Roland MC-101、また成長する。
もう一昨年の話になりますけど、準備に3ヶ月くらいかかったイベントをやりまして。
で、コロナ禍なんて想像もしてない頃ですので、営業界隈は終わった途端に「パーっと行こうぜ!」なんて、すぐにいなくなったんですけど、僕はバイトの学生たちと地味に後片付けをして、「お疲れ様」と解散した後、ひとり名古屋パルコの某楽器店に向かったのであります。
そういう時の気分だけは「パーっと行こうぜ」なんですよね、ひとりですけど。
で、購入したのがRolandのグルーヴボックスMC-101だったわけですね。
僕の場合は溜まったストレスから解放された時に、こうしたツールを買ってしまうのであります。ちなみに下はこの時書いたブログ。
どんな機材かをざっくり書くと、ドラムやらベースやら生楽器やら何やら3,000音を超えるプリセット音からトラックを重ね、数小節単位のCLIPを作る音源付きシーケンサーです。
が、そのCLIPを即興で組み合わせつつ、SCATTER機能でピッチを弄ったりグレインしまくったりと、リアルタイムで遊べる機能も充実してます。
まあ、昨今はじっくり曲作りするならPC/MacでDAW使えばいいので、DJ屋さんが客前で見せる要素が売りになってる機材ですね。
パネルからわかるようにトラック数は4しかありません。少ない、あまりにも少ない…
しかしながら、トラックのひとつをLOOPERに選択すれば、往年のカセットMTRの要領で、3つのトラックをまとめ、空いたトラックにまた別の音を加えて…なんてことができるのです。
DAWのように際限なくトラックが増やせることは、実は魅力がないのかもしれません。
購入から1年半ほど経つんですけど、兄弟機のMC-707ともども、数ヶ月かおきにファームウェアをアップデートしてくれるんですよ。
スケール演奏ができるようになり(v1.20)、クリップ・チェインやSMFインポートに対応したり(v1.30)、サウンドの追加ができたりシーン数が増えたりパッドでコードが鳴らせたり(v1.50)、アルペジエイター機能が追加されたりランダムで音色が自動生成されたりノートにサブステップが使えるようになったり(v1.60)。
もはや、購入時点でのMC-707を超える機能が追加されちゃってるわけです。
さらに本機を持っていれば、ZEN-Core音源ソフトZENOLOGY PROが1年間無料優遇されます。
MC-101のエディット機能は非常にシンプルですが、ZENOLOGY PROは兄弟機のMC-707コンパチで、4レイヤー(パーシャル)のフルエディットに対応。
作成したサウンドがインポートできるようになったため、事実上トラック数以外は、MC-707と同じ音が鳴る、というところまで来ています。
ただ追加機能の呼び出しがダンジョン化しているので、マニュアル見ないとわからないレベルですけど。
つい先週も、バージョン1.71が公開されたわけですが。
どういうわけか、今回は日本のRolandからのお知らせは一切なくて、YouTube動画をオーストラリア法人がツイートする、という変則的な形で告知されました。
これ、まだ気づいてない日本のユーザーがいるんじゃねーかなと、ちょっと心配になるんですけども。
今回のv1.71で追加された機能のうち目立つのは
・シーン・チェイン機能の追加
・Chord Designerへの機能追加
・Audio Insert機能の追加
・SCATTERへの機能追加
・ルーパー・トラックへの機能の追加
といったところでしょうか。
まずシーン・チェインは発売当初から挙がっていた「ソング機能くれくれ」の声に対応したものでしょう。
シーン(クリップの固まり)を旧来のパターンと見なせば、v1.3で追加されたクリップ・チェイン以上にソング機能っぽくなりました。
ただしシーンは若い番号から順に送られるだけなので、現状ではあらかじめ曲の展開を考えてシーンを組み立てる必要がありそうです。
コードデザイナーは「パッドそれぞれにコードを組み立てるのがメンドイ」という声に対応したのか、基本的なコード構成を全パッドに一気通貫させられるようになりました。
コードの平行移動が容易にできるので、テクノ系楽曲ならイチから作りやすくなったと思います。
オーディオ・インサートは、もともとUSB経由でPC音源を取り込めていたものを、各トラックにアサインできるようになりました。
独立したMFXをかけたり、フェーダーで音量コントロールできるので、貴重なトラックをひとつ潰すことになりますが、PCとシンクさせてる人にとってはむしろ便利な機能です。
また、従来のマスター直インサートにもディレイとリバーブがかけられるよう改善されています。
スキャッターは、パンを振るエフェクトや、BPMとシンクした機能が強化されました。
最も嬉しいのは、ルーパー・トラックのエクスポート機能の追加。
WAVに書き出しPCで利用するのもありですが、単体でもドラムパートに音源としてアサインすることが出来るので、音を重ねたり加工したり、容量によってはドラムトラックのみで一曲組み上げるなんて過激なこともできそうです。
SYSTEM-1というシンセで波形数が倍化したり、音色メモリー数が8倍になったりと、とんでもないアップデートに驚かされましたが、時々とんでもない機能追加をしてくれるRolandに感謝です。まだまだ使い倒していきます。