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ヨハン・ガルトゥング博士の訃報が届く

ヨハン・ガルトゥング博士の訃報が届いた。
https://twitter.com/search?q=Johan%20Galtung&src=typed_query&f=live
2024年2月17日の朝にノルウェーバールム市のスタベック保健センターで死去したそうです。享年93歳。
https://www-nrk-no.translate.goog/norge/fredsforskar-johan-galtung-er-dod-1.16767861?_x_tr_sl=no&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc

1993年に平和的手段による紛争解決のための国際NGO、TRANSCEND International(トランセンド・インターナショナル)を創設したヨハン・ガルトゥング博士は、1969年に「平和=戦争のない状態」と捉える「消極的平和(negative peace)」という概念を編み出した、平和学の父といわれてきた方。

「構造的暴力(structural violence)」と呼ぶ、社会構造の中に組み込まれている不平等な力関係、経済的搾取、貧困、格差、政治的抑圧、差別、植民地主義などがない状態を「積極的平和(positive peace)」とすると提起しました。

また、当事者間の妥協点を探るのではなく、対話を通じて双方の目標・心情を理解し共感したうえで、対立や矛盾を非暴力的・創造的に超越し、両者が協力しあえる良好な関係へと転換させていく「トランセンド法(Transcend Method)」という考えを提唱して、平和の理解に画期的な転換をもたらしました。

杉浦が理事を務める一般社団法人国際平和映像祭では、2015年、2016年、2017年にガルトゥング博士を日本にお招きして、セミナーやワークショップを開催してきました。

国際平和映像祭(UFPFF)は、平和実現のために国連が定めた国際平和デー(通称:ピースデー)の9月21日に学生などの若者を対象とした平和をテーマにした映像祭「国際平和映像祭」を2011年に横浜で初開催した非営利型の一般社団法人。UFPFFは、2015年の博士の招へいの際に、日本に招くための資金をクラウドファンディングで調達。253人から約223万円が集まり、学生200人を招待しました。

実施に先立ち、さくらWORKS<関内>で開催した博士の来日イベント記者発表会には多くのメディアやブロガー・ライター、平和学関連の学生や研究者が集まりました。


安保法案で揺れた2015年の夏、横浜大さん橋ホールの500名の聴衆のうち半数弱が学生だったhttps://www.huffingtonpost.jp/kenji-sekine/johan-galtung-peace-study_b_9880842.html

「積極的平和(Positive Peace)」は、軍事的なこととは関係ありません」。「積極的平和は、平和に向かて協同作業をしようというのであって、戦争に向かって協力というのは大きな問題である」と、博士が提唱した「積極的平和」について自らの言葉で語ってくれました。

2016年は、5月22日に関内ホール 大ホールで「平和国家日本の目指すべき道について」をテーマにお話ししていただきました。

5月24日は、東京で講演と伊勢谷友介さん(俳優/映画監督/リバースプロジェクト代表)、奥田愛基さん(SEALDs/ReDEMOS)、谷崎テトラさん(構成作家/音楽プロデューサー)、丹下紘希さん(映像作家/アートディレクター/NOddIN)他を交えてのパネルディスカッションも実施し、若手がたくさん集まってくれました。
鳩山さんとの対話の機会もつくりました

2017年6月13日は東京で、博士の講演会と映画『コスタリカの奇跡』特別上映会を実施しました。

2000年に横浜港大さん橋のCIQプラザで開催したトランセンドワークショップの企画・運営に関わって、最初にヨハン・ガルトゥング博士と出会ってから24年。

ガルトゥング博士は、やさしくユーモラスな方。平和を希求し、国連の仕事などを含め、価値ある仕事をなさってきた方です。
生涯で平和と紛争の研究に関する150冊以上の本と、1,000以上の論文を書いたと言うコトです。
リスペクトしています。

亡くなってしまったヨハン・ガルトゥング博士さんのことを思うと、一緒にいたシーンが頭の中に蘇ってきます。断片的で、具体的な情景。

教わったこと、学んだこと、忘れずに前に進んでいきます。

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