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モアレパターン発生の実験

今日はモアレの実験を行います.

まず,網目パターンを用意します.今回は,面心斜方格子[長方形格子の中心にも格子点のある複格子(2格子点胞)]を使います.この格子は,単純格子(1格子点胞)で解釈すれば,菱形格子に還元できます.この関係は下図を見るとわかるでしょう.

モアレ2lattice

上図では,格子点に正3角形を配しました.配置した正3角形の対称要素と格子の対称要素を比較すると,共通な対称要素としては垂直方向の鏡映面しかありません.従って,パターン全体としての対称性は,垂直方向の鏡映対称を持つだけです.格子自体にあった高い対称性も,正3角形自体にあった高い対称性も互いに打ち消し合って残りませんでした.これを対称性の重ね合わせ原理と言います.

このようなパターンを基礎にして作った網目模様を以下に示します.

モアレ2

この網目網を互いに2θ(小さい角度)で重畳したときに,生じる2次的網目パターン(モアレと呼ぶ)を調べましょう.

(1)重畳角2θ(小)のとき

モアレ2_2θ

(2)重畳角2θ(大)のとき

モアレ2θ大

(3)重畳角180のとき

モアレ2_180

(4)重畳角180°+2θ(小)のとき

モアレ2_2θ+180


(5)

モアレ3+

結論:いずれの場合も2次的なモアレ像に生じる格子のタイプは,初めの(1次の)格子のタイプと同じであることがわかる.しかし,2次的に生じるモアレ像中に正3角形の対称性がどのように反映されるかの鮮明な結果は得られなかった.

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