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SHADOWTIMES

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港千尋+勝又公仁彦フォトメールマガジン
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2015年3月の記事一覧

SHADOWTIMES 2013/05/30 Vol.28

SHADOWTIMES 2013/05/30 Vol.28

《shadowtimes》Post.14
「雨の日の王」港千尋初めての土地では、最低三日間あるといいという。身体が馴染むのに、それくらいかかるからだろう。先週モンゴルに着いて、あっという間にもう帰りとなってしまったが、初めての空気と水が浸み込むのには、ちょうどいい時間だったかもしれない。もっと長くいれば、当然いろんなことが見えてくるのだが、短いなりに濃い滞在だった。

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SHADOWTIMES 2013/05/23 Vol.27

SHADOWTIMES 2013/05/23 Vol.27

《Days and Lights》Post.11
「パランプセスト」 勝又公仁彦Vol.20「ミュージアム都市(1)」で港さんが2004年のニューヨーク近代美術館のリニューアルオープンの時のお話をお書きだった。当時私も雑誌の取材でMOMAを訪れていた。

その際に港さんにロックフェラーセンターの下のスケートリンクが見えるオイスターバーにお連れ頂いたのが良い想い出として記憶に残っている。

都市の中

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SHADOWTIMES 2013/05/16 Vol.26

SHADOWTIMES 2013/05/16 Vol.26

《shadowtimes》 Post.13
「鎧戸から洩れ入る光」港千尋うら寒い黄金週間をあけたと思ったら、いっきに陽射しが強くなり今日など真夏の気温である。窓を開けるとどこかで風にそよぐ木々の音が気持ちいい。ブラインドをすこし降ろして、読みかけた文庫本を開く。

上下に分かれた二巻の上巻は表紙がシダの生い茂る森の写真。ちょうど今時分の雑木林の光景だろう。下巻は同じような森の冬景色。ヘンリー・デイ

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SHADOWTIMES 2013/05/09 Vol.25

SHADOWTIMES 2013/05/09 Vol.25

《Days and Lights》Post.11
「みえないものをみる装置」 勝又公仁彦Post5で雷を取り上げた際に、雷と電気との関わりについてはほんの少ししか触れられなかった。雷は放電現象なのだから、それが話の中心になるのが本来の姿かもしれない。

逆に電気といえばPost8でニコラ・テスラを採り上げた。そもそも私がテスラに関心をもったきっかけは彼のラボラトリーでの大規模な放電実験の写真を目に

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SHADOWTIMES 2013/04/25 Vol.24

SHADOWTIMES 2013/04/25 Vol.24

《shadowtimes》 Post.12
「ゲームの王」港千尋コンピュータと人間が勝負するのは、これが初めてではない。だがこの4月20日に行われた第2回電王戦は、いろいろな意味で記憶として残るゲームになった。将棋ソフトとプロ棋士5人が対戦した団体戦の結果は、すでに報じられているように、3勝1敗1引き分けでソフト側の勝ちである。

特に最上位に在籍している三浦弘行八段が、最終戦第5局で敗れたことは

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SHADOWTIMES 2013/04/18 Vol.23

SHADOWTIMES 2013/04/18 Vol.23

《Days and Lights》 Post.11
「闇と諸相と」 勝又公仁彦(邦彦)リクエストがあったこともあり、度々自分の作品について記していこうと思う。もちろん自分で自分の作品を言葉にするのは無理もある。全てを把握し理解しているわけでもない。言葉で言い尽くせれば視覚による作品を創る必要もないだろう。

また、作品についての考えは制作の進行に伴い変化することも多く、その考えに従って新たに再編さ

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SHADOWTIMES 2013/04/11 Vol.22

SHADOWTIMES 2013/04/11 Vol.22

《shadowtimes》 Post.12
「書庫のエコロジー」港千尋先日書店で本を買ったついでにページを開き、そのまま閉じることのできなくなってしまった―立花隆さんの新刊である。増え続ける本をどうするかは、多くの人にとって悩みの種だろうが、それに対するひとつの答えというか、少なくとも瞠目すべき態度を見せているのが、この本なのだと思う。

ひとことで言えば、増えれば増えるほど、本のための空間も増や

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SHADOWTIMES 2013/04/04 Vol.21

SHADOWTIMES 2013/04/04 Vol.21

 《Days and Lights》 Post.10
「暗がりと白と」 勝又公仁彦(邦彦)初めて「美術」に触れのはいつのことだったか皆さんは覚えているだろうか? 美術の定義に依るが、ここは非常に広い枠で進める。現代はデザイン家具なども含めて生まれた時から同時代の美術に触れて育つというお子さんも多いかもしれない。私の場合はほとんど置物レベルの小さな彫刻が幾つかと床の間などに飾られた掛け軸や扁額などの

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SHADOWTIMES 2015/3/15特別号Vol.2

SHADOWTIMES 2015/3/15特別号Vol.2

「『フランスの色景』と旅の始まり」三木学

前回、特別号として台北の立法院の学生による占拠についてのレポートをお送りした。その後、港千尋さんはそれらの経緯を『革命の作り方』(インスクリプト、2014)という一冊の本にまとめた。特別号はまさに立法院の占拠の最中の出来事を記録したものであり、フォトメールマガジンという媒体でしか伝えられない速報性の高い内容になったと思う。今回は、港さんと私が共編著で制作

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