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歌詞

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いつかどこかで音が鳴り出す
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2019年8月の記事一覧

mӦgen.

ドレープの隙間 月明かりもない よいやみの街 幕の降りたカウンター 逆さのグラスに映る指先 ああ 今夜もまた ふたりきりの 気まずい夜が始まる ハムとスクランブルエッグ 焼けた小麦に染みるバター 香ばしいコーヒーの香りが しんとした部屋を包み込む 軋む階段の上に見た 扉の下のラブ・レター 愛の無い言の葉が 罫線の間を埋める ああ 今夜もまた ふたりきりの 気まずい交信が進む 俺は 俺たちは 何故 日々を繰り返す 意味もない 他愛もない 愛しくも

綻び

ゆらり落ちてゆく 夜道の隙間 遠くのおと 貨物列車 ゆるく ゆるく 空が遠くなってゆく 星の光は 何処までも ぼくの味方をしてくれない こんな日なのに 曇って 闇に紛れてしまう ばいばい、まで 近づいてゆく 坂を転がる 足を踏み外す 海に沈みゆく 空に還る 還る 還る 還る ゆらり拡がる波紋 街と噴水の狭間 近くのこえ 頭の奥に響く ゆるく ゆるく 空が変わってゆく おはよう はじめまして 新しい おわりのくに

かみさま

かみさまに ひとは なりたがる だれかの あのひとの かみさまで あればいいなと かみのクセに ねがう 白い服を着て 杖を持ち 立派な髭の ああ かみさま かみさまを ひとは ほっしている いつでも あのときも かみさまに いてくださいと しんじないクセに いのる 寄り添って 楽にさせて 泪を拾い上げてよ ああ かみさま 都合がよく 都合のいいときだけ キミはボクはあのひとは 信仰して 信仰させて 進行してゆく そんな 居るはずもない かみさまの

とても やさしい うた

一人きりの夜 泣き出す僕に 星が瞬いて話す 「大丈夫?元気を出して」 寄り添う光は ひどく やさしく 僕の涙を河へと流す まぁ そんなこと 都合よくあるわけないけど 苦しくて 潰れそうな 真夜中 月が囁いて すくい上げる 「よく頑張ったね、いい子」 じんわり滲んだ光は 包み込んで 僕を海へと還す まぁ そんな風に 出来たらいいけど 深みを増す時間は ただ それだけ 夜は明るく 空は曇りで 眠らぬ街は 僕を許してくれない 僕を叩き起す 強い陽射しは 身体を心