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踏み台

ゆるく ささる 凪を受け
歩き続けてゆく
ぬくもりを ちいさく だいじにかかえて
守るように けれど
暗雲が 追い立てる

つぶての雨音 降りかかり
ぐちゃぐちゃなシャツ
不愉快なくらい 肌にしみる
流れて 消えるのは
灰になったマッチ棒

指から抜ける
すべてのまほう きせき
指から抜ける
すべてのわたし じしん

あつく やける 風を受け
歩き続かないや
真っ黒の なにかを だいじにかかえて
守れなくて けれど
暗雲は まだ消えない

数多のかみなり 降り注ぎ
ガラゴロと呪詛
不愉快なくらい 唱えわらう
無自覚 消し去るの
燃えて尽きた マッチ棒

ああ 罪を 無意識の罪を
かみさま も救えない
ああ 裁きを 無自覚へ裁きを
ふみだい を蹴飛ばした

とおく どこか 蜃気楼
カラフルな傘集る
他人の それで 楽しく混じえて
踏み消して 忘れた
折れた屑のマッチ棒

****

無意識は悪であり
無自覚は罪である
また
目を逸らすんだな



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