見出し画像

不景気って言う奴が不景気。

いやあ、見渡す限り一面の不景気ですな(矛盾)。

そもそも「景気」の意味をググってみると「景色の精力」を意味するそうで、風景のよい場所には景気がみなぎっている、ということだそうです。

しかし「みなぎってる」かどうかなんて、見る人の気持ちの問題じゃないかと思うんですよね。

もし誰かが「不景気だよね」と言った時、うっかり「そうっすよね」と相槌を打ってしまうと、途端にその場が不景気になる、というメカニズムが想像されます。

「この人、なんかパワハラしそうだよね」「そうっすよね」という会話によって、ある人から人望を奪うのは実に簡単です。
景気も人々の気持ちに影響されるんでしょう。

もちろん最初に「不景気だよね」と口に出した人には、前年よりモノが売れなくなったとか、給料が下がったとか、何かしらの根拠があったはずです。

それに対してやはり心当たりがあるから「そうっすよねー」と同意するわけです。
そんな伝播によって不景気はどんどん真実味を帯び、消費者は財布の紐を固くし、法人は内部留保を増やし、おかげで労働者は給与が上がらず株主には配当が減り、みんな口々に「不景気だよね」とボヤき続けてきたのが、この30年のニッポンの姿なんだと思います。

今日東京のある放送局で、同業者の同じ役職の人たちが集まって会議を行いました。

会社によって状況は異なれど、どこも年々環境が厳しくなって、会議の冒頭には「どうすればいいんだろね、我々」とネガティブな雰囲気がありました。

僕はその話題に「そうっすよねー」と同意するのはやめました。
その代わり、赤字予想だった上半期の収益を紙一重で黒字化できたエピソードを話しました。

理由はいろいろあったんですけど、黒字額が、夏のイベントで売り上げたグッズ収入と、偶然にもほぼ同額だったんですね。
広告収入は下がったけど、放送部門や総務部門が無駄を抑え、さらに放送外コンテンツがリスナーから支持されたことで予想を覆したわけです。

そのエピソードから、各局担当者の意見が活発化していきました。

「うちにも何かやれるものがあるかもしれない」「前にウケたグッズ、もう一回やってみるか」「御社のあのコンテンツ、収益出るんじゃないですか?」などとポジティブな会話が弾み、いい感じで終わりました。

僕は長いこと「会議には得るものなどない」と思ってたんですけど、ちっちゃな成功体験でも惜しまず共有し合えれば、もしかすると「不景気」が「景気」に変わるかもしれないな、とちょいと考えを改めた次第です。

ま、何事も明るく楽しく朗らかに。

ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。