母は愛を一言も発しない

母の好きなものをよく知らない

母が父を疎ましく思っていることは幼少期からよく知っている
父の悪口は散々聞かされてきた
洗脳のようだった

母の惚気のようなものを一度も聞いたことがない
父と母は家庭内別居のようなものだったが父にも母にも婚外の影は見えなかった

私はいつからか「歪んだ家族」を感じ取り、ある時はピエロになり、またある時は優等生を演じ、頭がおかしくなり、反抗期のレベル100になった

母は私を褒めたことがない
母が褒めるのは妹を嘲笑うように「ぷくぷくしててかわいい」というだけだった

かわいいも、愛してるも、親から貰うものではないと思っていた

言葉でなくても良かった
感じられるのならそれで良かった

私は何も感じ取れなかった

貰ったのは嘲笑、人格否定、恥ずかしい子、という烙印

先月どうしても生活が困窮し、ダメ元で仕送りをお願いしたら想像以上の現金と食べ物の仕送りが届いた

私のことを現金なやつだと思うだろう
母から「欲しい」ものを何の嫌味も拒否もなく貰えたのは人生で初めてだった

私はダメな奴で今月もピンチだということをまたダメ元で伝えてみたら許諾してくれた

私はそれが愛だと思った

ここだと思い、今思っていることを長文で伝えてみた
過去の事を全て許すことはできないけれど、新しい関係を築く意思があるということ、仕送りがとても嬉しかったということ、愛情を感じたこと

そしたらなんと、スルーされた

ああ!語れないのだな!あなたは!
私の思いは蔑ろにされた
だが生活を助けてくれる、その気持ちは、あなたの貯金を切り崩す、その気持ちは何なのだ!

私はその一言が一生かかっても聞けないらしい

家族全員歪んでいるけれど、私が1番壊れているけれど、私は家族も、世界も、愛したいと思っているよ

大切にしたいのよ
ただ、大切にされたことがないので大切にする方法が分からないのだよ

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