KDDIエボルバがメディアに嘘の雇い止め理由を説明し、更年期症状と聞いてないと強弁したことについて、団体交渉で誤りと認めさせることができました!

KDDIエボルバを雇い止めされ、会社に対して声を上げてから一年が経ちました。
その間、会社への申し入れや団体交渉、ビラ配りなどの抗議行動を何度もし、また、NHKや「みんなの生理」と協力して更年期に関する調査を行って情報発信するなど、様々な取り組みをしてきました。

https://www.change.org/periods-menopause

会社の不誠実な対応は変わらず、「更年期だけを特別扱いはしない」「どんな理由であれ出勤率90%を切れば雇い止め」とエボルバは言い続けてきました。
ところが、昨年末以降、会社はメディアなどに対して、おかしな説明をするようになりました。

「歯痛」のために出勤率低下したという嘘を会社がメディアなどへ回答

私たちは昨年末に、KDDIエボルバが加盟する一般社団法人日本コールセンター協会に対して、更年期症状による体調不良で雇い止めにあった経緯を伝え、更年期は誰もが経験するものであり、治療をしていても症状は完全にコントロールできないため、それを理由に労働者に不利益な扱いをしないように会社を指導してほしいと要請しました。

後日、日本コールセンター協会から組合に届いた回答書には、エボルバから日本コールセンター協会に対して、更年期症状は雇い止め理由ではなく、「単なる体調不良」の他、「歯痛や忘れ物、電車乗り遅れなどを含む複数回の遅刻欠勤」によって出勤率が更新基準を下回ったための雇い止めであるとの報告があったと書かれていました。

さらにその後、KDDIエボルバは新聞社の取材に対しても、契約更新しなかったのは「歯痛」「忘れ物」「電車の乗り間違え」などを理由に出勤率が低下したためで、更年期症状の話は聞いていないなどと回答しており、紙面にもこういった会社側の説明が掲載されました。

私は歯が痛くて欠勤したことはありません。会社の回答は明らかに嘘です。
更年期による体調不良を相談していたSVがそんなことは聞いていないと言い出したり、団体交渉をのらりくらりとやりすごしたり、回答の期日を守らないなど、これまでもエボルバは不誠実な対応でしたが、こんなに堂々とでっちあげをするとは思いませんでした。

そこで、会社に対して、私が歯痛や電車の乗り間違いなどで欠勤した日時と根拠(記録)を開示するよう求め、団体交渉を申し込みました。

それに対してエボルバからは、「勤怠連絡記録」という資料が送られてきました。それには、雇い止め前の約1年半分の私の遅刻・欠勤理由が載っていて、その中に1件だけ「歯が痛い」という理由での欠勤がありました。
実際には私は歯痛で休んだことはないので記録が間違っていると思いますが、仮にそれを置いたとしても、その時期は私の契約更新を決めるための期間には全く重なっておらず、その上、その日は有給休暇を使っていたので勤怠率には響きません。

この点について、4月22日に行われた4回目の団体交渉で追求したところ、人事部などの担当者はノーチェックで話をしていたらしく、急に慌て始めました。
更に、この記録を見ると「頭痛」「めまい、吐き気」「生理痛」という、私に現れている更年期の症状ばかりが欠勤・遅刻の理由欄に並んでいます。それなのに、なぜ更新に係る期間でもなく、有給休暇で勤怠に響かないたった1度の「歯が痛い」を前面に出して回答しているのかと質問すると、驚いたことに返ってきた答えは、「回答したのは広報担当。こちら(人事部)がメディアに言ったことじゃないからわからない」という非常に無責任なものでした。

会社側は、「広報に資料を渡しただけでマスコミにどう答えているかは知らない」、「一部の欠勤理由をピックアップして伝えたのではなく、すべて伝えている」など、要領を得ない返答を繰り返しましたが、人事や広報等の担当部署うんぬんは会社内部の事情に過ぎません。更年期の雇い止めをめぐる組合との交渉を担当している人事部が、どういう情報を外部に出すのかについてきちんと確認していないなど、到底納得できない説明です。
そもそも、「歯痛が欠勤理由」だと会社が外部に回答した件については、団交前から組合が書面で申し入れをしていたにもかかわらず、経緯の確認もしておらず団体交渉の場に広報担当が出席してもいないというエボルバの対応は不誠実としか言いようがありません。

また、会社は「更年期症状とは聞いてなかった」という趣旨を併せて主張していますが、これまでの話し合いの中で、少なくともSVの一人が更年期症状で体調不良があることを聞いていたことは会社側も認めていました。私たちはこの点も追求しました。

会社が間違いを認め、メディアへの訂正を組合に約束

「歯痛」のために勤怠率が下がという説明が間違いであること、そしてSVの少なくとも一人は更年期症状の体調不良について話を聞いていたことは、会社側も認めざるをえませんでした。

私たちは会社に対して、日本コールセンター協会及びメディアに訂正の連絡をし、この件について謝罪してほしいと根強く要求しました。団体交渉の終了時間ギリギリまで会社側は「持ち帰って検討したい」と言い続けましたが、最終的には以下について合意に至りました。

  • 雇い止め理由となった欠勤に「歯が痛い」は含まれておらず、主として、生理痛、頭痛、めまい、吐き気であることを会社は認める。

  • スーパーバイザーの少なくとも一人は、本人が更年期障害であり、それが理由で欠勤していることを把握していたことを会社は認める。

  • 上記2点について、各メディアとコールセンター協会に修正の連絡を入れたうえ、今後二度とこのようなことがないようにすることを団体交渉出席者(会社側)は役員に提言する。

会社はこれらを約束し、その場で書面化して署名し、押印まで進めることができました。その後、まだ会社からは関係各所へ修正の連絡を履行したという報告がありませんが、早急にかつ誠実に対応を取っていただきたいと思います。

小さい一歩かもしれませんが積み重ねていく事が大切だと思うので、今後も今回の経緯の追求や、当初からの目標である雇い止めの撤回、そして何より自分の身を守りながら安心して働けるように、オペレーターも記録をとれるよう改善されることを願って戦いたいと思います。

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