき事を列挙しました。自分に当てはまる事はしっかりとトリセツを作って上司だけでなく、可能な限り周りの人にも渡しておきましょう。別に変わったことではありません。自己紹介の詳しいものです。


以上 (大宮就労生 K)

最後までご覧いただきありがとうございます!
今回は浜大津就労生のKさんに記事を書いて頂きました!ありがとうございます(*^^*)

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