「映画大好きポンポさん」が最高だった件について
「映画大好きポンポさん」、誘われて偶然観に行ったのですが、控えめに言って最高でした。自分が見てきた映画の中でもTop3 には余裕で入りそうなレベル。
最高過ぎたので、人生で初めて映画のパンフレットというものを衝動買いしてしまいました。
なので最高だった点と好きなシーンを徒然に語っていこうかなと思います。
「好きなシーン」は本編中の内容を含むのでネタバレの危険性があります。ご注意ください。
最高だった点
恐ろしくテンポがいい
恐ろしくテンポがいい作品です。退屈に感じるシーンが全くありません。最初から最後まで没入して見ることができます。
作中でポンポさんが「映画は90分が至高。2時間は現代の娯楽としては優しくない」的なことを言うので、それに合わせてこの映画自体も90分で終わるようにしているみたいです。
余計なシーンは削ぎ落とされて、重要なところがスッと入り続けるのはとても気持ちの良い体験でした。
最高です。
演出がオシャ
最初に目につくのはカット割がオシャだな〜ということです。3分割になってシャッとなったり飛行機がシュイーンとなったり場面転換する時に何かしら工夫が凝らされていて楽しかったです。
それ以外にもキャラの細かな動きだったり、主要人物の輪郭が光っていたりと細部に渡るこだわりを感じました。
音楽が最&高
全体的なBGMもそうですが、特に重要な場面で流される挿入歌がどれも素晴らしかったです。その時の登場人物の心情と重なりながら盛り上げてくれました。
好きなシーン
ジーンと作中のダルベールと重なるところ
音楽、映画という違いはありますが、二人とも「創造のために他の全てを犠牲にしてきた」という共通点があります。ジーンが編集をしていく中でダルベールと自分の共通点を見つけ、映画のテーマを研ぎ澄ませていく部分でもあります。
ここはこの二人のシーンが短い感覚で交互に出てくる演出がカッコ良く、音楽も相まってテンションの上がりが最高潮でした。
また、この映画自体のメインテーマでもあろう「何かを創り出すには他の何かを犠牲にしなければならない」ということが強く伝わってきました。
ナタリーとマーティンが役者としての本領を発揮するところ
ここは演出の素晴らしさも相まってゾクっと来ました。
マーティンが一瞬で役に入り込んで実力を見せつけるのもそうですが、ナタリーも完璧にリリーに憑依して演技しているのも最高にかっこよかったです。
(今は亡き…)アクタージュの夜凪に感じたものと同じゾクゾク感を味わえて最高でした。
アラン覚醒
ここは泣きそうになりました。
思うに、ジーン君は超絶かっこいいのですが、ここまで振り切れる人も中々いないのではないかと思います。人によっては「俺はここまで他の生活・幸福を削ぎ落としてまで頑張れないかな…」とひいてしまう人もいるのではないかと思います。
アランはどちらかというとこんな人よりのキャラクターでしょう。人生のいろんなイベントをそつなくこなして、特に何か没頭するでもなく生きてきた。
ですが、ジーンの真っ直ぐ映画に向き合う姿に心を打たれて、融資を成功させるという形で本気で映画づくりを支援します。
このアランというキャラクターの重要なところは、映画のメインテーマであろう「何かを創り出すには他の何かを犠牲にしなければならない」は「今までそうしてこなかった人は何かをなすことができない」ということではないということを示してくれていることにあるのではないかと思います。
ものづくりというのは多くの場合一人で完結するものではありません。飛び抜けた人物が求められることもあると思いますが、そんな人を照らす人たちも等しく輝けます。そんなサブテーマを描いてくれているのではないかなと思いました。
エンドロールが見たくなる
ポンポさんが作中で「エンドロールまで没頭して見てしまうような体験をしたい」というようなことを言っています。
そして、ジーンが監督した MEISTER を見たポンポさんはエンドロールが終わるまで見続け、また、私もこの「映画大好きポンポさん」という映画自体のエンドロールから目を離すことができませんでした。
それだけ余韻というか、素晴らしいものを見れたという感動が強かったです。この映画に出会えたことに感謝。
おわりに
まだ見に行ってない方がいらっしゃいましたら是非見に行きましょう!
特にものづくりに携わっている方には何かしら心を打つものがあるはずです。
劇場にぜひ!
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