見出し画像

鼻詰まりを手術で直したよ(鼻中隔湾曲症の手術体験記)

「一生治らないと思っていた鼻づまりが、手術で治って人生変わった」という話です。
 私自身いろんな方の体験記を読んで参考にさせていただいたので、お返しではないですが、一事例としてネットの海に記録を残しておきます。「鼻が詰まるなら鼻をかめばいいじゃない」という発想の人は、この投稿は何の参考にもなりません。鼻をかめないんだよ。

■手術までの経緯

今までずっと鼻づまりがひどい人生でした。スギ・ヒノキ・イネ・ブタクサ・シラカバ、大体の花粉は反応するためほぼ一年中花粉症でした。さらには猫を飼っているのに猫アレルギー。鼻を噛んでも何も出ないのに詰まっている、というのは当たり前で、お酒を飲むと鼻から息ができなくなることもありました。鼻洗浄(鼻うがい)の液が鼻を通らない、とかもザラ。

そんな鼻に不自由を抱えて暮らしていた私ですが、たまたま「鼻中隔湾曲症」という症状があることを知りました。左右の鼻の穴を隔てる軟骨が曲がっていることで、鼻が詰まってしまうようです。そして、どうやらこれは手術で治るらしい!
 近所の耳鼻科で相談してみると、

軟骨がS字に曲がってて、両鼻とも空気の通り道が狭いですね」

とのこと。そんなことある?

そこでは手術はやっていないとのことで、大きな病院(千駄木の日医大です)に紹介状を書いてもらいました。CTを取ってもらって見ましたが、綺麗に曲がって穴が狭くて笑っちゃうレベルでした。
 「物理的に鼻が詰まる」とは言葉のアヤだと思っていたのですが、本当に物理で詰まってたとは…

で、これを改善するための手術が2つで、1つは曲がった部分の軟骨を切除して真っ直ぐに矯正するもの、もう1つは張り出た粘膜を支える軟骨を切除することで、アレルギー反応を起こしても粘膜が鼻道を塞ぎにくくするものでした。(正確には主治医の先生に確認して下さい)

アレルギー体質が治るわけではないこと・諸々リスク等の説明も受け、年がら年中苦しい鼻詰まりが解消する可能性があるなら、と判断して受けることにしました。

■入院中の暮らし・術後のキツさ

入院前にも何度か診察・検査がありましたが、そこは省略します。私の場合、入院〜退院まで8日間のスケジュールでした。

・1~2日目:入院手続き・PCR検査・麻酔科の診察

コロナ禍だったので、入院前にPCR検査も受けました。唾液めっちゃ溜めて待ってたのに、鼻に検査棒ぶっ刺されて悲しみ。後は暇です。

・3~5日目:地獄(手術・静養)

手術自体は全身麻酔なので、そこまで辛くはなかったです。
 手術台までは自分の足で行くので、ドラマみたいな手術室の雰囲気でめちゃくちゃ緊張しました…そして緊張でどんどん上がる自分の心拍数を聞きながら、麻酔で意識を失い、気がつくと終わってる、という感じ。

術後は止血のため、綿球が両鼻にパンパンに入っており、ずっと口呼吸&目の奥が重く、手術に伴う発熱も37.5度前後が続き、かなり辛かったです。覚悟はしてたけど、こんなに辛いとは…。
 他の方のレポ見てると「鼻は辛いけど体は元気だからネトフリ観てた」とか見かけますが、私の場合はとてもそんな元気は無かったです。ずっと寝てました。ただ、よく見かける「耳抜き状態になって飲食が辛い」というのは私の場合はそんなに無かったです。
どっかから圧漏れてんのか…?とも思いましたが、元の鼻詰まりが酷すぎたから慣れてるんだと前向きに解釈しました。花粉シーズンは何もしなくてもツバ飲み込んだだけで耳ツンとすることあったし。
 ただ、とにかく「発熱・口呼吸・鼻/目の奥の重み」のセットはめちゃくちゃキツかったです。

・6~8日目:止血綿除去~退院

6日目になると熱も治まってましたが、鼻の綿が取れることで一気に楽になりました。ただ、空いた鼻空間を埋めるようにどんどん粘膜が腫れてくるので、まだ空気は通らない感じ。
 とはいえ、鼻の奥にずっとあった異物感・重さが無くなるので、快適でした。綿球の取り出しもそこまで痛みはなく、引っ張られるとズルズルっと出てくる感じ。私の場合はガーゼではなく、謎のヌルヌルした大量の綿が詰まっていました。だから痛くなかったのかな。
 にしても、冗談みたいな量が鼻に入ってて、ちょっと引きました。見た目の体積的にはウインナー1本分くらいの量がそれぞれの鼻から出てきた感じ…人間の鼻ってそんなに入るんですね…

■その後

退院直後から、食べ物の香りが変わりました!飲み込んだ後の香り?みたいなのを感じるようになり、今まで食体験が大きく損なわれていたんだと気づきました。
 その後は日に日に鼻の腫れが収まり、空気がどんどん通るようになってきてます!喉に空気が当たる!なんだこれ!普通の人ってこんなに息吸えてんの…と衝撃を受けてます。
この感動を伝える術がないのがもどかしいですが、体感としては「今まで極細ポッキーくらいのストローで頑張って空気吸ってたのが、タピオカストロー並みにぐんぐん吸えるようになった」って感じです。わかるかなあ。
 投稿時点で退院後3週間くらいですが、それまでに何度かかさぶたも取れ、もうほとんど鼻の中に違和感はない感じですね。とにかく快適です。左右どちらの鼻も通る、というのが今までの人生でなかったので、信じられないです。

■費用

・退院時の窓口支払いは約16万(差額ベッド代コミ、社保の限度額認定証を適用)
・加入していた医療保険の給付金
・高額医療費制度で大幅に還付(額は所得で変わります)
で、ほぼほぼ持ち出し無しで賄えました。
普段しっかり健康保険お納めしてるので、たまにはいいでしょ。

■まとめ

一生通ることのないと思っていた鼻が、術後数日間の苦しみに耐えることで治りました。割と本気で、人生が変わる体験だと思います。術後の鼻どおりの快適さ・食事の際に感じる香りは、手術前では絶対に得られなかったものがあります。
 あと、個人的には日帰り手術はお勧めしません。術後のあの苦しみを日帰りで自宅で耐えるのは、ほんとに辛いので。
花粉の本シーズンでどの程度症状が緩和されるかはこれからですが、現時点ではとても快適なので、ここまで読まれて気になる方は色々調べてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?