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佐々木朗希の完全試合を配球の方から言う

1回の表第一球を真ん中低めにまっすぐを161lkm/hで投げ込むとそれをオリックスの1番打者後藤はファウル。
2球目、3球目は外外で両方とも同じ様に低めにまっすぐまっすぐ。そしてその2球ともファウル。
そうして外の高さ真ん中に勢いのあるフォークを投げてその球とのバットの衝突で二ゴロに。

1回の先頭打者後藤

そこから、バレラ、吉田正に対しても全球低め、そして真ん中から外で組み立てて一ゴロ、三振。連続三振はここから始まりました。まずは1回をすべて低め。そして直球とフォークのみでしとめます。その裏ランナー進んでの内野ゴロの間に一点先制。少し楽になったのか2回からほんの少しピッチングが変わります

2回最初の球は真ん中ですが胸元の高さに157km/h 相手のラベロは手を出しファウル。そこから外外外と続けて空振り三振
福田に対しては最初内の低めを見送られボールを取られると、外の真ん中がちょいとハズレ連続でボール。そこから真ん中低めにストレートストライク。真ん中高めに来た球を振ってファウルしたところ、真ん中低めにフォークが来ておっつかずに空振り三振
西村へはほぼど真ん中から攻めてファウル。そこから外外の高めを攻めて最後は外の低めにフォークを落として空振り三振。

3回ここも高め真ん中から入りましたがちょいと外れてボール、そして外の低め、真ん中低め、ど真ん中に来た球はファウルで1-2。最後はまた外の低めにフォークで空振り三振。
福永に対しての初球が真ん中低め、真ん中は見逃しでしたが、次の真ん中高めで食らいついてファウル。しかしまた外のフォークで空振り三振。
外真ん中の球をファウルされて入り、真ん中高めがちょいと外れてボール。そこで捕手の松川が指示したのが内の高め。そこを見逃すと最後は同じ高さの外にまっすぐで空振り三振。

4回2度目の後藤には高めにボールが続いて「見られている」感が出た時、また内角高めでのけ反らせてから、外、内と投げてもファウルファウル。でしたが、最後は外低めのフォークで空振り三振。

4回の後藤への攻め

バレラに対して初球外のフォークが外れてボール、そこから外高め見送り真ん中高めファウルしたあと内角低めにストレート162km/hで見逃し三振。
3番の吉田にはストレート待ちが思いっきり判るような気合いをはぐらかすようにカーブを続けそして外へのフォークを続けての空振り三振。捕手眼線で見るとここで今日の試合ほとんど(他に2回の西村に対しての2球目のみ、試合ではここ含めて3球) 使っていないカーブがかなり効果的に出ていた。
それはスコアラーや吉田「以外」の打者に「カーブもあるのか」ってなった凄い攻めなんだろうと。そしてその「カーブ」はフォークやスライダーほど「磨かれていない」にも関わらずブレーキが効いた球==球速の差が大きい球もある、となるとストレートを待つ体制からフォークを待つだと15km/h ほどの差に過ぎないが、ストレートを待つ体制からカーブを待つともなると球速差30-40km/hほどになり一拍から三拍の差になりヤマを貼る状態にしても賭事が過ぎる状態になり迷いを産んでしまう。
このポイントが分かれ目だったんだと確信する。

4回吉田正へのカーブカーブフォークフォーク

分水嶺(れい)は4回にあった。2死後、打席には“三振しない男”吉田正。内角へのカーブ2球で、さっと追い込んだ。佐々木朗は「松川のサインなんですけど」と明かし「ああいったところが次の打席に生きたりだとかしていると思うので、そこに本当に感謝しています」と口にした。この日3球投げたカーブのうち、2球が吉田正の打席。見事なゲームプランだった。

nikkansports 22/04/10 【ロッテ】18歳松川虎生が演出した20歳佐々木朗希の完全試合「すごく信頼していただいてる」
https://www.nikkansports.com/baseball/news/202204100001208.html

5回スライダーが高めに上がり外れてボール。そこからど真ん中に2球続けるもファウルファウル。最後は外の高めにフォークがストライクに入り見逃し三振。
一球高めの外161km/hが外れてボール同じところにもう一球をファウルされると、また同じ場所に抜いた様なフォーク。それは外れてボール。そこからちょっとギアが入りど真ん中に162km/hのストレート。これにはバットが出てファウル。最後はど真ん中低めに149km/h フォークで空振り三振。
福田に苦労したからなのか、次の西村には圧巻のピッチング。外の低めのフォークで空振りを取ると内の低めボールからストライクになるスライダーでストライク、そして外の低めに163km/hのストレートには手が出ず見逃し三振。

6回 先頭の紅林が一球目のど真ん中のストレートに手を出しセンターフライ。これで連続三振は13で止まる。
福永に対しては真ん中低めを連続に投げ、内角高めのストレートに手を出させポップフライで補邪飛。
ここで連続イニング三振は?となるが次打者の宜保に外高めでボールになると真ん中高めに二球がファウル。外低めのフォーク、外真ん中のストレートもファウルになると、もっと外の低めにフォークで空振り三振。

7回 3度目の先頭後藤に対して攻めが変わる。外真ん中にボールを出すと内真ん中ボール、外低めでボールとピンチらしいピンチに。しかし4球目に真ん中高めのストレート158km/hがストライクに決まり、真ん中低めのストレートを打つも右翼フライでワンアウト。
バレラに対しては低め真ん中ストレート、低め外ストレートを見逃させると、外高めへのフォークを打たせて二ゴロ。
3度目の吉田正への攻めが凄かった。一球目から三球目まで外低めぎりぎりを攻めてストライクボールボール。
4球目に内角真ん中にフォークを空振りに取ると、フォークを待っている吉田にほぼ同じところにストレートで見逃し三振。

7回の対 吉田正

8回ラベロには外高めのボールから始まりど真ん中ストレートで空振りをとると外低めストレート外低めフォークで空振り三振。
福田には一球目の真ん中低めストレートでストライクをとるとそこから外一辺倒。外低めフォークを三球続けて空振り三振。
次の渡部にはど真ん中でファウルをとりストライクカウントを増やすと、外低めのストレートが外れボールに。そこから同じところにフォークで空振り、内の低めにフォークを見られてボールになるとさきほど外に投げてボールになった場所と同じ場所にフォークで空振り三振。

9回 球場の興奮も凄くなる中、中川に対しど真ん中を見逃しに取ると、そこから真ん中高めでファウル、真ん中低めフォークで三ゴロ。
代打で出てきた山足に対してはど真ん中ストレートを打たれるも遊ゴロ。
代打で杉本(ラオウ)が出てきてこれを抑えれば、というところ。
外低めにフォークで空振りを取ると、ど真ん中フォークで見逃し、最後は外低めにフォークで空振り三振。


これで三振19個目。完全試合達成。

佐々木朗希が素晴らしいのは間違いないのだけど、この配球とキャッチングをして、「松川の構えたところに投げただけ」と言わせ、6回にあわやホームランという打撃(3点二塁打)で援護までした松川虎生という捕手も18歳のルーキーとは思えない「巧みな冷静さ」でリードをしたのは忘れてはならないところだと思う。
構えたところから外れても腕を伸ばしどうやっても取るとまでの気迫でキャッチングをし支え、テンポも崩さず……。はぁ今後10年ロッテの捕手問題ないんじゃない?



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