「モグラ」よりサングラスをかけさせられている存在を探す
「サングラスをかけている生き物」
そう聞いて皆さんが思い浮かべるのは、たいてい「モグラ」だと思います。
モグラのキャラクターは古くから「サングラスをかけた姿」で描かれることが多いです。
この傾向は、「モグラは光に弱い」という言い伝えから来ているのでしょう。
光に弱いモグラにとって地上はまぶしすぎるため、目が潰れないようにサングラスを着用している、といったイメージでしょうか?
しかし実際のところ、モグラは決して光に弱いわけではありません。
地中生活に適応したモグラの目は、ほとんど光を感じることはありません。つまり、地上に出ても太陽光がモグラの目を脅かすことはないのです。「まぶしい」という感覚すらない可能性があるのですから。
しかし、今日も今日とてサングラスをかけたモグラは描かれます。
フリーイラストサイトのイラストACで「モグラ サングラス」と検索すると、47件がヒットし、そのうち43件がシンプルにサングラスをかけたモグラのイラストです。かなりの高濃度ですね。
もうこれは彼らの運命なのでしょう。
一種のアトリビュートと考えたらいいのかもしれません。
聖母マリアと百合の花、使徒ペテロの鍵のように、モグラにはサングラスなのです。
するとふと、僕の頭にはひとつの疑問が浮かび上がります。
「モグラよりサングラスをかけてる存在っているの?」
地中生活に特化したモグラですら、こんなにサングラスをかけさせられているのです。
もっと意味不明な理由で、モグラよりも頻繁にサングラスをかけさせられている存在がいたっておかしくない。
そう考えた僕は、サングラスをかけたキャラクターのフリーイラストを片っ端から調べ上げました。
以降は、その意外な調査結果をご紹介いたします。
悪いやつ系
サングラス=不良、というイメージは今も根強いですよね。
そこで、「悪いやつ」っぽくてサングラスをかけてそうな存在として「サメ」と「ばい菌」取り上げ、投稿されているフリーイラストの数をカウントしてみると……
サメ→2件
ばい菌→1件
という結果になりました。全然いませんね。
夏のシーズン系
「夏」や「南国」というイメージはサングラスにぴったり!
ということで、何種類か夏っぽいものたちを見繕い、イラストACでの投稿数を数えてみました。
カブトムシ→1件
パイナップル→30件
スイカ→6件
ひまわり→17件
お~、パイナップルが健闘している!
同じ果物のスイカと比べても、パイナップルは圧倒的な投稿数を誇ります。
夏っぽさだけでいうとスイカの方が上な気がしますが、パイナップルのチャラい感じとか海にいそうな雰囲気がサングラスを呼び寄せているのでしょうか?
とはいえ、流石のパイナップルでもモグラの投稿数にはおよばず……。
次の部門では、モグラを凌駕する「サングラスの似合う存在」が出てくるのでしょうか?
「逆に」系
サングラスをかける必要のあるところにいなさそうな生き物に、あえてサングラスをかけさせる。いわゆるギャップやズラしといわれる部門ですね。
寒いところに棲息する「シロクマ」と「ペンギン」を調べてみました。
すると……
シロクマ→65件
ペンギン→56件
どちらもモグラを超えたッッッッ!!!!
ペンギンがサングラスをつけているのは「バッドばつ丸」のイメージかなぁと考察できるのですが、シロクマはなぜだか本当にわからん。
サングラスをつけやすそうな顔をしているからでしょうか? 真っ白だとサングラスが映えますしね。
よくよく考えてみれば、極地にサングラスは理にかなっています。
雪は日光をよく反射するので目に悪いですし、ずっと日が照り続ける白夜もあります。ちゃんと目を守る意義があるわけですね。
まぁ、こじつけですけど。
ともあれ、ついにモグラをこえるものが現れました。
今日から、サングラスをつけている動物といえばシロクマです。
皆さんも、認識を改めていきましょうね?
本当の「王」
皆さんには隠してきたのですが、ここまでの調査で「ある圧倒的な存在」が浮かび上がりつつありました。
そいつは、パイナップルやひまわりの画像を調べているというのに、ちょくちょくサングラスをかけて検索結果に割り込んできやがったのです。
なので、「それ」がおそらく「最もサングラスをかけたイラストが描かれているもの」なのは薄々気づいていました。
それは何かというと……
「太陽」だぁッッッッッッ!!!
そう、サングラスをかけた太陽のフリーイラストはめちゃくちゃ多いんです。
イラストACでの221件。モグラの5倍以上という結果になりました。
いわずもがな、サングラスとは太陽光から目を守るために着用するもの。
じゃあ、なんで太陽がかけている……!?
むしろ、この世で一番サングラスが必要ないは太陽じゃないのか?
やはり、「強い光が照りつけている」イメージを表現するには、太陽にサングラスをつけさせるのが最適ということなのでしょう。
あと、サングラスを着用することで醸し出される生意気な感じも、僕らをジリジリと照らす太陽のイメージに合っているのかもしれません。
というわけで、サングラスが最も似合う存在は「太陽」という結論になりました。
投稿母数自体が異なるので断言はできませんが、モグラよりもサングラスのイメージが強いのかもしれません。
シロクマや太陽にくらべたら、たとえ迷信であっても「光に弱いから」という一応の理由があってサングラスをかけさせられているモグラたちの方が、幾分かマシな気がしてきましたね。
皆さんも、「こんなやつがサングラスをかけてるの見た!」というタレコミがありましたら、ぜひぜひご連絡くださいね!
本日は、サングラスをかけたハシビロコウのイラストとともにお別れといたしましょう。
それでは!
(終)
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