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気密性能の検査をせずに「高気密高断熱住宅!」とPRする会社はどうかしてる

高気密高断熱住宅という言葉は、いいイメージですよね?ほとんどの住宅会社がこのワードを使っていると言ってもいいでしょう。

高気密高断熱とは?

高気密とは、隙間が少ないということ。ダウンジャケットのファスナーちゃんと閉めてます!ってこと。

高断熱とは、断熱材の性能と厚みがしっかりしてるってこと。ダウンジャケットのダウンの質が良くて暖かいよ!ってこと。

これを掛け合わせて、高気密高断熱住宅!と言ってますが、本当に高気密高断熱なんか!?という疑問があるわけです。

高気密高断熱の定義ってあんの?

結論、高気密高断熱住宅の定義ってありません。言ったもん勝ちです。

気密性能はC値、断熱性能はUA値(昔はQ値)という数値がありますが、数値を公開せず、高気密高断熱住宅!と言っても、別に問題がないわけです。

なので。性能数値を一棟一棟検査している会社って、日本で数%と言われてます。「そもそも高気密高断熱住宅の定義がないから、検査してないけど、言っとけ言っとけ!」って感じですね、日本の住宅業界は。

闇だよな~

カタログに載っけてる会社もあるじゃん!

C値とUA値をカタログに載せている会社は、百歩?千歩?譲って、まだまし。

実験棟やモデルハウスの数値を載せているので、実際のあなたの家の気密性能・断熱性能ではないけど、載せない住宅会社よりはまし。

カタログに数値も載せないのに、高気密高断熱住宅!とPRしている会社は、どうかしてると思います。

一番問題なのは、気密性能(C値)

十歩譲って、断熱性能(UA値)のカタログ値は、まだ良いとしましょう。(よしとしたくはないけど)

UA値は窓や断熱材、施工の厚みでほぼ決まってくるし、施工後ではなく、設計段階で出せる数値だから。よほど窓をでかくするとか、断熱材のグレードを落とすとかしなければ、そんなに心配はない。(ちょっと心配はあるけど)

問題は気密性能(C値)。C値は、施工の質で大きく変わるから、施工後に測定しないと意味がない。職人の腕で変わるわけだから、カタログ値を大きく下回ることがよくある。

高気密というなら、最低限、測定はしろよ!と思いますね。C値1.0以下くらいなら高気密と言ってもいいみたいな雰囲気ありますが、まずはとりあえず測定しろよ!って話です。

気密性能は、断熱材施工後に測定するのがベストです。

車だって全車検査してないじゃないか~!

言われそうだわ、これ。車は工場で作りますからね。製品品質は安定しています。

一方。家は現場手作りの部分が多いですからね。職人の施工の正確さで性能が変わります。間取りも一軒一軒違うわけなので、なおさらです。

鉄骨プレハブ住宅は工場で作ってるじゃないか~。とか言う人は、ずっと言ってて。鉄骨住宅の性質上ね、C値2.0以下はほぼ出せないから、気密測定は営業的に不利に働くんですよね。

高気密高断熱住宅を建てるなら

最低限、気密性能(C値)の測定はしましょう。気密測定をする現場は、適度な緊張感が生まれます。高気密もどきの家にしないために。

で、できれば、断熱性能(UA値)も出しましょう。住宅会社の社内計算でもできますし、設計事務所に外注しても数万円でできます。ただ、公的機関の証明までやらないように。費用の無駄です。簡易計算でいいです。

まとめ:高気密高断熱住宅の目安

C値→0.7以下
もっと低い数値を目指してもいいですが、やりすぎは費用upにつながります。費用をかけずにいける最高地点で止めておく、ちょうどいい塩梅の考えをおすすめします。

UA値→0.6以下(省エネ地域区分4~7)
国の省エネ記事運は、0.87以下ですが、これはめちゃ低い・・・。ZEH基準は0.6以下。こうくらいがちょうどいい塩梅。

HEAT20というもっと厳しい基準がありますが、これは予算に余裕があればどうぞ。まずは、0.6以下あたりをクリアしていれば、大きな問題はありません。

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