見出し画像

日光御成道1 本郷追分→大門宿

かつて江戸時代に将軍などが19回、日光東照宮参詣に通った道。東京都文京区・中山道本郷追分から埼玉県幸手市・日光道中幸手宿まで、2回に分けて歩きます。

2022.03.05


1.出発地点まで

街道歩きのバイブル、”ちゃんと歩ける”シリーズ(山と渓谷社)の作者、八木牧夫さんが手作りで販売している絵巻地図を購入し、1kmごとに蛇腹折りにして準備完了。
購入すると写真左上のプラスティックの筒に、巻物の様に格納されて納品され、テンションがものすごく高まります。
”ちゃんとあるける”シリーズは、五街道や脇往還などがシリーズ化されており全8巻。
2021年12月、八木さんの自宅を街道歩きの仲間と訪問しnoteにまとめました。おじさんたちが師匠の八木さんの会話に興奮する姿に、興味がある方はご覧ください。


では出発。
最寄り駅の埼玉県さいたま市の与野駅前には、中山道が通っています、写真奥が大宮宿、遥か彼方は京都三条大橋。


日の出が遅く、出発地点が近いので、ゆっくりの出発。


王子駅で地下鉄に乗換え。
ホームから見える、路面電車は都電荒川線、この道を後ほど歩きます。


王子駅の余暇面に謎の黄色い丸が・・・・。


これは、”王子”と”玉子”が似ている事から、第三回たまごかけごはん祭が、王子駅のイベントスペースで行われ際に、設置されたものと思われます。
”玉子駅”で検索すると情報がたくさん出てきます。


乗り換え乗車位置、とても便利ですよね。
発案したのは二人の子育て中の主婦。
JR西日暮里駅でエレベーターを探すことに苦労した経験をビジネスに出来ないかと、自ら調査し有限会社アイデアママを創業。
現在の社名は株式会社ナビット、データーベースビジネスなどを手掛け、規模を拡大し営業展開してます。


2.本郷追分

スタート地点は東京大学前の本郷追分。
写真の門は東京大学弥生キャンパス、農学部の農正門。


こちらが中山道との追分、奥が中山道右が日光御成道。


ふり返るった先は、東京大学本郷キャンパス。


追分町の説明文にも書いてありますが、日光御成道と岩槻街道、両方の呼び方で親しまれています。


森鴎外生誕100年の幟が、近くに記念館があります。


浄心寺。布袋尊が物凄い存在感で、呼び込みをしています!


この付近は、行きつけの床屋さんがありよく来ておりました。
左の中華・兆徳は美味しいと評判で、いつも混んでいて入った事がありません、いつか行きたい店のひとつです。


本郷通りをしばらく歩きます。


神田・千住とともに、江戸三大青物市場があった場所。今は日光道中沿いの千住宿だけに、青物市場が残っています。


道沿いにはマンションが立ち並び、一歩裏道に入ると静かな町並みが残る、都心に住むにはとても良い環境です。



3.駒込村

かつてこの付近は駒込村でした。
ここは吉祥寺町、越後城主村上城主の下屋敷跡。


山門の奥、春には枝垂れ桜が咲き乱れます。


パン屋さんに人が並んでいます。
街道を歩くと流行りのビジネスモデルが良くわかり、パン屋さんはその中の一つです。


駒込駅が近づいてきました。


富士神社。


見事な注連縄。


元々は、現在の東京大学の敷地にありましたが、江戸時代に加賀前田家の上屋敷をその地に賜るにあたり、現在地に移しています。


早咲きの桜。


この付近は、六義園を中心とした町。


六義園。
加賀藩下屋敷、徳川綱吉の御用人の下屋敷を経て、三菱財閥創業者の岩崎弥太郎が購入し、現在は都の管理下に。
コロナで休園中。紅葉のライトアップ時は、大混雑します。


見事なレンガ塀ですね。


文京区から豊島区に入ります。


駒込橋、山手線を跨ぎます。


駒込駅。


ポストが桜なのは、この付近の旧地名が染井村で、ソメイヨシノの発祥の地であることから。近くの染井霊園は桜の名所でもあります。


昔の駒込橋が駅前にありました。


山手線の外側にでます。
これから徐々に都会を離れ、徐々に空が広くみえてきます。


駒込妙義坂、子育て地蔵尊。


昔の地図、坂の周辺には”百姓”の表記が多いので、農村だったのでしょうね。



坂を下ると霜降橋と商店街。
商店街の場所には元々谷田川が流れていました。


北区に入ります。


大炊介坂、ゆるゆると長く続きます。


坂を登りきった上の歩道橋から、ふり返った景色。


歩道橋の上から眺めた進行方向。土曜日なので交通量が少ないですね。


旧古河庭園。
古河財閥三代目の邸宅跡、庭園の薔薇が有名です。


ところどころ、街道の面影が残っています。



平塚神社、広大な敷地に建っています。


鎌倉・室町時代まで、ここは平塚城でした。


蚕糸学校発祥の地、東京農工大の前身。


国立印刷局。
紙幣・切手・旅券・郵便貯金通帳・証券類、などの印刷を主に行ってます。


街道を歩いていて、都市・地方問わず遭遇する人はランナー。
都市部は人口が多いのでランナーがたくさん走っています。


4.西ヶ原一里塚

前方にみえる左右の木、一里塚が両塚残っています。一里塚は約4km毎に街道の両側に築かれましたが、街道周辺は開発の影響を受け、両塚残っているのは全国的にも稀です。
電柱の広告も一里塚クリニック。


道路の中央分離帯に石碑と塚の跡が。


進行方向右側にもう一つの塚が。


塚の隣には七社神社の鳥居。


なんと、大正時代に市電建設時に一里塚を撤去させる計画があったが、地域住民・渋沢栄一・東京市長などの協力のもと、移転することなく保存されています。愛を感じますね!


居酒屋・クリニックの名前も一里塚。


交差点の名前も一里塚。


ふり返ると、道の真ん中に仁王立ちする一里塚が。数世紀にわたり、通り過ぎる人々を見護ってきたのでしょうね。


5.飛鳥山

渋沢家の邸宅跡。


六石坂、徐々に下っていきます。


風格ある銭湯。


大河ドラマの波に乗り、渋沢翁のテーマパークの看板が出来ています。


飛鳥山公園入口前から、都電が道路を走ります。


音無橋。


飛鳥山の浮世絵、桜の時期は花見客で賑わいます。


6.王子

王子駅は、都電とJR京浜東北線の乗換駅、上には新幹線が通過。


水の流れていない石神井川。


飲食店街を抜けて、坂道に入ります。


住宅地の敷地内にある地蔵尊。


王子大坂、本日一番の急坂。


商店街の街灯が洒落ていますね。


広い都道に合流。


交差点で横切る道の右下は段丘になっており、空が広くみえます。


しばらく、拡張工事中の狭い都道を進みます。


門の奥が気になるお屋敷。


ナブコ自動ドアの代理店。自動ドアのシェア、国内50%・世界20%。
写真の営業車ドア横の水色のNABCOのマーク、建物の殆どの自動ドアに付いている気がします。


7.十条

東十条駅と十条駅に挟まれた交差点。
上の写真奥が東十条駅、下の写真奥が十条駅。


中十条公園、街道の歴史の案内板があります。


こちらの工事現場は、富士塚の復元工事をしています。


ブルーシートの付近に山を盛るのでしょうね、完成が楽しみです!


絵本に出そうな、かわいい集合住宅。


街道情緒が残る民家。


この集合住宅の名前、日光ハイツ。いい名前です!


環状7号を歩道橋で跨いだ時の右側の景色。
奥に見えるニトリは、東京本部。本社は札幌市です。


歩道橋横の八雲神社。


住宅地をしばらく進むと、



8.赤羽

下り坂が、


坂の名前は清水坂。

右から線路が近づいてきました。


左からも線路が近づいてきました、赤羽駅まであと少し。


稲付村の一里塚跡の案内看板、少し離れた場所にあるそうですが、見つかりませんでした。


栃木県内の街道でよく目にする、大谷石の蔵。


街道から左に少し入った所に存在感がある庚申塔が。
通常の庚申塔は、道路に対し横向きに建っているのですが、正面を向いています。方位など地域の人々の、強いこだわりを感じました。


庚申塔の奥の説明を読むと、この道は中山道の板橋宿までを結ぶ道であったそうです。


街道の左奥に独特の山門が。


普門院、墓地になっています。


門の中には六地蔵。


門からふり返ると、なだらかな下り坂。


坂の途中に、地域に伝わる餅つき唄の説明文が。


赤羽駅に到着。


埼玉県と東京都を結ぶ4路線がこの駅に集結、よく利用するのですがこの発車表示は、どこを見て良いか毎回わからなくなります。


駅前のコメダ珈琲で朝食。


安定のクオリティ。


メニューをみていると面白い事実が。
通常の飲食店は、ランチメニューに+〇〇円でお得にコーヒーが付きます、
なのですがコメダ珈琲は違います。
ドリンクを頼むと単品1,000円のランチが800円になる仕組み。
主役はドリンクなところに拘りを感じました。


さて、大好きな1番街に入ります。


この道も御成道で、飲食店がた~くさん。


赤羽のシンボル、まるます家。


大好きなおでん屋さん、丸健水産があるアーケード。


人が大勢並んでいました、団子屋さん、大きな豆大福が人気の様です。


9.岩淵宿

ふり返った1番街。


国道122号、この後ずっとこの道を歩きます。


小山酒店、問屋場跡。


荒川を渡る前に何故か埼玉県の表札が?


おかしいと思い調べてみると、点線の県境が川の中心から、東京側に入り込んでいます。


荒川を渡る前に並んで流れる新河岸川。
右の堤防の上は桜並木で、5月にはピンクの芝桜が一面に咲きます。


これより荒川を渡ります。


川口のマンション群。


広いですね。
川口の渡しは、将軍が通る時は橋が架けられ、子どもたちも手伝ったそうです。


ジェットスキー。


レガッタ。


10.川口宿

川口市に入ります。


川口宿中心部の街並み。



風情ある建物が残っています。


おそらく本陣跡。


この辺りで中心地は終わり。


進行方向左側前方が川口駅。


この場所では、水が湧いていました。


本庁ロータリー交差点。
奥に見える高層マンションは埼玉県内で一番高いビル。


この道を進みます。


工事現場の片隅に、今回の街道では希少な石仏群が。工事で立退にならなくて良かったです。


芝川。


埼玉高速鉄道川口元郷駅。
新しくできた駅で地下なので、自己主張強すぎ。


新しい一里塚跡の石碑が。


マンション建設時に大切に残したのでしょうね、心があたたまります。


しわすだ、と読みます。


お洒落な複合型ランドリー。
街道沿いで多く目にします、近年流行りのビジネスですね。


11.旧田中家住宅

突然大きな洋館が現れます、旧田中家住宅。

予備知識がなかったので、驚きながら中に入ります。


味噌と材木で財を成した田中家が、大正時代に作った事務所と迎賓館。


洋館と和館の融合。


現在は七代目が、飲食・不動産・自動車のバイクのディーラーなどを経て、商売を継続。

中庭は昭和に入ってから作られました。


鯉がたくさん泳いでます。


ちょうど雛人形が展示されており、

大正・昭和・平成と、


様々な人形を楽しめました。


本日一番のサプライズだったかもしれません。

十勝甘納豆本舗本店。


この落書き、書いた日も残して欲しかった。


道はしばらくこんな感じです。


木曽路、中山道を想い出します。


たてば、とは立場と書いて、街道の休憩所を意味します。
ここは立場跡だったのでしょうね。


南鳩ヶ谷駅。


早咲きの桜、本日春一番が吹きました。


鳩ヶ谷大橋。


新芝川。


橋を渡り、鳩ヶ谷の町中に入ります。


12.鳩ヶ谷宿

2001年までは、鉄道の駅がなかったので、開発がいい意味で遅れています。


団子屋さん発見!


1本64円!
柔らかくて美味しかったです!



交差点の角に、鳩ヶ谷宿の石碑が!
歓迎されている気がしてなりません。


江戸時代の宿村境の表示。


大名の特権だった、鷹を使って鳥を捕まえる鷹場の跡。


宿場町らしくなってきました。


日光道中・千住宿に抜ける道。


その下に、橋の遺跡が置いてあります。


吹上橋、かつての町の中心部のようです。


見沼代用水、灌漑用に作られました。


往時の写真と共に案内がしてあると、わかりやすくて楽しいですね。



一里塚跡、丁寧に両塚分の表示があります。


明治時代の写真が2枚あったので、同じアングルで撮影してみました↓。


吹上橋と江戸方面の眺め。


ゆるやかな坂と日光方面の眺め。


ゆるやかな坂の途中にある、日光御成道をテーマにした公園。


シャッターに描かれた、うなぎを運んでいる絵。
魚屋さんだったのかもしれません。


ゆるやかな坂の上の、立派な洋館。


大谷石の蔵がある現役の酒屋さん。


郵便ポスト、何かが変?投函口と集荷口の位置がズレています。
よくみると理にかなっていて、その方が集荷しやすいですね。


鳩ケ谷宿の問屋役の旧宅跡。


鳩ケ谷宿もこのあたりまで。


日光道中・越ケ谷宿に抜ける越ケ谷道。


珍しいピンクのサイゼリヤ。
サイゼリヤの本社は埼玉県吉川市です。


氷川社。
なんと御成道を挟んで反対側には、子日神社があります。昔は御成道を挟んで、東新井宿・西新井宿があった為、両社が建てられていた。


こちらが子日神社、祭りの日は重なっていません。


街道風セブンイレブン。


新井宿とありますが、宿場町ではありません。


首都高速川口線。



日光御成道は石碑が少なく貴重な存在、”神”の上に書いてある文字が読めない、何だろう。


この付近は日本四大植木生産地のひとつ。
他の三地域は、愛知県稲沢市・大阪府池田市・福岡県久留米市です。


たくさんありました。


前方には、東京外環道が見えてきました。


13.赤山街道

街道から右手後方に別れるこの道は、2km位先にある赤山陣屋から、さいたま市に向かって延びる赤山街道。
1km位御成道と並走、ちょうど一週間前に歩きました。


東京外環道の下を歩道橋で渡ります。防音壁って間近で見ることが無いので、その大きさに驚きました。


静かな道を進みます。


大谷石の倉庫。


赤山街道はここでお別れ、左に曲がっていきます。


14.大門宿

千木屋、先代が植木屋さんで、その土地にレストランや、雑貨屋、クリエイターの工房などが集うスペース。


レストラン。


洋菓子屋。


雑貨屋。
なかなかの雰囲気を出しています、すばらい空間でした。

この付近は道が狭くて、歩きずらかったです。
そんな時は、正面から向かってくる車が目の前に迫らない左側を歩きます。


一里塚跡のポケットパーク。


武蔵野線の陸橋、本日はここまで。


東川口駅に到着。


駅前で締めのラーメン、美味しくいただきました。
続きはまた来週。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?