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SDGsに関する世界の気になるニュース7月

噛めば噛むほど、正確には読めば読むほど、使えば使うほど、その味や意味が深くなる持続可能な開発目標2030(SDGs)。皆さんもSDGsを目標に何かしていますか?SDGsって、読んでもなんか意味が良くわからない、と言うのが正直なところそうかもしれません。SDGsを一言で言うと、「地球、私たち人間、全ての生物にとって当たり前のことを当たり前にしよう」です。ではその「当たり前」は何でしょうか?私たちそれぞれが自分自身で、これだ、と思うのがSDGsにつながります。

例えば、コンビニにおいてあるUNICEF募金箱に募金をすると”SDG 1 貧困をなくそう”、何気なく普段しているごみの分別やマイバック使用は”SDG12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する”、に貢献しています。その、普段の何気ないアクションが、実は地球にとって当たり前の事です。普段のアクションが地球とつながっている、地球環境を守るためにつながっていると考えると、なんだかすごくないですか?

今回の記事は、先月7月において、僕が気になったSDGsに関する世界のニュースをまとめてnoteにしてみました。以下の日本語は記事の翻訳・要約ではなく、記事をベースにした僕の意見も書き入れてあります。

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新型コロナウイルスでSDGsをリセット?:新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大している中、私たちの経済や社会も深刻な影響が出ています。でも多くの人はその中にも希望を持っています:SDGsに向けてグリーンな開発が進むこと、貧困を解決するための知恵・支援そして資金が豊富にあること、生物多様性を守ること、気候変動の対策が取られる事、など。

SDGs採択から5年が経ち、国連設立75周年記念を祝うはずだった2020年、その楽観的な感情は既にどこかに行ってしまった。もはやSDGsの概念すら変わってしまったようだ。1年前の今頃は、どちらかと言うと経済発展に期待感が多くあり、2020年を機にその高まりがさらに広がるのでは。でもそれは完全に妄想でした。新型コロナウイルスの影響で、2020年の世界経済は少なくとも5%はダウン、その回復には5年も必要ともいわれています。また2020年の政府開発援助資金も大幅にダウン。開発を進めることで、自然の中に隠れていた脅威が人間を襲う事を痛感した2020年前半です。

正直に言うと、新型コロナウイルス感染拡大する前でも、SDGs達成に向けた各種取組が「遅い」と言われていました。新型コロナウイルス感染拡大で、SDGsのゴールがさらに達成できなくなるのではないか、と言う悲観的な考え方が多くなってきています。SDGsターゲットの2/3が達成困難であり、SDGs目標の10%は、将来のパンデミックの影響を悪化させる可能性がある、と言う考え方も出てきている。例えば、開発途上国において新型コロナウイルス感染者治療のために、通常の医療体制が崩壊し、通常の治療を受ければ助かる命が助からないという状況が出始めている。

では私たちは何ができるのでしょうか?2020年の悲劇はなぜ起こったのかについて、正面から正直に向き合わなければなりません。その開発はそれでいいでしょうか?生物の一つ種として、私たちの存在や今後の社会と自然環境の関係はどのようなものでしょうか?私たちの習慣は、人間だけが幸せを求めることだけでいいのでしょうか?今一度考える必要があります。二度と同じ過ちを繰り返さないためにも。

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新型コロナウイルスとSDGs:世界的に感染が拡大している中、もはや今までのビジネスモデルが過去のものとなったことには間違いないでしょう。国連総会でSDGsが採択されて5年、多く企業はSDGsを取込んだ社会解決型ビジネスモデルに転換が進んでいました。でも、その方針も現状に合わせて適応していかなりません。特に中小企業では、その状況は破滅的。新型コロナウィルスの影響を受け、アジア太平洋地域においては9000万人から4億人が”再び”貧困層(1日当たりの生活費:3.2ドル)となってしまった。なぜか?この人たちの家内企業や働いている中小企業が新型コロナウイルスの影響が直撃して、その経営が成り立たなくなりました。

ではコロナ禍においては何をするべきでしょうか?ここでもSDGsの考え方の基本中の基本である6つの考え方に沿ったアクションを取らなければなりません。6つの考え方とは①人間の幸福と能力の強化、②持続可能で公正な経済への転換、③持続可能な食糧システムと健康的な栄養パターンの構築、④脱炭素化とエネルギーへの普遍的なアクセス、⑤持続可能な都市・周辺地域開発の推進、⑥地球環境コモンズの確保。

これを聞くと、「なんだ、当たり前ではないか?」と思うでしょう。でもその当たり前が重要です。なぜ新型コロナウイルスがここまで世界的な大流行をしてしまった理由の一つとして、私たちがこの「当たり前」を忘れてしまっていたことです。地球にとって当たり前のことをする、その当たり前のことをすることが重要です。

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SDG18?:SDGsには実は18がある?でた、フェイクニュース、と思いのあなた。それは少し早まりすぎです。「SDG18?」には哲学的な思考が必要です。日本式ドリル勉強だと、17個のゴールが何で、169個のターゲットは、と暗記しそうになりますが、そうではありません。日本式ドリル勉強を忘れてください。そうするとSDG18の意味がわかります。

ここでのポイントは、自分自身でSDGsとは、その在り方は、何が自分にできるか、について問いを立てて考えることです。例えば、SDG 1の貧困対策には何が必要ですか?資金的・物質的支援?それも重要ですが、人の事を思うその気持ちや人を楽しませるその気持ち、つまり人と人との心のつながりも必要です。これが一つ目のSDG18。もう一つのSDG18は、例えば対災害へのリスク対策・強靭化。日本でも豪雨災害が毎年起こっています。東南アジアでも何十年に1回と言う巨大台風が毎年来ています。もはや、これらの自然災害は毎年普通に起こるのです。私たちの社会には、これに対する強靭化が必要です。これもSDG18です。

もう一つ例を挙げてみましょう、それはデジタル化社会。人間社会を助けるためにデジタル化を遂げるのか、加速度的に高度化されているデジタル化を進めるために人間社会にパラダイムシフトを進めていくのか、色々な考え方があります。皆さん、スマホなしでは生活できませんよね。まさしく日進月歩のデジタル化社会。SDGs達成目標年の2030年には、デジタル化社会によって、資本主義のはざまで生まれた様々な格差、そしてそれを解決するためのSDGsが成し遂げられるといいですね。Beyond SDGsはデジタル化社会で人間社会と自然が一体化した、環境負荷ゼロの社会となっているべきです。

SDGsの基本を学んで、自分が解決するべき地球規模課題に対する、SDGsを基にした自分の哲学的な思考で生み出されるものが、SDG18です。

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アメリカとイギリスとSDG 12:アメリカとイギリスで行われた調査によると、買い物に対する消費者の意識が変わってきているとのこと。約40%の消費者はオンラインでの買い物をすることが中心となっている。さらに興味深いことに、それぞれ約半数の消費者は、よりエコフレンドリーな配送方法や梱包方法を気にしている、という結果も出ている。これは、消費の在り方にも持続可能性、サステナビリティが重要なポイントになってきている、と言う証拠である。さらに、同じく約半数程度の消費者から、ファッション業界や靴業界におけるサステナビリティへの取り組みは十分でない、と言う意見も出ており、業界におけるサステナブルに対する企業体制やビジネス展開が、今後のマーケティングのキーポイントであることは間違いないでしょう。

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南米でのSDG 11とSDG12:南米、コスタリカ、ブラジル、グアテマラでの試み。南米でもプラスチック問題はニュースでも取り上げられており、この問題に対処するための各種活動も行われています。でもここで重要なキーワードがあります。それは、プラスチック問題対策の各種活動に”物語”を組込むこと。プラスチックごみの回収・リサイクルはもちろん重要ですが、それ以上の意味を持たせることで、私たちは持続可能的にプラスチック問題に取組むことができます。

コスタリカでは、河川や海岸でごみ拾いキャンペーンを行っていますが、これは単にごみ拾いを行う活動ではなく、人と人が繋がる集まりを意味していいます。人と人が集まり、一緒に体を動かしながらごみを拾い、そして一緒に現代社会の在り方を考え、そしてその解決方法を考えていく、地域住民としても重要な場となっています。

ブラジルでは、プラスチックごみを回収して手作業で新たにプラスチック製品を作る工房もあります。ここで働いているのは全員女性。ここには人身取引や売買、誘拐等の犯罪に巻き込まれ、心に傷を負った女性たちが働いています。この工房で健康な生活を取り戻すために皆さん頑張っています。

グアテマラでもプラスチックごみからブレスレット等を製造する工房があります。グアテマラでは失業率が高いのですが、プラスチックごみを回収し、それに付加価値をつけて販売することで、多くの方がフルタイムの仕事を得ることができました。一歩一歩が大切という言葉がありますが、その一歩が多くの人に希望の未来をもたらしています。

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社会的課題の物語とSDG5:コロナの影響を受け、SDG目標5のジェンダー平等を実現しようにも影響が出てきています。世界の医療・福祉業界においては女性が全労働者の70%を占めており、女性の医療従事者が今回の新型コロナウイルスへの感染リスクが高いのは事実です。例えばインドでは、医療従事者の約89%は女性です。もし新型コロナウイルスが女性医療従事者へ感染が拡大した場合、通常の医療や新型コロナウイルス治療に加えて、多くの女性が働いている産婦人科への影響も懸念されています。

教育の場でもジェンダー平等が進められており、特に、新型コロナウイルスの影響を受け教育のオンライン化・デジタル化が進んでいますが、ITへのアクセス格差から、それが逆にジェンダー平等を広めていることも言われています。また、コロナ禍においては、家庭における女性の役割も負担が増えてきています。例えば、インドでは、より衛生的な水を確保するために、多くの女性が何時間も水源の周りで長蛇の列に並んでいるという報告もされています。

何か違う方法はないでしょうか?最新のビジネス展開も重要ですが、生活に必要なインフラを整えていく社会課題解決型ビジネスも重要ではないでしょうか?。例えば、より簡単に安全な水を確保できれば、それまで何時間も水のために費やしていた時間を、女性たちは新たな活動の場に使えるでしょう。自分自身の人生のために時間を使う事で、結果的には社会も経済も良くなります。

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パプアニューギニアとSDGs:ここパプアニューギニアでもコロナの影響を受けています。でも未来を見据えて重要なのがSDGs。「SDGsをビジネスのコアにしなければならない」とジェームズ・マラペ首相も強調しています。

パプアニューギニアでは、国内における、農業・畜産、林業、漁業、観光業、鉱業産業においてどのように持続可能な経済発展を遂げることができるか、そしてこの業界から社会全体を持続可能な開発にすることができるかが重要です。これらを成し遂げるためには、中小企業が果たしている役割を認識し、国として支援していく必要があります。パプアニューギニアでも、SDGs達成に向けた計画していた会議等が軒並み中止となっており、業界を跨いだ対話やコラボレーションの機会が減ってきてしまっているのが現実です。しかしSagoプロジェクトのように、中小農業ビジネスから地元に経済的・環境的、そして社会的な利益を得る成果も出てきている。パプアニューギニアでは、このような中小企業のビジネスの成功が、国としてのSDGs達成に大きく貢献することは間違いないでしょう。

終わりに

2020年7月のSDGsに関する気になる記事7選はいかがでしたか?これはほんの一部の記事です。SDGsに関する多くのニュースが世界中を駆け巡っています。今月8月も気になるSDGsニュースをピックアップして、僕の個人的な意見も入れて紹介します。

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