パパの命日③

自宅に帰ってきてからは、わりと元気に過ごしていたらしい。

入院中、カニューレ(気管切開のところに付けているプラスチックの器具)や、胃ろう(お腹に小さな穴を開けて胃の中にチューブ(胃ろうカテーテル)を通して栄養剤を注入する方法)の手術をし、口から物が食べられ無くなっても、胃に直接専用の栄養食を入れられる器具もつけた。

平日あたしが行くのも、休日に子供達(孫)を連れて行くのもたまに…になってしまい、殆ど母に任せっきりになってしまった。

なので、パパが自宅で療養していた頃の記憶はあまりない。それでも何度か救急で病院に行って、短期の入院を繰り返していた

でも母はそういう事は事後報告で、なるべくあたしに心配をかけないようにしていた。今思えば、もっともっと、母を気遣ってあげられたらよかった…と思う。あたしが母に任せきりにしている数年の間に、少しずつ少しずつ、パパの体調は悪くなっていっていた

続く