固定電話

未だに
ある種の契約を結ぶときに必須だとか、
クレジットの審査にも必要だとか
公的書類にも要るのだとか言われるモノがある。
固定電話がそうだ。
本当にいるのだろうか。
ネット回線を敷いている以上電話番号も自動的に
割り当てられているのだから
「番号がそもそも要らない」なんて言っても
ナンセンスのようではあるが、「固定電話」が
本当に必要かどうかには関係ない。
固定電話というのは携帯電話出現までは単に
「電話」と呼ばれていた。
そしてその頃も今も、電話(現・固定電話)
は動かない。当たり前だ。
しかし人間は基本的には「動く」。
動いた先にまで持って行ってる可能性が
高い「携帯電話」は非常に便利である。
固定電話に電話するよりも携帯電話に電話
する方がつかまる確率は圧倒的に高い。
もし携帯電話に電話したのに相手が出ない場合は
A 事情があって電話に出られない
B 電話が入っていることに気づかない
C わざと出ない
などのケースが考えられる。

Aの場合、風呂かトイレに入っているか
眠っているか食事中か、あれやこれの最中だ。
こういう場合は固定電話にも出られない。

Bはマナーモードになっている可能性が高い。

Cはそもそもわざと出ないのだから、携帯であろうと
固定であろうと相手は電話に応答しない。

結局
「連絡を取りたいときに固定電話の方がつながる」
理由はBしかない。
その他の場合は携帯電話の方が、連絡を取る手段としては
優れていると言わざるを得ないのである。
にもかかわらず冒頭のように、契約書作成時に
固定じゃなきゃだめとか、クレジット審査や
公的書類作成時も固定が前提 などと
いまだに訳のわからない状態になっている。
ということはつまり、「固定電話」であることを
求める側は『連絡が取れるかどうか』などには
実は興味がなく、
「なんでもかんでも携帯で済ませるのではなく
固定電話もしっかりと備えている人間であるかどうか」
を査定しているにすぎないのである。

電話を受ける側にとってはどうか。
自宅にかかってくる電話の8割はしょーもない
勧誘や営業の電話である。
ケータイ電話代がお安くなります
電気代がお安くなります
そういう類ばかりだ。
先日など

バカ「こちらなんでも買い取る●●の■■と申します
お電話口はご主人様でいやっしゃいますか?」
私「誰がこの家の主人かどうか意見が分かれる
ところですのでなんとも言えません」
バカ「・・・ご不要になったものの買い取りを
する業者なのですが、ご不要になった貴金属や
ご不要になった家電製品など、」
私「不要に『ご』は要りますかね?それこそ
不要じゃないでしょうか」
バカ「・・・不要な自転車とか、」
私「ないですね。」
バカ「衣服とか、または」
私「ないですね」
バカ「ああ、そうでらっしゃいますか。家電
なんかでも故障していても私どもは、」
私「ないですね」
バカ「バッグや装飾品、あるいは」
私「ないですねないですね、ないですね」
バカ「何か不要のものが少しでも、」
私「ないですねないですね、まったくないです
  私がないと言ってるんだからこれほど
 確かなことはないですよ。とにかく
 なんにもないですよ。 あ!」
バカ「どうされました?」
私「そういえば今使っている固定電話こそ
 常々不要だと思ってたんですよ」
バカ「固定電話機、でいらっしゃいますか」
私「固定電話機に敬語も要らんでしょうけど
  まあこれは要りません。かかってくるのが
  こんな電話ばっかりなので。」
バカ「左様でございましたか。」
私「左様です。さあ固定電話を捨ててくるので
 二度と電話しないでね」

てな有様だった。


他の2割のうちの大半は間違い電話だ。
つまり、固定電話でかかってくる電話はほぼ
間違い電話か勧誘電話である。

つまり要らん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?