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欲しかったのはアナログ音源じゃなかった。

最近も書いてますけど、RolandのPC音源プラットフォームGALAXIASを、ハードウェアのSH-4dで鳴らすのに夢中です。

で、ZENOLOGYで作った音をエクスポートしようと思って、半年ぶりにMC-101を起動させてみたんですね。

それでTone Partial Editor機能で、フィルターを弄ってたんですけど、久々に本体にヘッドフォンぶっ刺してたら、思ってたよりいい音することに気づかされて、結果1時間くらい時間を溶かしちゃったんですよ。

特に4つのフィルタータイプ(FLAT/TYPE JP/TYPE M/TYPE P)切り替えていくのが、もう楽しくて楽しくて。

あ、こちらの投稿、最近のアップデートによるバグ修正追記しときました。

でも、1時間したら疲れちゃったんですよ。
というのも、MC-101にはコントロール・ノブが4つしかなくて、そこにカットオフ、レゾナンスなんかをアサインしちゃうと、ADSRやエフェクトを弄ったり、パーシャルのバランスをとるのに、いちいちメニュー呼び出さなきゃいけません。

もしこれらの作業を全部ノブかスライダーでできたら、もう1時間は余裕で浪費してたと思うんです。

実はこれと同じことを、PioneerDJのアナログシンセ、TORAIZ AS-1でも感じてました。

音も筐体も最高だけに残念なところも

昨年亡くなられたデイブ・スミスさんが手掛けられた、最後のモノフォニックシンセになってしまったAS-1。
往年のシンセファンにわかりやすく伝えると、Prophet-5とPro-Oneの関係と同じようにProphet-6をベースとしたモノシンセです。

端的に「空腹を満たす音」とでも言うんでしょうか、海外のシンセフォーラムでは「Prophet-6より好き」というコメントが多数書き込まれるほど、いい音がするシンセです。

ただし、やっぱり何時間も鳴らすことはできなかったんですね。
こちらもノブがわずかしかなく、しかも自由に機能をアサインできなかったので、オシレーター周りを弄るのにメニューを掘るしかなく、だんだん没頭できなくなってきちゃうわけです。

特にProphet-6と同じ特徴のモジュレーション周りは、効果が複雑なだけに、複数のノブやスイッチを弄りながら調整していきたいところ。
しかし実際の動作として目でページを送りつつ、耳で変化を確認しながら、気に入らないとまたページを戻す、という一連の繰り返しが結構疲れるんですよね。

この強面ぶりがたまらない

その点でRoland SH-4dや同社のS-1は、ずっと没頭していられるんですよ。
サウンドの質で言えば、AS-1には敵いませんが、ノブやスライダーを触りながらの音作りはストレスフリーです。

もちろん曲作りでは、時間の都合でプリセットから選ぶこともあるので、そういう時は膨大なライブラリを持つMC-101やソフトウエアシンセの方がイメージに近い音を見つけやすいです。

新しい波形を作って弄れるのがすごい

ただ散財する前に「音源買うぞ」と「シンセを買うぞ」では、その後にすべきことがまったく違います。

僕の場合「シンセを買うぞ」とは、じっくりと音作りできることが最重要となるようで、曲がそれでできるかはわかりません。
そしてそのキーワードはノブやスライダーの数といった、フィジカルな要素になります。
MC-101は「音源買うぞ」で入手しましたが、S-1は「シンセを買うぞ」、そしてSH-4dは両方を満たすレアなシンセでした。

いい音がするなら、そこにデジタルもアナログも関係なく、逆にいい音がしても直感的に追い込めないと、自分には宝の持ち腐れになってしまう気がします。

もちろんAS-1を手放すことは微塵も考えてませんので、念のため。

ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。