遊星歯車
■ドリルが動かなくなったので分解しました.こんな減速機構になっています.グリスの詰め替えをしましょう.
先端のカバー内に遊星歯車による減速機構があります.
表面に見えている3個の歯車(歯数20,遊星歯車と呼ぶ)の中心に,モーターからの回転軸(歯数6,太陽歯車と呼ぶ)が入ります.
この3個の歯車は,周囲の円(歯数48,リング歯車と呼ぶ)とも接しています.
中心軸(モーターのシャフト)が右回転すると,3個の歯車は左回転し,
この3個の歯車を乗せている台は,周囲の歯に沿って右回転します.
■原理図を以下のサイトからお借りします.この原理図の歯数は,私のドリルの場合とは違いますのでご注意ください.
https://www.monotaro.com/s/pages/readingseries/kikaikiso_0112/
■私のドリルの減速機構に戻りましょう.
中心の回転軸が右回りに1回転すると,台は6/48=1/8だけ右回転します.
このドリルでは,このような機構が2段になっていました.
つまり,3つの遊星歯車を載せている回転台の中心軸(出力軸)に,また6枚歯の歯車が付いていて,これが2段目の入力となっています.
こうして,下段の同様な遊星歯車に回転を伝えるので,結局,(1/8)^2=1/64だけ減速することになります.
遊星歯車は入力の回転軸と出力の回転軸は同一線上にあるので,このように段数を重ねることができます.
■遊星歯車を,toyotaプリウスでは,うまく使っています.
ガソリンエンジンにつながっているのは遊星歯車の台,発電機につながっているのは太陽歯車,モーター(車輪)につながっているのは,外周のリング歯車です.3つの歯車のうちの1つをロックすると残りの2つ間で回転の伝達が起こるので,切り替えて,いろいろな使い分けができます.
以下の図は上記サイトからお借りしました.
■歯面に垂直なカの伝達のできる互いにかみ合う歯面の曲線については,別の機会に取り上げます.