日本保育サービスに団体交渉を申し入れました!

 日本保育サービスの運営する保育園で給食を作る職員が介護保育ユニオンに加入し、2019年10月18日、団体交渉を申し入れました。

 その時の対応がとても大手とは思えない、ひどいものでした。

 以下は、日本保育サービスの組合員Aさんの報告です。

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 こんにちは。私は保育園で園児や職員のために給食を作る仕事をしています。

〇私が組合に入った理由

 私が組合に入ろうと思ったきっかけは、朝、保育園に来てタイムカードを押してから着替えをすませたら保育士の先生や同僚の調理員の方に「タイムカードは着替えてから押してください。それが会社のルールだから。」と注意されたことが納得できなかったことです。

 白衣に着替えることは給食を調理する上で絶対必要な作業です。それがなぜ労働時間に含まれないのでしょうか?

 その後、ニュースでジャパンビバレッジの労働者が会社に抗議する意味でストライキを開始したことを知りました。

 業種は違っても労働環境に不満を持っている労働者が、会社と交渉して労働環境を改善していく様子を見たら「組合に入れば自分も会社と交渉出来るかもしれない」とやる気が出てきました。

 「手書きで30分刻みのタイムカードはやめてほしい…1分刻みで打刻してほしい」「賃金も上げたい!」「働く人員も増やしてほしい!」など要求したいことがいくつも浮かんだ私はすぐに総合サポートユニオンに加入しました。

 団体交渉では、以下のことを要求していこうと考えています。

<主な要求事項は次のとおりです>
●30分単位で計算する手書きのタイムカードを廃止し1分単位で打刻するデジタルのタイムカードの設置

●作業着に着替えることは労働業務の一つであり、着替えの時間も労働時間内に含まれることの周知徹底

●余裕のある栄養士、調理員の人員配置をしてほしい

●園児たちの給食をつくることに対して賃金が1,020円では少ない。人員を集めるためにもまずは1,500円に賃金を上げてほしい


〇日本保育サービスの信じられない組合対応

 10月19日、品川のサザンテラスにある日本保育サービスの本社に組合加入を通知しに行きました。申し入れには、色々な職場から組合員が集まってくれました。

 ユニオンに対する会社の姿勢に衝撃を受けたので、ブログに書き留めようと思います。

① 「組合員の名前を明かさなければアポイントはとれない」(日本保育サービス人事担当者)
 申し入れの2、3日前に私たちは、会社にアポイントを取ろうと電話をかけていました。
 ユニオンから簡単な申し入れの趣旨を伝え、当日まで匿名にしてもらえるようにお願いしました。名前だけ伝えて、園にいづらくなることが怖かったからです。

 これに対し、人事担当者の方は「組合に加入した労働者の名前を事前に教えてくれなければ、アポイントは受け付けない」「怖いという事情はわかるが、アポはとれない」を繰り返しました。「子どもの食の安全にかかわる重要なこともある」と伝えましたが、答えは変わりませんでした。

 組合員が在職中であり非正規雇用という立場であるのに、全く配慮がありません。

②申し入れ当日、ユニオンの対応は何も知らない一般社員「責任は持てません」

 申し入れ当日、私たちが会社に夜7時ころ到着すると、オフィスの部屋の前に、男性が1人立っていました。男性の後ろの部屋の扉は閉じていて真っ暗です。営業時間であれば多くの人が働いているのでしょうか。

 その方に声をかけると、私たちを待っていたということでした。少し事情をお話ししたいと伝えましたが、その男性社員は申入書を受け取るだけで、話は聞けない、会議室にも案内出来ない、といいます。仕方なく、私たちは共有スペースである廊下で話すことになりました。
 
 聞くと男性は総務課で給与計算等に従事する一般職員でした。

 私は、人事の責任者や保育園の給食に関係するキッチン部門等の責任者に、直接会って申し入れ書には書いていないことを伝えたいといいました。ところがその方は「私は責任をもってお話を聞けません」というのです。

 そこで、「他の上司の方はいらっしゃいませんか?」「人事担当者の方やキッチン部門の責任者の方に会ってお伝えしたいことがあります」と聞きましたが、「皆退社しました」、「申し入れ書は後日、人事担当の責任者に渡します。今日のところお引き取りください」と繰り返すばかりです。

 事前に電話で私たちが会社に向かう日時は伝えてあります。にもかかわらず、株式会社日本保育サービスでは責任の無い一般職員1人に労働組合の応対を押し付けたのです。実際、私たちの対応を命じられた男性社員は困り果てていました。これはパワーハラスメントだと思います。

 労働に関する違法行為を指摘されていることは重大なことと受けとめていないようです。

③「上司にも電話は出来かねます」。「伝言もできません」
 自分では対応できないことは上司に聞くのは当たり前です。そこで、上司に相談してもらえるよう伝えると、男性社員は「それはできかねます。退社したとしても他の会議に出席中ですので電話に出られないと思われます…」と言い頑なに電話をかけてくれません。

 子どものことにかかわる重大な問題があることを伝え、何度も説得すると、やっと男性職員は別室に行き電話をしてくれました。

 しばらくして戻ってくると、電話をかけたがつながらないと言います。
そこで、私たちは伝言をお願いしました。
 「責任はもてない」を繰り返す社員でしたが、自分なりにメモや録音をとって上司に伝えるように説得しました(これも最初は強く拒否されました)。

 ここまでくるのに申し入れから1時間以上がかかってしまいました。最終的には、要求したいことをボイスレコーダーに記録し責任者の方に伝えるようお願いして帰りました。(このボイスレコーダーに記録することもなかなか承諾せず、隣の株式会社JPホールディングスの総務部の方を説得して記録してもらいました。)

 今回応対してくれた男性職員をはじめ、株式会社日本保育サービスで働く人々がパワーハラスメントに鈍感になっていないか心配です。

 実はこの株式会社日本保育サービスは2016年に労基署より是正勧告が出されています。パワーハラスメントやサービス残業が行われる環境で保育士として働いていた労働者は、精神的、肉体的にも追い詰められ退職する結果となっています。(是正勧告の内容についてはこちらをご参照ください。http://kaigohoiku-u.com/report/nihonhoikuservice-zeseikankoku/

〇みなさんもユニオンに相談してください「それはおかしいですよ」と言っていい。

 自分が働いている会社に労働問題があることを指摘されると、自分自身が否定されたような気持ちになると思います。

 会社に「それはおかしいですよ」と声を上げれば上司や同僚に迷惑がかかると考えてませんか?

 でも給料が上がったり、働く上で負担が減ることはみんなに迷惑がかかることでしょうか?

 私は今働いている園が通勤が楽なところが大好きです。一緒に働く同僚の方も親切にしてくれます。これからもこの保育園で働き続けたいので、会社と交渉することを選びました。

 保育業界に限らず働いていて「もっと働く環境を良くしたい」と思ったら総合サポートユニオンまでご連絡ください。

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