見出し画像

【質問】ひとがしぬ百合小説のオススメについて

ご質問内容:できればひとがしぬ(しななくてもいいです)百合小説のオススメがあれば教えていただきたいです!
 ※試験的にiPad + キーボードでnoteを書いています。(やはり慣れるまでまでは少し勝手が違いそう……見難い場合は構成などアドバイス頂けると嬉しいです……)
 ありがとうございます。前提として、わたしの百合小説の定義についてはかなりガバガバなため、そこを考慮いただけますと幸いです。では早速はりきって、ひとがしぬ縛りで。

1. 雨の塔/宮木あや子

 いつか津岡のことも、この鞄みたいにつまらないもののように思える日が来るのだろうか。今まで考えたこともないことを考えたら、隣の津岡の瞳に較べて自分の瞳があまりに黒くてぞっとした。

 上記の文章に、ある鬱屈とした掬うことのできない澱のようななにかを感じられて、そのような雰囲気がお好きなのであればきっと好みに合いましょう!と胸を張って断言します。卒業後の進路(大抵は親が決めた結婚)が決まっている良家の子女たちに”疵“を付けさせないことを目的に設立された、外界から隔絶した田舎の岬にある女子大(もちろん寮生活)が舞台です。

2. 倒立する塔の殺人/皆川博子

 わたしたちは、切り花なのだ。空想ーーあるいは物語ーーという水を養いにしなくては枯れ果ててしまう。しかも、その水には、毒が溶けていなくてはならない。毒が、わたしたちの養分なのだ。

 雨の塔が浮世離れした現代物であるのと一転して、こちらは戦時中のミッションスクールを舞台にしたミステリです。ミステリ小説がお好きであれば、こちらもきっと好みに合うだろうと思います。何より、小説のタイトルに惹かれるならば、なおのこと。

3. 悲しみよ こんにちは/サガン

 なんでもなくしてしまうわたしが、なぜこれだけはなくさなかったのか、わからない。石は今も、わたしの手のひらにある。バラ色で、あたたかみを帯びて。そうしてわたしを、泣きたくさせる。

 最後は世界的にも有名な名著。前にあげた作品は、いずれも同性愛な要素を満たすのため一般的に「百合小説」といっても誤解がないと考えますが、こちらは少し複雑です。女性が女性に向ける湿度の高い感情のことも、わたしのなかでは百合としているため、わたしの中では百合小説なのですが。少し違っていたらごめんなさい。とはいえ、百合か百合ではないかを脇に置いても、間違いのない名作ですので、未読でしたら是非。

おわりに

 あまり慣れない作業に楽しくも力尽きて3作品になってしまいましたが、それ以外にもお勧めしたい小説、まだまだあります。本格ミステリでいえば、明日壁勝則の「砂漠の薔薇」なども。梨木香歩のりかさん、からくりからくさの連作どちらも。他にも他にも。このような話題で盛り上がりたいですね。また、みなさんのお薦めの本なども是非是非伺いたいところです。教えていただけますと嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?