見出し画像

ダック・トラック・テクニック 【デッキ紹介】

最終更新:2021/12/11

はじめに(自己紹介)

お初にお目にかかります、雨弓(あまゆみ)と申します。
様々なファンデッキと構築の奥深さに魅了され、遊戯王を始めて半年ほどになります。まだまだカードプールの知識も浅い初心者同然のいちユーザーですが、今回はかねてより憧れていたデッキ紹介をするに足るデッキができたのではないかと思い、投稿に踏み切りました。
誤りや至らぬ点があるかとは存じますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。

デッキレシピ

さっそくですが、こちらがデッキレシピです。後に適宜解説を挟みますが、各カードの詳細な効果については下記リストのリンク先でご確認ください。

画像2

モンスター 28枚
ダックドロッパー》×1
颶風龍—ビュフォート・ノウェム》×2
LL—ベリル・カナリー》×3
LL—コバルト・スパロー》×2
LL—ターコイズ・ワーブラー》×1
LL—セレスト・ワグテイル》×1
LL—サファイア・スワロー》×1
D.D.クロウ》×1
無限起動ハーヴェスター》×3
無限起動トレンチャー》×2
無限起動ブルータルドーザー》×1
無限起動ロックアンカー》×1
マシンナーズ・カーネル》×1
マシンナーズ・メタルクランチ》×1
弾丸特急バレット・ライナー》×1
速攻のかかし》×1
ワンショット・ブースター》×3

魔法 15枚
LL—バード・コール》×3
超重機回送》×3
ワンチャン!?》×3
流星輝巧群》×1
熱き決闘者たち》×1
LL—バード・サンクチュアリ》×1
おろかな埋葬》×1
ワン・フォー・ワン》×1

罠 6枚
機甲部隊の超臨界》×3
《死償不知》×2
魔法の筒》×2
リローデッド・シリンダー》×1

EXデッキ 15枚
LL—リサイト・スターリング》×2
LL—アセンブリー・ナイチンゲール》×1
LL—アンサンブルー・ロビン》×1
竜輝巧—ファフμβ’》×1
FNo.0 未来皇ホープ》×1
FNo.0 未来龍皇ホープ》×1
無限起動リヴァーストーム》×1
リンクリボー》×1
無限起動ゴライアス》×1
警衛バリケイドベルグ》×1
ユニオン・キャリアー》×1
機関重連アンガー・ナックル》×1
デコード・トーカー》×1
閉ザサレシ世界ノ冥神》×1

主軸となるカード 《ダックドロッパー》

このデッキにおいて私が活躍させたいカード、それは《ダックドロッパー》です。

画像2

イラストに描かれているハリボテのウサギ(レスキューラビット)ではなくて、その後ろに隠れて顔を覗かせている方がダックドロッパー。

詳しい効果は上記デッキレシピのリンクから確認できますが、かいつまんで言うと以下の3つの特徴があります。

デュアルモンスター(フィールド・墓地においては通常モンスター扱いであり、フィールドで再度召喚することで効果を得る)である
⑵再度召喚後、自身がお互いの効果の対象にならず、お互いの効果で破壊されない
⑶再度召喚後、自身が場に存在する限り、自分の場にモンスターが存在していても相手の攻撃はすべて直接攻撃になる

特に重要なのは⑶、相手の攻撃をすべて自分への直接攻撃にしてしまう効果です。自分のモンスターが相手に直接攻撃するのではなく、相手モンスターからの攻撃がすべて自分への直接攻撃になるのです。
言わずもがな、遊戯王において最もメジャーな勝利条件の1つに「相手プレイヤーのライフポイントを0にする」というものがあり、ダックドロッパーの効果は、そのままでは自らのライフを危険に晒すだけの効果になってしまいます。
しかし、逆に自分のライフさえ減らなければ、自分はモンスターを守れる上に、相手は攻撃しても無意味、という状況が作り出せます。さらに⑵の効果でダックドロッパーはかなり強固な耐性を持つため、簡単には崩れません。
これを活用して戦っていこう、というのがこのデッキのコンセプトになります。

ダックドロッパーの課題と「LL」とのシナジー

さて、このダックドロッパーを使う上で意識しなければいけない点が大きく分けて3つあります。

⑴デュアルモンスターであるダックドロッパーをどのようにフィールドに出し、再度召喚するか。
⑵相手の直接攻撃によるライフ減少をどのように凌ぐか。
⑶相手の攻撃から守ることで強く使えるモンスターは何か。

実はこれら3つの課題をすべて解決してくれる、ダックドロッパーにとって夢のようなテーマがあるのです。
それが「LL(リリカルルスキニア)」。

まず⑴について。相手ターンの攻撃や妨害を考えると、ダックドロッパーをフィールドに出して再度召喚という流れは、当然ながら可能であれば1ターンのうちに済ませてしまいたい動きです。
そこで、LLというテーマが鳥獣族・レベル1モンスターを汎用的にサポートしてくれることに着目します。ここで特に鍵となるのは《LL—サファイア・スワロー》で、自分の場に鳥獣族モンスターがいるならば手札の鳥獣族・レベル1と一緒に特殊召喚することができます。
つまり召喚権を使わずに、場に鳥獣族、手札にスワローとダックドロッパーを揃えてしまえば可能……と、字面ではかなり無茶なように感じられますが、LLの展開力は凄まじいので、最小で手札2枚からこの動きが可能です。いくつか展開ルートはありますが、最も簡単なものでは《LL—バード・コール》に加えて《LL—ベリル・カナリー》か《LL—コバルト・スパロー》が手札にあれば、《LL—リサイト・スターリング》を経由してダックドロッパーを再度召喚するところまでできます。

以下、「バードコール」「カナリー」「スパロー」「スワロー」「スターリング」とLLの各カードを略記します。
1a. バードコール発動。カナリーが手札にあるならスパローを墓地へ送る。その後カナリーの効果で蘇生しつつ特殊召喚し、スワローをサーチ。
1b. バードコール発動。スパローが手札にあるならカナリーを手札に加え、バードコールの効果でスパローを特殊召喚し、スワローをサーチ。その後スパロー1体でリンクリボーをリンク召喚し、カナリーの効果でスパローを蘇生しつつ特殊召喚。
2. カナリーとスパローの2体でスターリングをエクシーズ召喚。素材を取り除いて効果を発動し、ダックドロッパーをサーチ。
3. 場にスターリング(鳥獣族)がいるので、手札のスワローの効果で手札のダックドロッパーと一緒に特殊召喚。
4. ダックドロッパーを再度召喚。

これでダックドロッパーを再度召喚できました。

続いて⑵について。ここでは《LL—アセンブリー・ナイチンゲール》の効果を使います。X素材を取り除くことで、フリーチェーンで自分の場の「LL」モンスターに戦闘・効果破壊耐性を付与し、さらにこのターンに自分が受ける戦闘ダメージをすべて0にできます。戦闘ダメージをシャットアウトした上で効果破壊にも対処でき、守りを固められます。

最後に⑶について。ここでは《LL—アンサンブルー・ロビン》の効果が活きます。X素材を取り除くことで、相手がモンスターが特殊召喚した場合にそのモンスターを手札に戻すことができます。この効果は何を考えているのか、名称ターン1はおろか、1ターンに1度という言葉がどこにも書いてありません。なので素材が続く限り、相手の特殊召喚を妨害し続けることができます。
しかしあくまで特殊召喚を(対象を取って)妨害するだけです。《LL—アンサンブルー・ロビン》の打点は元々0で、自身の持つ素材の数だけ打点は上昇しますが普通にエクシーズ召喚したのではせいぜい1500が関の山。通常召喚されたモンスターや対象に取れないモンスターには対処できず破られてしまいます。
そこでダックドロッパーの出番です。相手が手札に戻せない高打点のモンスターを出しても、直接攻撃しかできない状況では1度バトルフェイズで《LL—アンサンブルー・ロビン》を処理してからメインフェイズ2で自由に展開する、という策が採れなくなります。特殊召喚を防ぎたい本命のモンスターにしっかり効果を当てることができるようになるため、ダックドロッパーで攻撃から守る強みがあると言えるでしょう。

使いたいのはダックドロッパーのデッキ

ここまでLLとダックドロッパーの話を読んでいただいた方は、おそらくこう思うはずです。

「たしかにダックドロッパーとLLは噛み合うけど、そこまでシナジーがあるのなら、LL純構築にダックドロッパーを混ぜればそれで十分じゃない?」

正直な話、それはそれでかなり強いと思います。ですがそのようなデッキを使っていると、次第にこう思うようになるでしょう。

「もう普通にダックドロッパー抜いてLL純構築とか鉄獣戦線を混ぜればよくない?」

もちろんこの考えが善い悪いという話ではなくて、このままLLを軸にしてデッキとして完成度を高めようと思うと、ダックドロッパーが外れていくのは自然な成り行きだ、ということです。
つまり、LLだけではダックドロッパーに対してカードパワーがあまりにも高すぎる、特に展開の速攻性が桁違いであるために、LLに組み込むだけではダックドロッパーのデッキとしては不完全なのです。
これを解決するには、LL以外にもダックドロッパーとシナジーを持つカードを組み合わせ、より強くダックドロッパーを使えるデッキにしなければなりません。
そこで登場するのが、《颶風龍—ビュフォート・ノウェム》です。
詳細なテキストはまたデッキレシピの項から確認いただくとして、ざっくりと効果を説明すると、

⑴相手モンスターの直接攻撃宣言時に手札から捨てると、その攻撃を無効にしながら効果も永続的に無効にする
⑵フィールドにいる時、フリーチェーンで相手の表側モンスター1体を対象に自身と一緒に手札に戻す。

という感じです。
カードデザイン的には儀式召喚した後に⑵の効果で相手をバウンスしつつ手札に戻り、直接攻撃を⑴で止める、という運用が想定されているのでしょう。
しかし「直接攻撃」しか止められないというのは、通常のデュエルではかなり使いづらいところです。⑵から繋ぐ場合も自身以外のモンスターをすべてフィールドからどかさなければならない(あるいは展開しない)必要があるため、効果をフルに使うのはかなり難しいモンスターと言えるでしょう。
ところで、ここに自分フィールドにモンスターがいても相手の攻撃をすべて直接攻撃にしてしまえるモンスターがいるのですよ。《ダックドロッパー》って言うんですけど。

というわけで、この《颶風龍—ビュフォート・ノウェム》は、ダックドロッパーの協力によって最高に輝けるモンスターのうちの1体なのです。しかも単にダックドロッパーがノウェムをサポートするだけではありません。ノウェムが手札にあることで相手は攻撃を渋り、ライフを守ることにも繋がります。さらに対象に取れないなどの耐性で対処に苦労するモンスターに対して⑴の効果無効が刺さり、他のカードで除去しやすくなるのも相性が良いです。正に共生関係、無二の友、百獣の王に怯える鴨も荒れ狂う颶風を味方につければ向かう所敵なし。…とまではいきませんが。

新たなカードと新たな課題 《颶風龍—ビュフォート・ノウェム》

さて、ここまでカッコつけてシナジーを説明しましたが、結局のところノウェムが場に出なければフルに活躍しているとは言えないわけです。まして儀式モンスターであるノウェムを場に出す=儀式召喚するためには、LLの他にも新たなギミックを搭載する必要があります。その他、いろいろな課題をまとめると大きく2つ。

⑴どうやってノウェムを儀式召喚するのか
⑵どうやってノウェムをデッキから手札に持ってくるのか

順序が逆なように思えるでしょうが、理由は後述。
まず⑴について。ノウェムは儀式召喚した後手札に戻り、手札から捨てて効果を発動するので、2つの効果を使った後は墓地に送られています。ここで墓地からノウェムを儀式召喚してフィールドに戻せれば、フィールド→手札→墓地→フィールド……とループして効果を何度も使うことができます。
ノウェムを墓地から儀式召喚する札として、今回は《流星輝巧群》を採用しました。後回しばかりで申し訳ないのですが、これと関連してあるテーマの説明をしたいので、ひとまずこれを採用した理由は置いておきます。
続いて⑵について。先に申し上げますと、正直ここは今回のデッキ構築においてかなり詰めが甘い部分になっています。なので説明を後に回しました。
ノウェムのテキストには《褒誉の息吹》という儀式魔法が記されていますが、これは風属性を汎用的に儀式召喚する儀式魔法であり、ノウェム専用の儀式魔法ではありません。加えてノウェムはレベルが9であることもあって、汎用的な儀式サポート魔法である《儀式の下準備》や《儀式の準備》の恩恵を受けることができません。
ノウェムを手軽にサーチできるカードとしては《マンジュ・ゴッド》や《虹光の宣告者》、あるいは《嵐征竜—テンペスト》の活用などがあるのですが、いずれもこのデッキとはあまりうまく噛み合わず採用に至っていません。
苦肉の策として《ユニオン・キャリアー》の効果で「LL」モンスターにデッキから装備したり、《おろかな埋葬》を使ったりして墓地へ送ることが可能にはなっていますが、どうしても安定しない場面が多くなっています。
単に素引きしてもダックドロッパーが出れば直接攻撃を止めることは可能なため、2枚採用してお茶を濁している次第です…。読者さまに何か良い案がありましたらぜひともコメントやTwitterでご一報ください。

もう1つのデッキの核 「無限起動」と機械族

気を取り直しまして、先ほど説明を後回しにした《流星輝巧群》についてです。
このカードは儀式魔法でありながらレベルではなく攻撃力を参照し、儀式召喚するモンスターの攻撃力以上になるように機械族モンスターをリリースして手札・墓地から縛りなしに儀式モンスターを儀式召喚できるという、儀式召喚の中でも頭ひとつ抜けて強力な効果となっています。しかも「ドライトロン」モンスターがいれば墓地からの回収も可能であり、1枚で使い回すこともできます。
儀式魔法の中でこれを使うに至った大きな理由の1つとして、ランク1さえ組んでしまえば《竜輝巧—ファフμβ’》によって墓地へ送り、そのまま回収までできてしまう点があります。
このデッキの軸となっているLLはランク1テーマであり、展開する上で「〜しか特殊召喚できない」縛りもほとんどかからないため、ファフμβ’を簡単に出せます。さらに余ったファフμβ’も隣にLLエクシーズモンスターがいれば、《FNo.0 未来龍皇ホープ》を出して妨害を構えられるため、邪魔になりづらいのも魅力です。

このように儀式魔法へのアクセスは簡単ですが、これを使ってノウェムを儀式召喚する場合、また新たに攻撃力2800以上になるように機械族モンスターが必要になります。また可能であれば、回収が可能な儀式魔法に合わせて素材となる機械族も回収が可能であると、よりノウェムが何度も出しやすくなり強く使えるので理想的です。
そこで登場するのが、《弾丸特急バレット・ライナー》と《機関重連アンガー・ナックル》です。

またまたざっくりと効果を説明すると、

バレット・ライナー
地属性・機械族・レベル10、攻撃力3000、墓地へ送られたターンのエンドフェイズに墓地の同名カード以外の機械族を手札に戻す。

アンガー・ナックル
機械族モンスター2体で出すリンク2モンスター、お互いのメインフェイズに、手札・フィールドのカード1枚と引き換えに墓地のレベル10・機械族モンスターを蘇生できる。

といった感じです。
つまり、バレット・ライナーを儀式素材として墓地へ送り、エンドフェイズに機械族を手札に回収すれば、それや他のカードをコストとしてアンガー・ナックルが再びバレット・ライナーを蘇生し、また儀式素材にできるというわけです。
この2枚のカードの組み合わせを知っている方は、アンガー・ナックル自身をコストとして墓地へ送るのが一般的な方法であることもご存知かと思います。一方このデッキではダックドロッパーがいればアンガー・ナックルが攻撃の的になることは無いので、相手ターンにもバレット・ライナーを蘇生してアドバンテージを稼ぐ、という小技もあります。

そしてバレット・ライナー擁する地属性・機械族にアクセスするならもってこいのテーマが、小見出しにもある「無限起動」なのです。さらにこの無限起動というテーマはただノウェムの儀式召喚のためだけに採用されるわけではなく、ダックドロッパーやそれを活用するためのデッキと好相性なカードに多数アクセスできるテーマでもあります。

無限起動というテーマの具体的な動きについては省略させていただきますが、大まかに説明すると、一旦《無限起動リヴァーストーム》を出してしまえば、墓地の無限起動リソースでそれを何度も蘇生し、地属性・機械族なら何でも手札・墓地に送れてしまうという、アドバンテージ稼ぎにかなり長けているテーマです。
そしてバレット・ライナー以外にもこのデッキにおいて重要な地属性・機械族が、《速攻のかかし》と《ワンショット・ブースター》であり、これらへのアクセスができるのも無限起動の強みです。

《速攻のかかし》は、相手モンスターの直接攻撃宣言時に手札から捨てることで、その攻撃を無効にしバトルフェイズまで終了させることができます。ダックドロッパーがいれば常に相手のバトルフェイズを縛ることができ、機械族モンスターなのでバレット・ライナーの墓地効果で回収すれば毎ターン使い回すことも可能です。

《ワンショット・ブースター》は、自分がモンスターの召喚に成功したターンなら手札から特殊召喚できる、という効果を持つレベル1モンスターです。非常に緩い条件で特殊召喚できるこのモンスターはこのデッキにおいてかなり応用が効く存在であり、無限起動の動きからLLへのアクセスを可能にする他、墓地のリンクリボーを特殊召喚するための素材になったり、ランク1モンスターや大型リンクモンスターを出す補助になったり、役割が非常に多いです。もちろんバレット・ライナーで使い回すこともでき、目立たない効果ながらもこのデッキを安定させる縁の下の力持ちのようなカードと言えます。

その他カードについて

ここからは、これまで触れていなかったメインデッキ・EXデッキのカードについて、それぞれこのデッキにおける役割を説明していきます。

まずはメインデッキのカードから。
《D.D.クロウ》は鳥獣族・レベル1であり汎用的な妨害効果を持つので、LLモンスターのサーチ先が余ったときにとりあえず手札に加えるモンスターとして有用です。もちろん通常召喚してランク1にも繋げられます。

《マシンナーズ・カーネル》をはじめとしたマシンナーズカードは、無限起動から無理なくアクセスでき、全体除去や機械族のサーチに貢献できます。特に《機甲部隊の超臨界》は機械族ならなんでもマシンナーズモンスターに変換できるため、LLモンスターを並べて機械族モンスターをリンク召喚することで、LLから無限起動へアクセスするという使い道もあります。また墓地効果で機械族をデッキに戻せるため、ファフμβ’や後述する機械族リンクモンスターを再利用できるようになるのも強いです。

《ワンチャン!?》は、ダックドロッパーがフィールドに居座り続けたり、ワンショット・ブースターが手軽に場に出せるので発動条件が満たしやすく小回りが効きます。またダックドロッパー自体のサーチも効き、その場合はダックドロッパーを召喚するのでデメリットも回避できます。ただしそれ以外でライフを2000失うのはかなり痛いので、デュエル後半で使える場面はやや限られてきます。

《熱き決闘者たち》は、魔法・罠に対処するカードとして挿してあります。ライフを守るためのロックカードとしての役割の他、攻守0のダックドロッパーが魔法罠破壊を担えるようになるのも魅力的です。被ったときにあまり嬉しくないのと、後述する《警衛バリケイドベルグ》で回収・破壊耐性付与ができるので上振れ札として一枚のみの採用です。

《LL—バード・サンクチュアリ》はLLエクシーズモンスターの他に、《超重機回送》から無限起動の展開を始めた場合にも素材を3つ持つエクシーズモンスターが場に出ることになり、②の効果が使いやすいのがこのデッキでの強みです。

《おろかな埋葬》《ワン・フォー・ワン》の説明はほぼ要らないと思いますが、一応説明すると(主にLLの)展開のためのカードやノウェムをデッキから強引に引っ張り出すために使います。

《魔法の筒》《リローデッド・シリンダー》は、相手の攻撃を止めつつ相手のライフを直接取れるカードとして採用しました。ダックドロッパーの布陣が整う前でも活躍できるカードである点を考えたチョイスです。

ここからはEXデッキのカードについてです。
《警衛バリケイドベルグ》は、低打点をダックドロッパーでカバーしながら永続魔法を守ることができるため採用しました。適当なモンスター2体から先述した《機甲部隊の超臨界》の対象になることができ、そのまま墓地効果で回収から再利用もできるのでマシンナーズカードとも好相性です。

《デコード・トーカー》は、フィールドに残り続けるダックドロッパーの位置を調整すれば高打点が出しやすいことと、戦闘で除去できないこちらのモンスターを対象を取る効果で除去されることへの備えとして採用しました。出しやすいのも魅力的。

《閉ザサレシ世界ノ冥神》は、相手の効果を受けないなど強固な耐性を持つモンスターを無理やり除去するために採用。ダックドロッパーがいると戦闘で破壊できないので、自身の耐性と合わせて場持ちが良くなり蘇生を封じる効果もより強く活用できます。

最後に

書きたいことが多く、まとまり切らないまま執筆を始めたので想定よりも大分冗長に書き連ねてしまいました。10,000文字弱あるらしいです。調子に乗ってすみませんでした。ここまで読んでくださった方がどれほどいるでしょうか、最後にもう少しばかりお付き合いください。

デッキ名の「ダック・トラック・テクニック」について、ダックはもちろんダックドロッパーから、トラックは主に無限起動の英語名である“infinitrack”から、テクニックは語呂でつけました。なんだか「ホップ・ステップ・ジャンプ」みたいな感じで、ダックドロッパーが大空を羽ばたく雰囲気を感じる……と思います。感じてください。私は感じました。

そんなことでかなりこのデッキは気に入っており、愛を注いでいる反面、はっきり言って、このデッキにはかなり欠点が多いです。先程説明したノウェムを出力する手段の他に、ダックドロッパーが対処できないカード(例えば「相手のカードの効果を受けない」モンスターや、対象にとらず破壊もしない除去ができるカード)に対する対策の不十分さ、またそうしたカードにダックドロッパーが一度除去されると再び場に戻すのが不可能である点など、まだまだ改善すべき箇所は多くあります。

ですがひとまず、私が半年遊戯王を続けて、考えてきた1つの成果として、世に出せる及第点ではあるかと思います。
この記事を読んで、少しでも知らないカードについて理解が深まったり、デッキの内容に関心を寄せていただいたり、面白いと思っていただけたなら、決闘者冥利に尽きます。
また、このデッキや記事についてご意見などありましたらぜひコメントや私のTwitterへご連絡ください。

最後まで長々と話にお付き合いいただき、ありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。

12/11 追記
《惑星探査車》と《心眼の祭殿》を抜き、《死償不知》を2枚挿しました。
前者2枚は無限起動で被ダメージを抑える役割が《速攻のかかし》と被っており、わざわざサーチする意義が薄く初手に握った時の重さもネックだったため抜きました。
《死償不知》はダックドロッパーが墓地へ送られてしまった時のリカバリーが可能なカードとして採用しました。相手より1でもライフが下回っていればダックドロッパーが蘇生できるほか、LLの蘇生や相手の除去など他の目的にも使いやすいため腐りづらいのが好印象で採用しました。いざとなればアンガーナックルのコストにしてしまえばいい。