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2020/2/15 風の谷のナウシカ(ディレイビューイング)

「いだてん」の圓生を見たタイミングで製作発表を目にしたことから気にはなっていて。
歌舞伎座に行くのは敷居が高いものの映画館で見られるなら、ということで行ってきた。
普通の映画館のチケットと比べたら高いけど実際に歌舞伎座に行くよりは安いよね。
期間限定なのがちと面倒かな。

尾上菊之助は美形なのに表情が乏しくて現代劇では物足りないと思うものの、中村屋兄弟の御披露目時の桃太郎の犬役?がまさに犬そのもので、彼の顔より所作が好き。
40代で少女役はアップ時の皺が気になるものの喪失、悲しみを訴えかける姿がとてもよい。
ユパ様の松也は、直虎の今川氏真しか知らないが声も通るし見栄も決まっていていい役者。
途中、舞台替えの際に客席を歩いていくけれど観客を惹き付けるのが上手い。
家柄のせいかなかなかいい役が付かないのだろうがこれからも見たいと思った。

後は知見がないもので役付きで気になったのが
尾上右近(アスベル)、片岡亀蔵(クロトワ)、中村米吉(ケチャ)、河原崎権十郎(ジル)、市村橘太郎(ミト)。
クロトワとミトは映画から抜け出てきたよう。
衣装は着物なのに表情の作り方が上手いんだと思う。

後は何といっても、白い魔女ことクシャナ様。
やっぱり決まっているよね。
七之助推しでチケット買い占められたと言っても過言でないくらいの存在感。
気高さと冷徹さが合わさって見目麗しい。
中の人自体はそう美形だとは思わないのに、役者としての力を思い知らされる。

役者だけでなく、舞台美術や音楽もすごい。
王蟲の襲撃する背景や、養殖時の太刀合いの水のシーン、メーヴェの立ち乗りとかインタビューで菊之助が言っていたように、これまで培われてきた歌舞伎の技術を用いて新しいものを作り上げる、との言葉通り貴重な瞬間に立ち会っている、と感じる。
そして、和楽器で奏でられる久石譲のメロディー。いい音楽は普遍的だし、この編曲をした人によくぞ!と手を握りたい気分。

原作を見ていないので、ここからは未知の世界。もうチケットも手配したので、後半も楽しみ。


2020/2/29 後半

行ってきた。3時間はDWLと同じくらいだけどあっという間。

歌舞伎の和のテイストに違和感を覚えるところはしばし気になるが(ヴ王がちょんまげとか)集中して見られたと思う。

今回良かったところ

・坂東巳之助のミラルパとナムリス
・中村歌昇のセルムと墓の主の精
・尾上右近のオーマの精

役柄によって、声の使い分けの変化がすごい。
特に巳之助と右近は同一人物とは思えない。
後でチェックして気付いたくらい。

自分が知らないだけでいい役者はいっぱいいる。是非再演してもらい、今度は生で観てみたい。

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マダムM2020年2月29日20:06

観に行こうかと思いましたが、昼夜通しなので舞台は観てません。その上ナウシカ自体あまりストーリーを知らない・・・
若手の色々な試みは素晴らしいと思います、付いて行くのが大変ですが(苦笑)

しょこら2020年3月1日15:03

マダムMさん

私も原作予習せずに行きましたが楽しめましたよ。
入場時に人物相関図をもらえるのでそれで何とか付いていけた感じですが…。
歌舞伎しかり、宝塚しかりご贔屓を見つけると応援したくなるのが何となく分かった気がします。