2022年巨人総決算号と2023年を考える

2022年の巨人は最終戦を終えた。

今年の巨人の戦いぶりは、そんなに見れていないが、少なくとも2009年から13年に渡って巨人の情報を追いかけてきた自負はある。今年の総括とオフから来年にかけて予想される、巨人の方針変更についてお気持ち表明したい。

2022年の総括

さて総括といっても、様々なスポーツ新聞の記者、解説者が今年の巨人について話をしている。私が見た限りでは、広岡達朗おじいちゃんの妄言を除いてはだいたい間違ってはいないと思っている。その中からいくつかピックアップしたい。

①選手の力不足

野手で目立ったのは主力が抜けたときのベンチメンバーの力不足である。週刊ベースボールのコラムで次期阪神監督の岡田氏もこう話している「中日は若い選手が育ったが、巨人は出番を与えた選手が誰も定着しなかった」。

レギュラーメンバーがいない時に若手中堅には多くのチャンスが与えられたが、定着することはできなかった。誤解しないでほしいのは若手は頑張っていた。高卒二年目のドラフト3位中山は坂本の不在時にスタメン入りするなど物の違いを見せたし、高卒4年目の増田陸も大器の片鱗を見せた。投手では大勢選手は素晴らしい活躍だし、山崎赤星井上らも大きく羽ばたいた。ただ、後にも触れるがどうも球団は、せいぜい20から23の彼らを「レギュラーになるか、ローテで○勝」と計算していた節がある。

②昨年からの戦力ダウンを補えず

昨年の中5ローテを守った先発5人のうち、山口俊と高橋優貴は期待を裏切った。キャンプなどの話を見るに、当初はその5人+若手の予定だったのだ。また先発補強の本命はアンドリースだったがこちらも戦力にはなれなかった。

菅野、戸郷、メルセデス、堀田、山崎、赤星・・このローテーションを見ると、そりゃあ4位にもなると思わざるを得ない。

中継ぎでは去年クローザーとして覚醒したと思われたビエイラも大きく期待を裏切った。報道ではこのまま退団らしい。なによりもここ数年の巨人を支えた中川皓太が1試合にも出れなかった。それらの代わりをなんとか作り出そうと必死だったが、そんな簡単に行くなら苦労はしない。

③背番号9の憂鬱

野手で言えば今年大きく裏切ったのが松原(29)だ。吉川尚輝と共に主力選手の証である背番号1桁を与えられたが、結果は低迷。ここに梶谷隆幸の手術もあって外野にはぽっかりと大穴が空いた。手術レベルの大怪我で後半はいなかったが一時期立岡がレギュラーな時もあったと言えばどれだけ危機的状況かは分かるとだろう。同じく週刊ベースボールのコラムでデーブ大久保氏は今年の巨人についてこう話す。「巨人は編成が良くない。普通は28のレギュラーがいたら、20の選手を二軍で育てている」年齢のアンバランスさは間違いない。

2023に向けた方針転換

秋キャンプ、ドラフト、フェニックスリーグを見てからとはなるが、原監督の復帰以来ここ数年の巨人で考えられていた世代交代のプロジェクト。それらが今年の結果を受けて変更するのではないかと思っている。

方針変更しない、継続すると思われる方針について述べたい。自分の前々から考えてる妄想ではあるが。

①坂丸岡の解体
2019年に復帰してリーグ二連覇をもたらした坂本丸岡本の234、しかし2022年となり、こちらが今年で終わると予告していた。(それは中田翔が4番に座るという予想していなかった形ではあったが)おそらく来年は吉川尚輝、岡本を組み合わせ、今後4年の軸になる打線を構築することになるだろう。

②由伸チルドレン達の終焉
2016年から2018年の3年間を率いた高橋由伸時代に獲得した選手達。2019-2020の連覇の際にはサポートメンバーとして活躍した彼らだが、年齢は30手前の働き盛りながら、チームの力になれていない現状がある。


2015桜井、重信、与那原、宇佐見、山本、巽、中川、松﨑
2016吉川尚、畠、谷岡、池田、髙田、大江、リャオ
2017鍬原、岸田、大城、北村、田中俊、若林、村上、湯浅
※2018ドラフトからは原辰徳政権

97年組という言葉を知っているだろうか。
中川桜井今村メルセデス重信石川増田大若林田中山本田中豊・・・2015からの3年間、ドラフトで即戦力を中心に補強していたためこの世代の人数が膨れ上がっていたのだ。
これらのメンバーが2019年の優勝を支えたのは間違いない。しかし、チームリーダーや主力となるような選手は現れず、そこからチームは世代交代として膨れ上がったこの世代を人的保証やトレードでチームを離れてきた。そしてチームは投手は戸郷世代、野手は岡本を中心とした世代に中心を移していく。

続いてそこから変更となると予想するプランについて考えていく。

上記の97世代のように、野球は世代を揃えるということも大事になる。そこで巨人の首脳陣の話を追うと岡本を次世代の要として同い年、その付近の選手を自由契約の獲得やトレードなどで獲得してきた。同い年は岸田、香月(澤村とのトレード)、八百板(楽天から育成→支配下)、平間(支配下)、また1歳下は廣岡(田口とのトレード)、勝俣(オリックス育成)

しかしご存じの通りここからチームの核になる選手は出てこなかった。世代の選手を揃えることに夢中になり、肝心のレギュラーになれる才能をもっているというような観点が抜けていたようにも思える。

巨人の山口オーナー、大塚副代表といったフロントの中心人物のコメントを見るに、ここから大きく変更していきそうだ。

見直し①育成と発掘について

ここ数年の巨人は「ソフトバンクを見習え」で進んできた。20192020で木っ端微塵にされたから仕方ないのだが。

ソフトバンクホークスのシステムはファンじゃないから知らないが、巨人が真似をした部分は大量の育成指名と、支配下登録である。今年の一年で支配下になった選手は

鍬原、堀田、菊池、増田陸、横川、井上、香月、勝俣

原監督が「さすがに中継ぎ左腕を補強してくれ」と泣きをいれたクロール以外の支配下登録は8人全て育成選手の支配下登録である。さらにいえば昨年も同じ流れだった。しかし特に野手は戦力になれてるとは言い難い。(それはホークスも同じなのだが)

巨人フロントは質を数の競争で補えると考えているようだが、それは無理なのだ。

巨人はホークスを退団する松田や、メジャーから日本復帰する場合は有原の補強などに動くという。またFAへの参戦も明言しており、詳細はまた日本シリーズ後の新聞で発表されるだろうが、西武の森友哉と阪神の西の名前を多く見る。西は「阪神とべったりの巨人がとるかぁ?」というのがあるが、森は年齢が岡本の1歳上であり、巨人の岡本世代への世代交代のプランとも合致する。

いよいよFAの年代になってくる岡本世代を獲得しつつ、投手は戸郷を中心にした前後の世代を育てていくというのが巨人の基本方針になるのではないか。

そしてドラフトで、どうせアタリくじを引くことはないのだが(泣)、浅野の指名を公言した。2023年もとんでもない打の目玉がいるドラフトとなるため、今後は野手はFAで、ドラフトは高卒で次世代を指名するのを意識していくのではないのか。

原監督について

自分の考えは「今年で辞めるなら、そもそも去年で辞めてるよ」である。

去年の時点で最有力候補の阿部慎之助、読売が望む松井秀喜監督、はたまた高橋由伸の再登板になっていても今年は変わらなかった。

巨人フロントは前回由伸監督が引き受けた世代交代を、今回は原監督に任せきるつもりだ。

原監督も若者だらけの投手陣や4番岡本に対してひたすら我慢し、自分の役割に集中している。逆に優勝なら、もう次の監督に譲るかもしれないなど来年の結果次第であるが、この三年契約は基本的に全うするのではないか。

まぁこの時期は毎日朝の早刷りが楽しみな季節がやって来た。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?