表紙5冊-2

私の本の読み方(歴史書を中心に)

40冊分くらい、大半過去に読んだ本ではあるんですが、どれについて書こうか選んだり、読み直したりしてみて、改めて感じた、気をつけているポイントを少し書いてみます。普段本読む人には当たり前の話かも知れません。


・著者の略歴

ある程度同じジャンルの本を読んでいると、名前見てだいたいわかったりもしますが、最初はわからないのでとにかく確認します。まず最初に別れるのは、専門の研究者か、副業なのか。専門家だからいいと言うことはありませんが、専門家であれば割ける時間が違いますので、バックデータの物量が変わります。そこにバイアスをかける必要がありますし、逆に専門家でバックデータの薄い人の本は気をつけた方がいいです。また、研究者でない方の中には、明らかにバックデータが薄いのに断定口調で書いている人がいます。そういう本は、得られる情報に乏しいので途中で読むのをやめたこともあります。著者の立場というものも考慮する必要があります。例えば、二冊ほど取り上げた内藤正敏さんは山伏修行もされているので、発言は実体験に基づいています。梅原猛さんは晩年歴史研究をされていましたが、哲学畑の出身なので思考は実証的というよりも情緒的です。バックデータの量については氏の場合は年齢を考慮しても単純比較できないところではあります。著者の背景を知ることは、発言の厚みを知ることでもあします。


・引用・出典

わたしが、個人的にはわりと好きだけれど、人にはあまり勧めない本に井沢元彦さんの「逆説の日本史」シリーズがあります。歴史書読み始めの頃に読み始めた本で、引用文献を当たって行くうちに「当たってる数少ないし、我田引水が多いな」と思ったので人には勧めません。ただ、いいこと言ってるな、と思う箇所もいくつかはあって、「当たりまえのことは記録されない」とかはそうだよな、と思ったりもします。このシリーズのいいところは、引用文献が明示されていることです。引用文献が明示されていれば、内容が、引用元の趣旨に照らして正しいのか、自説のために捻じ曲げていないのか、ということを確認することができます。逆に言えば、これだけ守られてさえいれば、何書いても「独自性のある見解」として一定の価値を見いだせるケースも出てくるかも知れません。


・独自性

独自性のあるなし、ではなく、引用を踏まえた上でどこからが著者の見解・主張なのか、ということを理解する必要があります。ある程度、先行研究を羅列しているようなものもそれ自体価値があるとは考えていて、単にダイジェスト版というだけでなく、キュレートの方向性に意味がある場合もありますし、集積によって新しい意味が生まれることもあります。著者の意図だけではなく、内容の独自性が生まれているケースもあるのです。


大きくは上記3点に気をつけながら読み進めますし、言い換えれば、読み込むことによって上記3点を把握する、ということかも知れません。知識を縦横に広げて行くにあたり必須の項目であると思うので、これから一定のテーマを学習・研究しようかと考えられている方は、これらに気をつけられてはいかがでしょうか。



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猩々。神社のこと、野山のこと、お酒と食べ物と音楽のお話をします。
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