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作詞とか振り返り②

数日前に引き続きまして、作詞のお話です。
うっかり誕生日越してしまいましたが、それはそれということで…。
この辺りから今年書いていたもののお話です。

前半分はこちらです↓


【風が吹いたら】

まず初めに、『颯と楓』という企画のお声がけをもらった際、めちゃくちゃ驚いておりました。
理由は幾つかあるのですが、一番はアルバム丸々一つ全部作詞していいですよ!というのが初めてだったことです。そんなことあるんだ…。本当にありがとうございます。

そしてこちらの曲ですが、まずは颯くん視点のAパートです。
二人の大事な出会いなのと、明るい五月の風が吹き抜けるような曲調でしたので、そのままストレートに書かせて頂きました。
颯くんは基本的に絵や表情に想いを込めて出すことしか出来ないので、内面で感じたり考えたりしている事は多いだろうというところから、出会いから親しくなるまでの距離感の縮み方や想い、世界に対する捉え方の変化をもぎゃーっと一番と二番で出してみました。
それの明るい部分がこの曲のAパートとなります。
でも、総合すると颯くん要素の強い二人の曲、という感じなのかもしれません。

また、サビのメロディがとにかくキャッチーで私の中で残りまくっていたので、残りやすいのにするぞ~と耳触りがいい感じを目指してみました。
特に一番なんかは、視界がパッと開けた時をイメージしています。
坂の頂上とかに着いたときとか、息と景色への感嘆が同時に漏れるような…。
ハルハコブネでもそうなんですが、nayutaさんのサビへの盛り上がりの歌い上げ方がめっちゃくちゃ上手すぎて、すごいテンション上がります。
ライブの時とかサイリウム持ってわぁー!てなっておりました。語彙力無いなってる。

【君を覚えていたい】

こちらは颯くん視点Bパートになります。
彼の心中をより深く掘り下げたものなのですが、個人的にアルバム内の歌詞付き曲だとこの曲が一番お気に入りです。
一番は夏木立です…si-soundsさん大天才過ぎませんか…。

こちらの曲は、『楓ちゃんと一緒にいないときの』颯くんの心情を中心に描いておりました。
彼は絵を描くことが好きで、それによって物事を記憶出来たりもしているので、大事なものを中心に組み上げていきました。
ただ、自分の中でちょっとだけ反省点がありまして、もう少し伝わりやすくする事も出来たのかなーとか、塩梅って難しいなーとかを後々世に出てから思ったりもしていました。
また、お話を頂いていた時から2と3がセットで、5と6がセットという意識で進めていたため、この曲には2曲目で出てきたような景色や単語がちょこちょこ出てきます。
地続きの中で、互いの存在がどんな変化を与えて、救いになっているかを3曲目と5曲目で書いていきました。

個人的に好きな部分は、二番目の『幾重にも積み重なる~』らへんがとっても好きです。
そういえば、ハモりとか聞こえにくかったりする部分に、なんか隠したり仕込んだり意味を持たせるのが好きなのですが、この曲もバッチリそうでした。

【ちゃんとうまく笑えるかな】

楓ちゃんBパートです。楓ちゃんの内面が中心なのでBが先に来ます。
実は4曲の中で一番時間がかかった歌詞でした。なんと最初の一言目からまったく出て来なくて、いつの間にか数週間立ってました。怖すぎる。

内容自体はすんなり決まっていたのですが、時間経過と楓ちゃんのイメージと…を組み合わせて、暗くなりすぎないように~と奮闘してました。
楓ちゃんは悩んでもどちらかというと、一人になると悩むというより、悩みが常に付きまとっていて普段見せないけれど、ふとした瞬間に漏れ出てしまうという感じで進めていきました。
あとはとっても努力家なのだと思います。楓の木のように芯が強くて美しい子をイメージしました。
また、この曲もかなりストレートな感じに作成しました。
楓ちゃんがストレートにお話ししてくれる子だというのもあるのですが、あまり入り組みすぎると伝わりづらいかなというのもありました。

この曲でししとうさんがぼろぼろに泣いていたので喜びました。
nayutaさんの訴えかけるような歌い方も滅茶苦茶感情になるので仕方ないね!
一番好きな部分は『過ぎゆく暑さ~』らへんです。
この部分のsi-soundsさんの間の取り方と空気の入れ替え方が絶妙で、聞いた瞬間の鳥肌がすごかったです。
ここは次へ繋げるために時間経過を一番強く意識したところだったので、歌詞的にもお気に入りです。

【赤い瞳と青い唄】

颯と楓の歌詞ラスト部分ですね。
楓ちゃんのAパートでありまして、楓ちゃん視点の二人の曲です。

別離してしまうというのは決まっていたのですが、その別離の部分の輪郭をぼかしつつ、悲しくならないようにと意識しました。
その代わり、郷愁を感じれるように、秋から冬に移り変わる前のような寂しさで晩秋感を出してみたり~といった形でした。
また、提出前段階で一回見返してみたら、あまりにも全体的に風に関する単語使いすぎていてさすがに笑ったので、全部一回ちゃぶ台返ししています。
後はラストの曲なので、折角だしと全部の歌詞から要素を拝借してちょっとずつ出してみたりしています。

『唄う私と~』らへんが一番好きでして、カラスが山へ帰っていくようなイメージで作りました。
童謡の七つの子が曲や情景としてとても好きで、秋を感じるのでその辺りからインスピレーションしています。
あとは、この曲からラストの『楓』に繋がった時の余韻を考えて、明確に落ちをつけきらないようにしていました。
何より本当にsi-soundsさんの曲が本当に余韻を残しつつ締めの後のふわりと浮いた感覚を醸し出しているのが良すぎて、本当にこのアルバムにご参加させて頂けて幸せでした。ありがとうございます。
ライブでのこの曲のnayutaさんには楓ちゃんが宿ってましたね…。
『笑顔で唄うから』の微笑で涙腺終わりました。

【ハルハコブネ】

すっごい正直なことを言うと、この曲がここまで大きなものになると思ってなくて滅茶苦茶驚きました。
でも何度も言っている通りのままなんですが、やっぱり歌と曲と絵とMVによるところがかなり大きいと思います。
本当にすごいですよね。初めて聴いて見たときに圧巻でした。
ただ、この曲の歌詞が好きだと仰って頂けたり、歌詞の考察や別口の感想を述べて下さる方も本当に多くて、とても有難いことだなと感じました。

歌詞の個人的テーマは、かなりストレートに好きなものをベースにやらせて頂きました。結構伝わっていて照れました。ありがとうございます、こういうものが好きなんです。
言葉遊びや少し捻くれた表現が多いかもなんですが、伝わりやすくを意識して、あとは個人的なテーマに則って単語を入れ込んでみたり…としました。
あと、私個人の部分として他の歌詞でもそうなのですが、入れ込めそうなときはなるべく『774電波塔』要素を入れてます。
(私の担当部分は電波塔なので、おおよそ電波塔関係ですが…)
絵でいうところの、サインとかクセとかのこだわり部分的なあれそれです。
今回は電信がその部分にかかるのですが、ししとうさんがついったーで上げたイラストにまさにモールス信号が隠れてて笑いました。アレ多分意識せずに描いてる気がする。

あとは、聞く方々によって様々な箇所の受け取り方が異なるのかなと思うのですが、着地点は想定していた感じに出来ている気がして、とても安心しております。
みえるところはもちろんですが、私はみえないところで頑張っているような人たちがとても好きで、愛しく思います。

【ユキニカ】

台詞パート考えるのとっても楽しかったです。
あまり普段、台詞パートがある曲に巡りあっていないのですが、台詞ある曲いいですよね!
nayutaさんからご依頼頂くものは、王道ベースに少し捻ったものが多いと個人的に思っているのですが、それが『普段自分でやらないけれどとても好き!』ということが多くて楽しいです。ありがとうございます。

ユキニカはハルハコブネと打って変わって静やかな感じなのですが、ハルハコブネと共通しているのは内にある熱です。
熱の種類が違いますが、熱さの度合いは変わりないんじゃないかと思います。
個人的にお気に入りの部分が『本当は勇気を出したい~』の部分なのですが、本当にこういうものが好きです。
イカロスの翼だったりよだかの星だったり。
向日葵は雪によって灼けてしまうのです。かといって、雪が夏を過ぎることもまま難しいのです。
また、ストレートな表現をしていて言葉として分かりやすいようで、実はハルハコブネよりふわふわとしたストーリーになっています。
迷夢なので仕方ないです。
夢と夢の合間の、どこからが夢でどこからが本当のことか分からなくなるような意識の狭間が好きです。
脳の中で記憶がどうやって整理され結びついているのでしょうか。

あとは花とスノードームがすっごいな!?となりました。
表現が上手すぎる…。ただただ驚くことしか出来ませんでした。

【マチカドぱんたじっく】

一曲だけというのがないのでXFDで失礼します!全曲神!!

こちらは、ゆーじさんにご依頼頂いて作成した、はぁちさんを表現した歌詞です。
想定されたキャラクターやストーリーではなく、実際の人物に焦点を当てて書かせていただくというのは中々無いので、とっても楽しくモチーフやネタを詰め詰めさせていただきました!

他の方の曲イメージと被ってしまわないように~と思いつつ、頂いていたはぁちさん自身のプロフィールや今までのお歌などなどなど…と掘り下げました。
とっても愛らしくて可愛い方で、ピンクも甘い色合いの柔らかなイメージが強かったので、歌詞もそんなイメージで進めております!
そのイメージの最たるところとして、実は一番最初に『空模様でピンクの表現を入れたい!』と思ったところからビーナスベルトを入れてみたのですが、はぁちさんに気に入って頂けてとっても嬉しかったです。
ゆーじさんから頂いたオーダーやデモの時点でとってもお洒落でしたので、ちょっとおしゃまなフランス風イメージをしつつ、街並みを想像してゆきました。
また、『宵も過ぎて』の部分が繋ぎとして個人的に弱かったかなぁと思っていたのですが、ゆーじさんの音と歌声の加工のマリアージュでとってもオシャレになっていて感嘆の声が出ました。
全体的にどこをとっても素敵で、はぁちさんの歌声ももちろん可愛くて、少し背伸びした女の子のイメージがとても合っていて、本当にすごかったです…語彙力…。

余談ですが、ドンクさんだと塩パンが一番好きです。
ドンクさんの塩パンが一番美味しい…。あとmini oneシリーズがとっても好きです。

そんなこんなで、今年だけで一ページ埋まりました~~~すごい!!
正直、始めた頃はこんなにご縁を頂くことがあるだなんて想像もしていなかったので、本当に様々な方に感謝する事しかできません。
ありがとうございます。


以下、追加の自分語りです。

そもそもの当初の目的が『ししとうの隣に並んでも許される』ということだったんですね。
なんだそれ、って感じなのですが、私はずーっと自分のためにしか創作をしていなくて、ししとうと出会ってようやく自分以外の人のためにもって思って書いていたくらいだったんです。
そして、今もそうなんですが、正直なところ有名になりたいとか何かを成し遂げて大きな存在になるという目標はなく、ただ漠然と楽しいことを好きな方々と楽しく出来たらいいなぁというスタンスでして。
ずっとそれでいいと思っていて、だから当時ししとうのマネージャーだけをしていたのですが、ある時『自分が対外的に何も持っていないせいで、ししとうが滅茶苦茶軽んじられる』という事があったんですね。
それがあまりにも悔しくて堪らなくて、そこから誰が見てもししとうの隣に居ても許される存在になろう、と一念発起したのでした。

それがここまで長く続くんだから、人生何があるかわからないなって思いますね!!!
今は依頼者の方に喜んでいただけたり、依頼者の方周りのファンの方々から感想を頂けたりするおかげで、少しだけ自分を外側から誇れるようになりました。
当初の目的は一つ依頼を頂いた時から、実はもう達成していると思っていたので、この先はそのご縁やご恩を還元していきたいと考えております。

まだまだ楽しいことを好きな人たちと楽しくやっていきます!
もちろん、ししとうの隣で。

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