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いわくつきの品々

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世田谷学園文芸部の部員たちが集めた、いわくつきの品々。テーマに合わせて世界各地から集めてきた品物と物語をお楽しみください。(すべてフィクションです)
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記事一覧

きうひい【コンパクト レトロ】

 キューピー人形は、1909年に米国で誕生したキャラクターとされているが、実はそれには前史が…

葦原の中つ国の良き水【コンパクト レトロ】

 アロマウォーターとは、アロマオイルを抽出する際に副産物的に生成される、香りのついた水の…

純白のパスケース【コンパクト レトロ】

 このパスケースはあの高度成長期の輝かしい時代に、ある一人の革職人が仕上げた最高級品だ。…

永久機関【コンパクト レトロ】

 現代の科学では不可能とされている永久機関を、政府の命令で研究していた物理学者がいた。研…

蛍かご【コンパクト レトロ】

 このあたりの地方にはある年になると土地の守り神といわれる蛍が多く現れ、土地に恵みを与え…

戻って来る人形【コンパクト レトロ】

「この前俺、小さな西洋風の人形を買ったんだ。その人形が入っていた箱がこれなんだけど、『戻…

チョコ缶【コンパクト レトロ】

 ケーキがないならチョコを食べればいいじゃないとはよく言ったものだが最近はチョコもケーキも見られなくなった。  数年前王室は権力を無くし、今まで王室に排除されてきた人々が王宮を漁り始めるような状態がここ何年も続いていた。王宮には庶民の怒りを買ったチョコの残骸が大量に埋まっているらしい。白と茶色の缶で底は金色。人々はチョコをサンタのように担ぎ帰り、その国はチョコの缶で溢れかえった。 キュレーター 金沢 かずえ(中学2年)

神の涙【コンパクト レトロ】

 永山県に伝わるある昔話がある。 「遠い昔のこと。神が落とした一粒の涙。それが凍って宝石…

コルク【コンパクト レトロ】

 約2年前、東京のある下町のいかにもレトロ感漂う喫茶店の店主からこの球体をもらった。これ…

顔つきの跳ねる球【コンパクト レトロ】

 8月13日、祖父の命日にこれを受け取った。これは祖父の経営していた喫茶店にたった一つだけ…

黄グマペンとさびバッジ【コンパクト レトロ】

 愛らしいくまの形をしたこの商品、一見ただの置き物に見えますが首を取ればそこにはペンがあ…

かつての文藝部【コンパクト レトロ】

 当時まだ新任だった鵜川龍史氏が設立した文藝部。その第一回獅子児祭でのポスターだそうだ。…

野球の始まり【コンパクト レトロ】

 これは名ピッチャーとして知られる石崎慎之助が初めて投げたボールだ。幼少期の彼はいじめら…

キーマ族の鍵【占いの裏】

 この鍵は、はるか昔の古代文明キーマ文明で使われていた道具の一つです。その時代には鉄で物を作る技術がなかったのに、何故これが存在したのかは分かりませんが、残された古代文字を読み解いた結果、これは占いに使われていたと分かりました。使い方としてまずこの鍵の対となる箱を用意し、その中に占う相手の所持品を入れます。そしてそれを彼らの神社のような物であるケカッサビタルドに祀ります。そして1週間ほど経ってからそれを開けると、中のものに変化が起きており、その変化によって占いをするのです。し