見出し画像

マリオは「マリオメーカー」をどう乗り越えたのか /「マリオワンダー」


4年ほど前、「スーパーマリオメーカー2」を遊びながら、ふと思った。


これ、次のマリオはどうなるの

世界中の人が好き放題ステージを作って、
これ以上やることあるの



\任せろ!/


プイーン!
(https://www.nintendo.com/jp/switch/aqmxa/wonder/index.html)


?!



「マリオメーカー」がやった事

「スーパーマリオメーカー」並びに「スーパーマリオメーカー2」は、簡単な操作で、誰でもマリオのステージが作れます。

また、世界中の人たちが作った多彩なステージを、自由に遊ぶことができます。

マリオメーカー
(https://www.nintendo.co.jp/wiiu/amaj/sp/index.html)
めちゃくちゃなコースも自由自在
(https://parasol.hatenablog.jp/entry/2021/12/25/024503)


これは、任天堂にとってはかなりの挑戦であると言えます。

なぜなら、マリオが今後の新作で生み出しうるステージを、プレイヤーに作らせることになるからです。


もちろん、一般の人が作ったステージの多くは、公式のクオリティには及びません。

それでも、これまでマリオが培ってきた「スタイル」を、プレイヤーに渡したことには他ありません。


これからのマリオは、一体どうするの?


どうやって、「マリオメーカー」の大量のステージと差別化するの?



、、、、、え、2Dマリオ、これで終わりってことはないよね??



「マリオメーカー」を克服する

「マリオメーカー」との違いをどう作るのか。

私は一つの方法として、「ルールを変える」ことを思いつきました。


従来のマリオのアクション、敵やブロックの動き、操作感、、、で出来る遊びは、
「マリオメーカー」がしゃぶり尽くしてしまいました。

ならば、マリオの枠組み、ルールを根本から変えるしかないと思ったのです。


でも、、、、

そんなことするかな、、、?


マリオってちょっと保守的だし、、、


そんな憂いを嘲笑うかのように、「ワンダー」は現れました。


ワンダー!
(https://www.nintendo.com/jp/switch/aqmxa/index.html)


「ワンダー」の2つの戦略


「ワンダー」はまさに、ルールの変化を真正面から行っています。


しかも、遊んでみると、大きく分けて2つの戦略によってこれを実現していると分かります。


「ワンダーフラワー」による変化

本作には、「ワンダーフラワー」というアイテムが登場します。

怪しげなお花
(https://www.nintendo.com/jp/topics/article/b38c0fae-7a5d-45e8-8a31-9d7c04894470)


これをゲットすると、ゲームのルールに様々な変化が生じます。

見下ろし視点のマリオ
(同サイト)
風船になったマリオ
(同サイト)


これはまさに、「メーカー」にできない変化です。

ブロックや敵の配置を工夫するだけでは生まれるはずのない、根本からのルールの改変が起こっているからです。


特に僕が驚いたのは、
歌って踊ってパックンマーチ」です。

ランランルーラ パッパラパ ポン ポン ポン
(https://switchtoit.com/column/super-mariobros-wonder-w1-2/)


マリオって、こんなあざとい事、出来るんだ、、、

と、純粋に驚きました。


確立されたゲームタイトルとしての地位にあぐらをかかない、チャレンジングな姿勢を感じました。


「バッジ」による変化

もう一つの戦略が、「バッジ」です。

色々なバッジ
(https://www.nintendo.com/jp/switch/aqmxa/badge/index.html)


各ステージのはじめに自由に選んでつけることができ、選んだバッジの種類によってマリオの能力やステージに変化が起こります。

帽子で遠くまでフワリ
(https://game8.jp/mario-wonder/563254)
敵にも自分にも見えない
(https://game8.jp/mario-wonder/563766)


ルールに変化が生まれる点は「フラワー」と同じですが、
こちらはプレイヤーが自由に選ぶことができます

プレイヤーのスキルや好みに合わせてルールが変化することで、幅広い遊びを生み出しています。


「ワンダーフラワー」と「バッジ」の融合がもたらすもの

このように、「マリオワンダー」は2つの要素、「ワンダーフラワー」と「バッジ」によって、
ルールを根本から変える、「メーカー」には出せない面白さを生み出しました。


しかし、なぜ2つなのでしょう?

どちらか一つに絞ってはいけなかったのでしょうか?


実は、この2つのバランスこそが、「マリオワンダー」の価値を支えているのです。


例えば、「バッジ」のシステムが存在せず、
「ワンダーフラワー」のみ
だったとしましょう。


すると、プレイヤーが調節できる遊びの幅が無くなってしまいます。

こうなると、個々のプレイヤーのスキルや好みに柔軟に対応することは難しくなります。

慣れたプレイヤーには物足りなく、初心者には難しすぎる、と言った具合です。


逆に、「ワンダーフラワー」のシステムが存在せず、「バッジ」のみならどうでしょう。


すると今度は、遊びがぼやけてしまいます。

プレイヤーが選択する要素が多すぎるがために、ゲームの「させたい遊び」が見えづらくなってしまうのです。


こうみると、「ワンダーフラワー」と「バッジ」は、ルールを変えながらも、プレイヤーを誰1人置いて行かない、勇気と優しさに溢れたシステムのように思えます。


「スタイル」と「クリエイティブ」の融合へ

さて、こうして「マリオワンダー」は2つの要素によって「メーカー」を克服しました。


ただ、「ワンダー」にはひとつだけ弱点があると思います。


それは、マリオをマリオたらしめる「スタイル」の不足です。


マリオは昔から、

シンプルなアクションと最小限の仕組みで、
多彩な遊びを生み出す、

いわば「職人芸」的な技巧に支えられていました。

極限まで考えられた、原点にして頂点
(https://www.nintendo.com/jp/famicom/software/smb1/index.html)


もちろん、「ワンダー」のステージはどれもよくデザインされています。

しかし、その「職人芸」へのスポットライトは、少し弱まった気がします。


しかし、心配は要りません。

僕は、マリオという遊びがアップデートする、まさに過渡期にいると考えています。


マリオ、これからどうなっちゃうの?!


皆さんも、ぜひ注目してください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?