プアー•フリーターと終わりの部屋

ちょっといい部屋に住みたい。スーモの新築マンションのフリーペーパーを読んで思った。明るく風通しの良い、3Ldkの(関西で)4ー7千万くらいのやつ。とはいえ大学院浪人とは名ばかりの、親からの仕送り2,4万含む月収11万のフリーターには遠い夢。それにしたって写真に写る余裕のありそうな3人家族の子供の人生を知らなさすぎる。

今住んでいる部屋が8畳のワンルーム。ワンルームだから多少狭いとはいえ、眺めはいいし、古いことは全く気にせずに部屋を選んだのだが、隣がゴミ屋敷なのだ。部屋を出入りするにはゴミ屋敷の前を通らないといけない。冬はよくても、夏になると玄関を開けるたびに、生ゴミと公衆トイレのまざった臭いやゴキブリやらハエが入ってくる。し、扉を開けなくてもウジ虫みたいなのが(蛾の幼虫らしい)が自分の玄関にもたくさん落ちている。こいつらは高い段差は上れないため部屋には上がってこないが靴の中に入っていたことは何度かある。隣がゴミ屋敷で唯一のメリットが騒音を気にしなくていいことぐらいだ。冬になるとその隣人の1分くらい続く咳が聞こえてきて心配になるぐらい壁が薄いのだが、それでも自分は夜中に熱唱したりする。

この部屋に大学3年が始まるタイミングで入居した。実家暮らしだったが、もともと自然派ママだった母がコロナ禍で陰謀論にはまり、ワクチン接種券を無断で捨てられたことから、「一人暮らししたい、マジで」が「もうここには住めないな」に変わった。とはいえ絶縁したわけでもされたわけでもなく、たまに実家に帰るし、そのときには割と会話する。

そして割と家賃さえ安ければ、というかんじで決めたから隣の部屋の事なんて気にしていなかった。けど管理費に水道代込みで2.6万だから仕方ないのかも。だけどもう気温も上がってきたし、ついに2年ちょっと住んだこの部屋から引っ越しする。やっと。退去は5月末で決まったが次の部屋はまだ決まっていない。内見が体調不良だったりゴールデンウィークだと業者と連絡がつかず二度手間になるよといわれたりで伸ばし伸ばしになってしまっている。けどこれからの引っ越しに伴う面倒くささも、殺虫剤をかまえて玄関ドアを開ける苦労やゴキブリが手に当たって目を覚ますこと、部屋の動くもの全部がゴキブリに見える苦痛に比べたら、、、。

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