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好きなもの、なりたかったもの

お家を観察するのが好きだ。
通り過ぎる時に少しチラ見する感じ。

凝ったおしゃれな家、通りからは見えない作りの家、ふるーい家も気になる。

凝った洒落た家や窓が少ない家は、
間取りどうなってんだろ?いくらするんだろ?と興味深々に横目で通り過ぎる。
たまに大きな窓がどーんと開けた家なんかだと家の中が見えてしまう。
大概そういうお家はシンプルで綺麗に整えられていて、誰が見ても、誰に見せても恥ずかしくない、なんならどうぞ!見ていいよ!という感じが魅力的だ。

逆に、古びて少し傾いた時代が止まったような家も味わい深い。
洗濯物などの生活の気配があるからきっと誰か暮らしてるんだな、老夫婦かな?寒くはないのかしら?と余計な心配をしてみたりする。

もうひとつ気になるのが、ぎゅうぎゅうの窓。
窓を塞ぐように本や雑誌がぎゅうぎゅうになっていたり、段ボール山積みになっているのを見た事はないだろうか?
窓はもちろん開かないだろうし、陽の光は取り入れられないだろうし、なんなら結露した水滴が段ボールに滲んでシミになっていたりする。
事務所かな。片付け下手な人なんだろうか。
ガムテープを✳︎の字に大きく貼りっぱなしの窓もちょこちょこ見かける。
数年前に大きな台風が来た時にテレビで、突風で飛ばされたものが窓に当たっても窓ガラスがバラバラにならない為の知恵として広められ、多くの家で実践されていたアレだ。
取るのが面倒でそのままにしているズボラなタイプの人が暮らしているのだろうか。

散歩中でも電車やバスに乗っている時も、こんな感じで観察と想像を楽しんでいる。
嫌がる人もいるだろうけど、あくまでもチラ見、ほんの一瞬の趣味なので、どうかお許しいただきたい。

なんでこんなに建築や間取りが好きなんだろう。
幼い頃から渡辺篤史の建物探訪を楽しみに見ていたし、中学生の頃にはお小遣いで建築の写真集のような分厚いカラーの本を買って眺めていたし、
casaBRUTUSの建築特集も買い集めていた。
今でもお気に入りの住宅関係の情報サイトをいくつか定期的にみて回るなど、家好き建築好きは昔っからだ。

そんな事を考えていたら、そういえば建築家になりたいと思っていたんだよなと思い出した。
さらに、考古学者にもなりたかったことも思い出した。
宇宙飛行士にも憧れていた。
テキスタイルデザイナーも。
カメラマンも
文章を書く仕事も。

こんなになりたいものがあったんだ。
でもそのさらにさらに昔には、お嫁さん(お母さん)になりたかったから、夢は叶った。

追いきれなかった方の夢を、今でもこんな感じで少しだけ、触れて楽しんでいるのだと思った。

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