2011/2/19 平山郁夫と文化財保護@東京国立博物館(上野へ)

文化財というのは主に仏教文化。
正直なところ、宗教的なものは(思想に染まる、ということが引っかかるのか)絵も音楽も好きではない。
ただ、年をとって考え方が少し変化したのか、仏像などを見て心に不思議な感覚をおぼえるようになった。
(うまく言葉に出来ないけれども)
印象に残ったのはバーミアン大仏の絵。
タリバンにより破壊された仏像を描いた作品は顔や本体を削り取られ、発破された痕跡が仏像の不在を強く訴えていて、平山郁夫の怒りが伝わってくる。
それから、夜空(アンコールワットの月など)の月と空のコントラストが美しい。
コバルトブルーの顔料の発色が素晴らしいというのもあるがそれが砂漠や月の色を引き立てていると思う。
また、顔料がマットなのでその凸凹による陰影もいい。
薬師寺(奈良)に奉納された大唐西域壁画も特別公開された。
去年、薬師寺で見たものと同じだけれど一連の流れで見ると迫力が全然違う。

平山郁夫は各国の仏教文化財を保護するために資金援助や修復技術の伝承などの活動をしていたとのこと。
日本はお金だけ出せばそれでいい、というような風潮があるが、それ以外にももっと活動しているということを世界にも、日本国内にももっとアピールしていいのではないかと思った。



次はプーキシン美術館展とベッティーナ・ランス展。
その前に水と彫刻の丘へ行かなくては。
箱根の野外美術館にも行きたいし、芸術は秋だけには限らないらしい。