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初音ミクNT買ったんでPCでDTMやろうと思ったら、ローランドさんまさかのZENOLOGY大盤振る舞いで大パニックの巻。

すいませんね、タイトルだけじゃなくて本文も長いので、お急ぎの方は目次だけ見て「スキ」押してお戻りください。

今年は仕事のハナシが続いたので、久々に音楽ネタでも書こうと思ったのだけど、そもそも最近の仕事が初音ミク関連なので、どのみち一緒なんですねごめんなさい。

環境整備が悩ましい

中学生の頃からシンセのピンポン録音→カセットMTR→オールインワンシンセの青春時代を送ってきたワタクシ。

順当に進めばこの後「ミュージ郎」辺りからDTM街道をひた走るところ、オールインワン時代(KORG M1→01W→TRITON)とグルーヴボックス時代(Roland MC-303)が長く、さらにニンテンドーDS時代 (KORG DS-10/KORG M01)を挟み、近年はiPhoneとiPadでの曲作りが定番化していました。

実は2005年頃、XPノートにSONAR LEを入れていた時代もあるんですが、操作性が好みではなく、結局KORG TRITONで作ったオーディオトラックを貼り合わせるのに使う程度でした。

その後初代「初音ミク」を購入したんですが、Vocaloid Editor2を通じてWAVエクスポートで貼り合わせる作業が面倒だったので、仮歌を作る時くらいの利用で、いつしか興味はニンテンドーDSのシンセソフトに向かってしまいました。

調べてみると、KORG DS-10は2008年7月の発売。DTM勢が「初音ミク」に走る姿を横目で見てた実機勢がDS-10に群がり、ニコニコ動画が盛り上がった構図を思い出しましたが、それはまたの機会に。

僕の場合はもともと一台で完結させるのが好きな上に、ベッドやソファーで寝ながら曲作りできるというのが何よりありがたく、どんどん環境の小型化へ向かっていました。

やがてiPad向けにKORG Gadgetが登場します。
最初はいかにも負荷の軽そうなライト級の音源ばかりだったのが、本格的な音源を搭載したKORG ModuleやiM1と連携し始め、iPhone版が登場すると業務で多用するようになりました。

さらにYAMAHAがiOS用にリリースしたV3同等の Mobile Vocaloid Editorには、2017年に「初音ミク」までバンドルされ、iPhoneだけで充分なクオリティの楽曲を作れるまでに至りました。

その一方で、DAWとの組み合わせで音源を拡張できるRolandのAIRA SYSTEM-1や、KORGのvolcaシリーズ、Prophet-6のモノフォニック版Toraiz AS-1などのハードシンセもいくつか購入してきました。

去年(2019年)のいま頃もRolandのMC-101という小型のグルーヴボックスを購入し、TR-808やJUPITER-8など往年の名機サウンドを含むZen-Core音源でクリップを組んで遊んでいました。

このZen-Core音源、搭載機種は後述しますが、現在のRoland製シンセサイザーの中核とも言えるものです。
オシレーターにPCMとVA(バーチャル・アナログシンセ)を採用しており、新旧シンセサウンドからリアルなアコースティック楽器までシミュレートしています。
商品購入時点で3千近い音色があり、PCMとVAの区別ができないほどハイクオリティな音源です。

しかし、このように曲作り(iPhone)と音遊び(ハードシンセ)が別々のデバイスとなってしまい、まとめようとすればオーディオ・インターフェイスやらUSBミキサーやら機材が増える一方。
なんとかスマートにまとまらないものか、ずっと悩んでいたのであります。

ミクさんNTで環境変えた

仕事で「初音ミク」とのコラボ企画が動き出した頃、YAMAHAのVOCALOIDに依存しない音声合成エンジンを搭載した『初音ミクNT』が発表され、『マジカルミライ2020 in OSAKA』開幕日の11/27に発売されました。

「初音ミク」の最新情報を扱う番組を担当する以上、最前線を体感しておかねば、との思いで購入することにしました。もちろん自費だがね。

しかし、それは過去に挫折したDTMの王道を再び歩む、ということに他ならないわけです。

『初音ミクNT』にはディスクでなく、ライセンスキーが記されたカードが封入されています。このカードも人によっては、パッケージ版を選ぶポイントとなるんでしょうなあ。

さらにスタンドアロンでもプラグインでも動くPiapro Studio NT、そしてDAWのStudio One Artist OEM版が同梱されています。

Studio Oneはたまに会社で使っていたCubaseに近い(というかもともと開発スタッフが同じ)こともあり、操作で困ることはなさそうです。

Studio Oneにもバックトラックで即戦力となる音源がいくつか用意され、特にループ素材などよくできているんですけど、使い過ぎるといかにも「デフォルト音源で作りました」というサウンドになってしまいます。

かといって、今から未知の音源を揃えるのも抵抗がありました。ミクNTのトレーニングもしたいのに、音源選びや使い方まで覚えるのは正直億劫なのです。
生楽器系などいろんなジャンルに対応できて、手持ちの音源と融合できる方法はないものか思案しました。

メール思い出してよかった件


実は『マジミラ in TOKYO』出展中にRolandからキャンペーンのメールが届いていました。
帰宅して改めて読み返すと…

現在、ZEN-Core対応ハードウェア製品のシリアルナンバーなどの情報をRoland Backstageへご登録いただいたお客様を対象に、46種類のZEN-Coreサウンド・パック SDZシリーズ、そしてZEN-Core対応ソフトシンセ ZENOLOGY Proなどを利用できるRoland Cloud Proメンバーシップが1年間無料でお使いいただける期間限定のキャンペーンを実施中です。

なんということだ。

僕のケースで書くと、前述のMC-101のシリアルナンバーを登録すれば、SDZ(音色バンク)やプラグインシンセのZENOLOGY Proを1年無料で使えるということ。
もちろんこのプラグイン、Studio Oneでも動きます。なんてナイスなタイミング!

ZENOLOGY Proは、僕がこの1年使いまくったMC-101と同じZen-Coreエンジンを持ち、しかも音色のフルエディットやSDカード経由で本体との共有ができるもの。

つまりMC-101と同じサウンドが、そのままDAWのプラグインとして使えるわけです。
勝手知ったる音源がStudio Oneで使えるんですから、これはめちゃくちゃありがたい!

Zen-Coreすげーな

このZen-Core音源、去年(2019年)の秋以降Rolandが発売したシンセサイザーやグルーヴボックスなどに共通して搭載されています。

ちなみに搭載機種最安値のMC-101は税別49,000円。最高値のFANTOM-8は税別395,000円。
8倍もの価格差があって音源が共通とはどういうことよ?ということで比較してみます。

MC-101(税別49,000円)
ZEN-Core音源4トラック仕様のグルーヴボックス。簡易エディットのみ。

MC-707(税別99,000円)
ZEN-Core音源8トラック仕様のグルーヴボックス。フルエディット可。

JUPITER-Xm(税別150,000円)/JUPITER-X(税別250,000円)
ZEN-Core音源+各モデル音源(JUPITER-8他5機種)のシンセサイザー。フルエディット可。

FANTOM6/7/8(税別335,000〜395,000円)
ZEN-Core音源+V-Piano Technology+SuperNATURAL Acoustic搭載のミュージック・ワークステーション。フルエディット可。

つまりMCシリーズ以外は、その機種特有の音源が搭載されていることや、鍵盤の有無、筺体のクオリティなどで差別化されているわけです。

ちなみにJUPITERシリーズにある「各モデル音源」は、ZENOLOGY Proに”Model Expansion”としてその一部が収録されています。
こちらはZen-Coreとはパラメータ等が異なるためか、MCシリーズには共有できないものの、Studio Oneでは問題なく使用できます。

また、MC-101そのものにオーディオインターフェイスが搭載されているため、DAWの外部音源としてプラスすることもできてしまうと。

例えばライブでフィジカルに動かしたい音色をPCへ繋いだMC-101にエクスポートしておき、シーケンスを走らせながら本体ノブやスライダー、スキャッターを使ってリミックス的にプレイする、といった使い方もできますな。
たぶんライブしないけど。

今回のキャンペーンで最も恩恵を被るのは、僕のようなMC-101ユーザーと言っていいんじゃないでしょうかね。
いずれにせよ、ちょいと腰の重かったDTM再開に弾みがつきました。

途中に出勤日もありますが、普段あまり取れない連休でもあるので、何かひとつ成果を出そうと思ってます。
また完成したらこっそりアップします。では。

ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。