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「カーストヘヴン」を読みました

こんばんは。段々と暖かくなり、街中の気が緩み始めていますね。第二波の訪れが遠くないなと感じています。

今回は中学からの友人におすすめされた商業BL漫画「カーストヘヴン」全6巻を読んでみたので、感想を少しだけ。

(最新巻までのネタバレあり)

絶滅危惧種系学校階級ストーリー・・・・!!二十歳も過ぎた女が読んでいいのか?というくらいには遠い記憶。「スクールカースト」や「集団心理」にモブたちが乗せられていく姿にパラレル感を感じながら読んでいました。しかしそれらは背景で、主要人物にとってはそれらはただの背景に過ぎずません。清々しく狂った空間の中で垣間見える小さな恋情。奥底を突き詰められる読み方を覚えた今だからこそ見えるものがあるんだな、と感慨深くなりました。

この時間を利用してたくさんの漫画を読んでいますが、どれもその世界観が確立していたり、価値観・考えをそのまま吸収してしまいたくなるものばかりで、「この漫画が人生で一番最初に読むものだったらどうなっていたんだろう」と新しい漫画を読むたび感じます。


まずはメインCPである狩野・梓について。梓くんの最大の弱み、同時に強みでもある「母」。そして生まれながらにしてすべてを持っており「平常」を知らないキング、狩野。反骨精神もここまでスカっとすると心穏やかに読めるのだな、とほっこりしながら(全然ほっこりする内容じゃない)読んでいました。梓くんがあまりにもメンタルモンスターなので物語の中でも恋心に屈するのが本当に遅いのです。個人的にはそれがめちゃくちゃ好きです。6巻にしてやっと梓くんの「人」としての片鱗が見え隠れするけれど、やっぱり簡単には折れない反骨鋼モンスター。芯がブレなさすぎてめちゃくちゃスッキリしますね。簡単にかわいくなってくれない姿、読み応えとしては非常に良いです。

久世・あつむCP。一番商業BLで想像上に平和。正直もっと時間がかかるかな?と思っていたのですが、二巻の時点で最も不安要素だった「久世くんがあつむ自身を見ない」という部分があつむの手により解消されたのでスルっと平和カップルになっていきましたね。ずっとここの関係の崩壊に怯えながら読み進めていましたがこの漫画狂っている前提なのであつむという良心まで狂いだしたら収集つかないのでもう安心していいかな..... 久世くんがしっかりあつむのことを好きなのが非常に良いです。惹かれ合う姿をもっと緻密に見たい。久世くんのあつむへの気持ちが本気(マジ)だという言質取りたい。(たぶんマジ)久世くんと梓くんが全然仲良くないの地味にジワる

仙崎・巽CP。マジでどうしようもない。どうしようもなさすぎてスッキリする。(そればっか)

この二人を取り巻く環境の何から何までもが愉快に狂っている素っ頓狂パーティーなのですが、仙崎くんの「すべてをぶつけても理解してくれる相手」というものへの想いは分らんでもないです。一般論に当てはめれば普通の世界でもよくある感情だと思いますし、あの状況で「共に狂う」を選択しきれなかった巽の人間的部分も、「巽のすべてを愛する」と言ったのにそうでないと思わせてしまった仙崎も、あの時点ではしょうがなかった気がします。でもこの二人は確実に「共に堕ちる」まで関係が進む気がしますし、仙崎は一生人間にならないでほしいですね。狂人のまま、巽のすべてを好きになるという愛を貫いて欲しいです。あと同じ立場を二人で選ぶのがメチャクチャ高校生らしくて良かった。

新鮮で面白く、普通にどうしても狩野と梓が想い合うまで見届けたい!狂っているとか行為ばかりだとかという前提が気にならないくらい全部が狂っているので、逆に登場人物たちの気持ちがハッキリ見えてきて面白いなと思いました。読むのは完結してからがおすすめです。メインのハッピーエンドが確約されているので。

それでは、明日もすてきな一日をお過ごしください。



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