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怒りのホノボノお掃除【 御社掃除 】(PC)

それは22年前…2002年

「ゲームだったらなんだっていい、面白いとか面白くないとかそういうのはいいんだ、とにかくゲームを遊ばせてくれ!」常にゲームに飢え、そんな考えを巡らせていたボンクラの中1にとってダイソーが販売し始めた100円ゲームはまさしく突如として現れたオアシスだった。
当時実家のPC(Windows98)にはまだインターネットが接続されておらず、フリーゲームもネットカフェやテックウィン、Windows Power等の雑誌で手に入れなければいけなかった時代に、どこにでもあるダイソーで簡単にPCゲームが手に入ってしまうのは革命的だったとしかいう他ない。

そのダイソーのゲームシリーズはかつて50種類以上販売され、ジャンルもトランプや将棋などのボードゲームからシューティング、アクションゲームにアドベンチャーと様々で、なんだかんだで片っ端から買っていた。もちろん中身が薄いものもあれば、起動もままならないものまであったけれどなんだかんだ100円分は楽しんでいた。
本作「御社掃除(みやそうじ)」もその中の一本。もちろんパッケージの巫女さんに惹かれたのは言うまでもない。もちろん今は売っていない。

主人公の巫女さん。オープニングアニメも凝っている。

…にしてもあれからもうそんなに経つのか、自分で書いといてゾッとするね。

ホノボノ落ち葉集め

そんな本作は11月の秋の神社を舞台に、巫女さんを操作し、境内に点在する落ち葉を箒で全て集めることステージクリアのアクションパズルゲーム。参拝者に5回ぶつかったり、制限時間を過ぎてしまうとやり直しだ。
操作は十字キーのみと非常にシンプル。ステージ総数は通常ステージが20、追加ステージも合わせて40ステージ。100円ならば十分すぎるボリュームだ。通常の20ステージをクリアすればエンディングだぞ。

当初はそのグラフィックも相まって、パッケージにも書いてあるコピー通りの「なごみ系ホノボノ落ち葉集め」で雰囲気がなかなか良いし。ステージの中盤にはご褒美CGもあったり、歩行者のグラフィックも多様で面白い。
中盤からは参拝者も老人子供犬猫だけでなく、どう見ても参拝目的ではないカメコや日本酒を片手に持った酔っ払いもくるぞ。警察を呼んだ方が良い。

ステージ間には見応えたっぷりの広告風CGがあったりするぞ。
恐怖のカメコだらけのステージ

怒りの炎を灯せ

…が、ゲームが進むとステージは複雑になり、時間や参拝者を警戒していく事になる。ちょっとしたミスなどでやり直しになってしまうのでなかなか難しい。しかも参拝者の動きはランダムだったりするので、こちらに向かってぶつかってくるようで理不尽を感じてしまう箇所もちらほら。それに参拝者は集めた落ち葉を踏むとまわりに散らかすので、そのたびに集め直す事になる。コラっ!集めた側から踏むんじゃあ無い!!!

全て集め切った時の巫女さんの笑顔に癒されよう

最終ステージあたりは高難易度で、何度も失敗しては挑戦をする事に。そして集めた落ち葉を踏んではぶちまけ、ぶつかってきては怒ってくる老人子供犬猫学ラン酔っ払いにカメコ共に異様な怒りが湧いてくる。こっちはただただ掃除したいだけなのに我が物顔で境内を好き放題うろつきまわりやがって…!!!!それにペコペコ申し訳なさそうに謝る巫女さんもいるから尚更だ。
この時にはパッケージの「なごみ系のホノボノ落ち葉集め」とは一体なんの冗談だと叫びたくなるぞ。

最終ステージは地獄っ!

だけどそのクリア出来そうでなかなか出来ない絶妙な難易度には妙な中毒性があり、1時間程度でエンディングを迎えられましたが、それまで夢中でプレイしてしまいました。
そしてエンディングのムービーは雰囲気が良く「なんだかんだ苦労もあったけど、悪い体験ではなかったな…。」と嘘のように清々しい開放感たっぷりの気分になれましたね。
でもクリア後解放される追加ステージはあまりの難しさに諦めました。アレは許してください。

11月だから初雪なのかも。
良いエンディングだ…。

本作は100円という低価格なゲームですが、パズルアクションとして完成されたシステムと、その難易度も相まって、ホノボノもなごみも出来ませんが中毒性があり一喜一憂出来る歯応えのあるゲームでした。Windows10でも動きますので中古ショップなどで見かけたら際には是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。


DATA

ザ ゲームシリーズ23 御社掃除
発売 :大創産業
開発:STUDIO SELDOM
対応ハード:PC (95,98,Me,XP対応)
      Windows10でも動作しました
発売年:2002年
ジャンル:パズルアクション


さらなる源流を探る

本作について少し調べました。
もともと本作は同人サークル「STUDIO SELDOM」が1998年に発表した同人ゲームで、ダイソーで販売される以前はMSD-JAPANという会社が980円〜1280円の価格帯で展開していた「Game Land」(http://gameland.msdj.com/index.html)というブランドで1999年11月に一般にも販売されていました。どうやらMSD-JAPANが個人制作のPCゲームを募集して製品化していた模様。

HPによると他にもダイソーで売られていた「ツッコミ漫才ゲーム(芸人街道膝栗毛。)」「トロイの塔」「お〜はじき!」「神威(完全版を2000円で販売)」なども元はこのGame Landで販売されており、経緯はわかりませんがダイソーがそのゲームを一部100円ゲームとして売っていたようですね。(というかよくサイト残っていたな…。)



映画鑑賞と積みゲーの資金となります…たぶん