更年期の症状をめぐる労働問題についてNHKが特集、KDDIエボルバの雇い止めの件が紹介されました
11月5日(金)NHK総合ニュースウォッチ9にて更年期障害による雇止めや降格についての放送がありました。
この番組で更年期による体調不良により雇止めされた非正規雇用の女性として紹介されたのが、現在KDDIエボルバと闘っている総合サポートユニオンの組合員です。
これまでの経緯は下記、noteとNHKニュース記事、毎日新聞記事でも紹介されています。
更年期の症状のために仕事をやめざるをえない人が1割もいる現状
番組でも詳しく紹介されていましたが、更年期による体調不良は女性で37%、男性でも9%が経験し、症状が原因で「仕事を辞めた」と答えた人は、女性9%、男性7%で、男女ともに1割近くに上るということです。また更年期が原因で仕事にマイナスな影響を受けた人は女性で15%、男性は21%にも上ります。
このように女性に限らず、男性にも影響を及ぼす事がわかっているにも関わらず、更年期についての対策は何もなされていないのが現状です。
エボルバは更年期の症状についてもっと真剣に考えてほしい
社会の無理解は今回のエボルバとの団体交渉でも嫌というほどわかりました。
番組内で、NHKの取材に対してエボルバは「(更年期に対しての対策はないが)傷病休暇を用意している」と回答しています。
会社のいう「傷病休暇」とは、病気や怪我で療養のための休暇を一定期間取得できる制度です。
けれども、更年期の症状は数ヶ月など一定期間休めば治るものではなく、また、日によっても体調が変化するので「今日の体調では仕事ができない」という場合もあり、傷病休暇で対応ができるとは思えません。
また病院で薬をもらえば体調不良はなくなり、即出勤できるというものでもありません。
当該の組合員も去年の夏から通院するも薬が合わず悪化したり、病院をかえ別の薬に切り替え漢方やミレーナ等、自身の身体を少しでも良くする為に努力しています。しかしまだ最善の方法は見つかっていません。
これらの状況を伝えているにもかかわらず、エボルバは「傷病休暇があります」と回答しているのです。
また「出勤率9割を満たしていないので雇止めをした」ということについてですが、週3日の雇用契約で働いていると、月に1日休み、あと一回遅刻すれば出勤率9割を下回ってしまい、もう雇止めの対象になります。
こんなにも多く更年期による体調不良を経験する人たちがいるという実態がある中で、会社が更年期の症状をいっさい想定することなく、労働者に「平等に」厳しいルールを強いる現状はおかしくないでしょうか?
そもそも更年期でなくとも、9割の出勤率を満たさないと雇止めという基準は、誰の体調不良にも寄り添いませんという宣言に他なりません。
私たち労働者は簡単に切り捨てて良い存在ではありません。
今月11月19日には、KDDIエボルバと三回目の団体交渉が行われます。
またこちらのnoteでも報告いたしますので、見守ってもらえるとありがたいです。
更年期の症状による労働問題でお悩みの方はご相談ください
今回のNHKの番組の放送後、SNSでは共感の声がたくさん上がっているのが見られます。
もし同じように更年期で(それ以外の体調不良でも)会社から不利益な扱いを受けているなどお困りの事があれば、私たちユニオンへご相談ください。
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