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本会議:厚労大臣不信任案 賛成討論(中島克仁2019/03/01)

根本匠厚生労働大臣不信任決議案・賛成討論(衆議院本会議)

○中島克仁議員 社会保障を立て直す国民会議の中島克仁です。会派を代表して根本匠厚生労働大臣不信任決議案に賛成の立場で討論を行います。
 社会保障の将来に不安を抱く国民が多い中、毎月勤労統計の不正調査が発覚をいたしました。セーフティネットへの信頼を損なう、不信を募らせる大変重大な問題であり、全容解明・再発防止のために政治の責任として与野党問わず努力をしなければなりません。
 失った統計に対する信頼を取り戻す基本である全容解明に向け、その先頭に立たなければならないはずの根本大臣ですが、昨年12月20日に不正の報告を受けながら、翌日21日には勤労統計の10月確報値をそのまま公表してしまい、また、不正な調査に基づき算出された雇用保険給付額などを含んだ平成31年度予算案の閣議決定にサインをし、黙認をされました。その後閣議決定をやり直すという異常な事態に至らしめた責任は、極めて重いものであります。不正を知りながら予算案の閣議決定にサインをした事実は、厚生労働大臣としての資質を疑わざるを得ない行為です。
 さらに、第三者委員会とは名ばかりのお手盛り調査を公表し早々と幕引きを図ろうとする姿勢は、国民の統計また厚生労働行政に対する不信をさらに大きく増大させてしまいました。たびたび訂正される答弁は国会を軽視するものであり、余りにも危機感のない対応は深刻です。
 国民の命を守る厚生労働行政のトップとしてふさわしくないのは、一連の行動、その姿勢から明らかです。今回の統計不正によって雇用保険の失業給付などの支払い不足が発生し、国民に損害を与えたこと。省内のチェック機能が働かず、外部から指摘されてようやく問題が発覚するという、ガバナンスが著しく欠如している現状の、事の重大さを本当に認識されているのか、甚だ疑問です。
 先日公表された特別監察委員会の再調査の結果は組織的隠蔽を完全に払拭できない内容であり、統計不正をめぐる国民の疑念は解消されたとは到底言えない状況において、さらなる真相究明が必要です。官邸の関与の可能性も否定でき得ていない現状において、官邸の意向ばかりを気にして国民と向き合わない厚生労働省、問題に真摯に向き合わない事なかれ主義の根本大臣のもとでは全容解明などできるはずがありませんし、解明したと言われても、これまでの経緯を踏まえれば信用できるはずがありません。公的統計の不正は国の信用を揺るがす大問題であり、さらに医療や介護を含む社会保障全般に対する信頼も失いかねません。統計の信頼、厚生労働行政の信頼を取り戻すためにまずやらなければならないのは、根本大臣から信頼できる大臣への交代が、その第一歩です。
 私は、個人的に、青年政治家のころから使命感を抱いてこられ、活動されてこられた根本大臣を尊敬をもしております。20年前、根本大臣が主導され、高い志をもって結成された政策グループ「NAISの会」。時代の一歩先を見据え、新しい政策を掲げて改革を主導するための、わき立つようなエネルギーをお持ちだったはずです。当時の志は一体どこに行ってしまわれたのか。今回の事態は、むしろ潔くご自分からその職を辞して責任をとり、厚生労働省の奮起を促すくらいの気概を見せていただきたかったです。まことに残念でなりません。
 統計不正調査の全容を解明し、二度とこのようなことが起こらないよう対策を打ち立てるためにも、根本匠厚生労働大臣不信任決議案に賛成することを申し述べ、討論を終わります。

(以上)


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