フィンレーのBULLET CLUB

4月が終わろうとしている。
4月はプロレス界では世界最強のプロレス団体WWEの最大の祭りであるレッスルマニアがあり、その後にUFCと新日本プロレスではNEW JAPAN CUPトーナメントを勝ち上がったSANADAがオカダカズチカを倒してIWGP世界ヘビーの王者になるなどプロレス界に動きった。
このあと新日本プロレスは5月、連休の中で福岡で行われるレスリングどんたく、Jr.ヘビー選手の祭典BOSJへと移っていき、6月に前半期の総決算であるDOMINION大会となる。

そんな中で今後話題になっていきそうなのが、新日本プロレスのヒールユニット、BULLET CLUBだ。5代目リーダーになったデヴィッド・フィンレーであるが、一言で言うとあまり評判がよくない。CLUBのメンバーのエルファンタズモを追放したことで、さらにその声は大きくなった。アメリカ大会でもマイクを持つとブーイングが起こり、前任のジェイ・ホワイトはアメリカで大人気だったことを考えると落差は激しい。

新日本プロレスを3年前に見始めた筆者も、BULLET CLUBは4代目リーダー、ジェイ・ホワイトしか知らなかった。フィンレーがリーダーになると聞いた時には、「えぇ、大丈夫?」となったものだ。あくまで他の大物外国人を呼ぶまでの繋ぎのリーダーではないかと。

ジェイがWWEではなくAEWを選んだことで、BULLET CLUBを引き続き名乗れるわけで、その思いはさらに強くなった。ジェイ・ホワイトがリーダーに返り咲く形でいいのでは?と。

しかしBULLET CLUBに限らず、4月に職場で人事異動がどこそこで行われたと思うが、リーダーが変わった形のチーム、組織ではどこも新任が前任者と比較して、イマイチな評価となっているのではないか?

それは、前のリーダーが自分の理想を持っていて、やりやすいように作ってきた組織だからだと思う。そのまま他人が引き継いでも、新しいリーダーにはまた異なる自分の理想があるわけで、まず初めに違和感が起きてしまうものだ。「前の○○さんはこうだったのに・・」というやり方の違い。新しいリーダーに合わせようというメンバーと、前のリーダーのやり方にこだわるメンバーが混在した組織はやはり力は発揮できまい。

同じことがBULLET CLUBにも起きた。そしてそれはメンバーに限らず、ファンもそうだったのだろう。しかし、そうした状況も時間が経てば、新しいリーダーの目指す物が浸透してくる。

フィンレーの目指すBULLET CLUBとは?

フィンレーのBULLET CLUBもまた、4月に入りアメリカ遠征の中で、新メンバーを加入させ、フィンレーのBULLET CLUBで目指していく形もインタビューで出始めた。

それはジェイ・ホワイトのCLUBはTシャツを売るためのもので、自分のCLUBは暴力と冷酷なものになる、というものらしい。そうして迎え入れた新メンバーがクラークコナーズ。LA道場がいったん終了し、NJPW STRONGもつきに縮小。出番に飢えた生え抜き選手にレスラーとしてチャンスが与えられた。

新日本プロレスを取り巻く環境は年々変化している。AEWの拡大とともに良い選手は獲得競争に晒されるし、円安で新規に外国人選手と契約するのが難しいこともある。
また新日内でも最強外国人オスプレイ率いるユナイテッドエンパイアの人気が高まり、TMDKもザック・セイバーJr.、ロビーイーグルスといった既存の選手を加入させ存在感を増している。

愛され路線ではなく暴力的で、残酷なユニットにしようというのは生存戦略だ。
5代目リーダー、フィンレーのBULLET CLUBは人気の面では前のものよりも劣るものになってしまうかもしれない。しまむらのBULLET CLUBコラボもどうなるやら。しかしより危険で、なおかつ冷遇された生え抜きの怒りを体現する初期のBULLET CLUBの香りがするものになることを期待したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?