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【好きなアルバムの話】Grateful Dead - "Cornell 5/8/77"

こんにちは。

今回は好きなアルバムの話です。

Grateful Dead - "Cornell 5/8/77"

Grateful Dead(グレイトフル・デッド)と見て「ジョジョ?」と思った方はその直感は正しいです。プロシュート兄貴のスタンド名の元ネタです。デビューは1965年、解散は1995年の活動が30年続いた長寿バンドです。因みにThe Beatlesはデビューから解散まで8年です。
名前からして如何にもハードロックやヘビィメタルぽいですが、全然そんなことはありません。むしろカントリーやフォークに近いです。好きなバンドの話なので本当はもっと書きたいですが本筋ではないのでここでは省略し、詳細はWikipediaに任せます。

ここ好きポイントをすぐ話しても良いんですが、前知識として
このアルバムが録音された1977年5月8日前後について話します。
(出来れば読んで欲しい・・・)

ライブに至るまでの経緯

Grateful Deadは1965年のデビュー以降、毎年ライブツアーを行っていました。ファンの人気も高く盛況でしたが、PAシステムにお金がかかり過ぎたことなどが原因で1974年10月にツアーを休止しました。

その後メンバーはアルバム制作に取り掛かりますが、色々あって1976年6月にはコンパクトなサウンドシステムに変更してツアーを再開しました。
また、このツアーから(ほぼ)オリジナルメンバーであるドラマーのMickey Hartが5年振りに復帰したこともあり、サウンドにも変化が起こりました。

その変化が成熟したと言えるのが1977年のスプリングツアーでした。

これは4月22日のフィラデルフィアの公演から5月28日のハートフォードの公演までの約1ヶ月間のツアーで、どの公演も非常に完成度の高いライブが繰り広げられているということでファンに人気のあるツアーです(Internet Archiveで聴けます)

その中でも1、2を争うほどの人気な公演が5月8日のコーネル大学での公演です。ツアーに限らずGrateful Deadのキャリアを通しても5本の指に間違いなく入る程の人気のある公演です。
その名演が2017年に40周年を記念して遂に発売されたのが、この"Cornell 5/8/77"という訳です。
(何故発売されるまでに、ここまで認知されているのかは後述)

何故人気があるのか

①録音状態が良い
大事な要素です。
Grateful Deadの少し変わっているところとして、営利目的でなければファンのライブ録音および録音テープの交換が許されています。
そのため質の良い録音であれば共有されやすいというのも必然なので、この公演の評判が広く知れ渡ることになります。その結果、ファンの中である種の「聖典」の様な扱いをされる程の人気を獲得することになります。

②演奏が良い
これも大事です。
良い録音状態であっても、演奏が酷ければ聴きにくいですからね。
その点は問題なく、ただでさえ人気の高い1977年のスプリングツアーの中でもトップクラスの演奏をしています。Jerry Garciaのギター、Phil Leshのベースが縦横無尽に駆け巡っています。技術的な凄味は私は詳しくないので述べませんが、明らかに指が動いている気はします。ソロも素晴らしいですが、グルーブ感と言いますか、バンドが一体となって何処かへ向かっている様な雰囲気も感じられます。

③選曲が良い
これは個人によって分かれます。「最新曲ばかりやってほしい!」という人もいれば「懐かしい曲も聴きたい!」という人もいるでしょう。特にGrateful Deadはライブごとに選曲がガラッと変わってしまうため、好きな曲が演奏されてない、ということも・・・
ただ、一つ言えるのは割とバランスの良い選曲になっているという点です。
というのもキャリア初期の代表曲"Morning Dew"、"St. Stephen"。そしてその年の7月に発売されることになる新アルバム"Terrapin Station"から"Dancing In The Street"、 "Estimated Prophet"とこれまでのキャリアから網羅的に選曲されています。その点は初めての人でも聴きやすいのかなと思います。
あと、個人的に好きなライブ定番曲の"Brown Eyed Women"、"Jack Straw"も入っています。

好きな点

やっぱり演奏と音質が良いことに尽きます。
特に"Scarlet Begonias"と"Fire On The Mountain"のメドレーは本当に圧巻です。即興とは考えられない程の構築美と言いますか、事前に打ち合わせたんじゃないかと思える程です。
Grateful Deadは一般的なバンドとはかなり違うので、ライブでも「明らかにここが盛り上がり!」という瞬間はそう多くもないです。ただ、淡々と続いていくソロが徐々に壮大になり花火のように光り輝く、その瞬間が鳥肌モノです。2ndセットの最後、"Morning Dew"が正にそんな感じです。必聴。

最後に

Grateful Deadについてですが、ご存知の通り(?)あまり日本では有名ではありません。まあ、Led ZeppelinやDeep Purpleの様なハードロックと異なり盛り上がるポイントが分かりにくいですからね。もっと認知度があれば・・・
個人的にはGrateful Deadを聴く時は「流し聴き」くらいが丁度良いのかもな~とも感じます。何かをしながらボーッと聴いていて、ふと「あっ、今のところ良かったな」と少しでも感じて貰えるとそれだけで満足です。

因みにGrateful Deadは1995年まで活動を続けていますが、音楽性は年によってかなり違います。もし合わないようであれば他の年(個人的には1969年、1974年、1980年、1989年あたりがおすすめです)のライブを聴いてみるのも良いかもしれません。ライブアルバムは大量にリリースされているので是非。

ここまで読んでくれた方々の心に少しでも刺さってもらえると嬉しいです。

ではまた。


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