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原作からのシナリオの作り方

「原作作品で小説とか漫画とかあるけれど、ああいうのから脚本、シナリオってどうやって作るの? まんま台詞流すだけ?」
ははぁ、原作通りが求められてるものは「そのように」見えるのがゴールなので、「まんま」という「そのまま」に見えるのでしたら成功ですよ、それ。
はい、今回はシナリオ、脚本の話です。そしてこれは普遍的な話「ではありません」ので、ここを読んだからと言って全員がそうやってるわけでは無い、というのは先に言っておきます。
おいら特殊ですから。
逆にこんなやりかたしてる人、多分居ません。居ないので書いておきます。そして同じって人、握手しましょう。飯行きましょう。飲みに行きましょう。

例えばある日。会議に呼ばれて監督プロデューサーなどお歴々の居る所で紹介され、その中に「原作の○○さん」と紹介される人が居ました。
そこで気がつきます。「あ、原作ものか」と。
呼ばれる前に気がついてるだろう?そんなときもありますし、こういう初打ち合わせの時に初めて「そうなの?」という形で知ることもあります。
さて、紹介が一通り済んで、監督やプロデューサーなどと別室に移動して会議が始まります。
「どういう感じで行こうか」
と、いうのがプロデューサーから語られるか監督から語られます。
そこで大体のイメージが出来ます。原作面白いしファン多いからそのままの感じを出そう(こういう場合はその本の編集さんなんかがそっとそばに居ることが多いですね)とか、原作まだ盛り上がってなさそうだから、頑張ろう。だとか、原作のキャラは良いよね。とか、原作のあのシーンが。とか。
今回はその原作に手をなるべくつけずに盛り上げていこう。
そんなことが決まったということにしましょう。

家に帰って原作を見ます。
ほうほう、主人公とキャラが多いのか。ははぁ、一緒に居るキャラは妹で妹にかけられた呪いを解かせるのが目的で、そのための邪魔が入っていくのが途中途中で、と。で、何度か主人公が負けたり、友人が助けに来たり、友人が死んだりと起伏がある。ふむー。面白そうですね。
おいらは原作を読むときに「自分が何が面白いって思ったんだろう」を大事にします。全体の読者の声が、って言う場合もありますがおいらは沢山は居ないのでひとりの意見しか出ません。なのでここは素直に「面白い」って言うのを大事にします。
一途な兄の妹への思いとそれを糧に強くなっていく。その強さ、戦いが面白い。
主軸が決まりました。

次に「誰に」見て欲しいって思うんだろう?って言うのを考えます。
友人をざーっと思い起こして「あの友人だったらこういう作品で一喜一憂してくれるかな?」「あの友人だったらこのキャラにがち恋するくらい気に入るかな?」とかそういうのを想像します。確認、ではないです想像です。
そして大まかに「あの友人に主人公かっこいいと言わせて興奮してほしい」としましょう。ターゲッティングですね。

では、そこからばらしを始めます。ばらしと行ってもまずは原作を読んだところから、決められた話数に収まるようにしないと行けません。まぁこの辺は構成の作業なので、シナリオの作業とは違うのでやらないことも多いですが、今回はやる形で説明していきます。
原作の巻数は6巻まで現在出ていて、本誌の方のストックが7巻の途中くらい。で、本誌が月間誌なので、放映始まったとしても1年半後だから大体9巻出るかどうか。
なるほど。
ちなみに小説、ラノベの場合は大体3話1巻で組み立てることが出来るのが多いです。(1話1巻とかもありますが、大体2-3話で1巻ですね)
密度の問題なので、密度が濃ければ段々割れます。銀英伝なんて初期のアニメ版は13話で1巻でした。
今回は漫画です。漫画の場合は素直にやったら大体漫画4-5話でアニメ1話くらいになります。なので6巻まで出ているのならちょうど12話。なんとかなりそうですね。
お話、というのは、直接4-5話づつで割る。とバランスが悪くなりますので、話を読みつつ、割って行きます。これを「ばらし」と呼んでいます。
1-5、6-11、12-14、15-20……のように漫画60話(6巻分)を12に配分していきます。
配分したところから、今度は1話。一番最初に観られるキモの話を構築していきます。
台詞を抜き書きして、並べていきます。
そうしてから、その台詞を脳内でも口にでも出して読んで行くのですが、その時に時間を計ります。頭から読んで行って何秒、何分かかるか。
大体原作の台詞だけを読んで行くと、1話分と言っていたものが規定の24分よりもずいぶん少なくなります。11分とか10分とか、そのくらいになることはざらです。
はい。ここからが「お仕事」になっていきます。

今回はここまでで。(続きは反応あったら有料ででも書きますかねぇ? 有料試してみたいし。

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