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空間認識が危うい

立体図形を描くのに3d-CADやCGのソフトの使用は避けて通れないようです.あまり得意ではないが,私もこれらのCGソフトを使うことがますます必要になりました.VRバーチャルリアリティの色々なツールも普及して来たようです.できれば,VR会議室の利用もできるようになりたいと思います.

一方,若者に空間認識がおかしい者が増えているということを耳にしたのは数年前のことです.小学校の図画のカリキュラムが,写生よりも図案や印象表現が中心になっていることの弊害だそうです.写生をしないと遠近法に触れる機会がなく過ぎてしまいます.現場の先生方の所ではどのような状況でしょうか?
立体を描くにも,CGや3d-CADソフトに頼ると,座標を入力し済ましてしまいます.結局,幾何学的直観が育ちません.基本的に,ユークリッド空間における直感的な把握が一番重要ではないでしょうか.

昔は,結晶模型を作るには,結合ボンド間の角度を計算して,玉に穴あけをしました.今は,ゾムツールなど,決まった角度で穴があいた便利な多面体を売っています.しかし,自分で穴をあけるようなアナログ体験は,とても面倒ですが,空間感覚を養うと思います.

表紙の絵は,https://school-post.com/hint/nakazato04/ からお借りしました.

■遠近法の数学から射影幾何学へ

遠近法と言えば,レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519)を想い出すでしょう.

遠近法の数学から射影幾何学の基礎を作ったのはジラール・デザルグ(1591~1661)でした.デザルグは無限遠点を導入することで平行線は無限遠で交わるとしました.この時代には,パスカルやデカルトがおります.

その200年後に,デザルグの研究は,ジャン=ヴィクトル・ポンスレー(1788~1867)によって射影幾何学として完成されました.ポンスレーは工兵将校として,1812年,ナポレオンのロシア遠征に従軍し,戦って倒れているところをロシア軍に助けられ捕虜になり,サラトフの捕虜収容所に収監されたポンスレは,そこで射影幾何学を研究したと言います.これらの成果は1862年~1864年に出版されました(wikiより).


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