19歳、ホームレス記録。【2020/1/5】

今日、母に連絡をした。

約1ヵ月ぶりに会う約束をするために、連絡をした。

母の返信は、まるで今朝も会ったように軽率に見えた。

ホームレスを初めてから家族から1度も連絡がなかったから、なんとなく、なんとなく心配されていないとは感じていたが、1ヵ月ぶりの連絡で、絵文字や顔文字やスタンプが並ぶ携帯の画面を見ると、自分のしていることがちっぽけに感じた。

その画面を見て、瞬間的に私はいくつかの未来を考えた。

まず初めに、イランに行くこと。目的はないが、もっとも自然に命を感じながら、もっとも自然にかつ最低限の迷惑量で命を失えると思った。直感的に、あぁ、イランに行こう、そう思った。

きっといまから準備して、ちょうどイランにつける頃には、イランとアメリカの中は今と違う形になっていて、良い方か、悪い方か、何が良くて何が悪いかは分からないが、裸の日本人が走り回っていれば、醜く、そして美しく命を活かせる。そう思った。

しばらく考えて現実的じゃないことに気づいた。きっと、脳が落ち着きを取り戻した。

そして次に僕は北海道に行こうと考えた。国内であれば行くことは可能で、なおかつここからできるだけ遠く。理由もなく、ただ全てを忘れて遠くへ行って、極寒だからこそ後はなるようにしかならないと思った。運が良ければその寒さを知り、運が悪ければ人に迷惑をかける形で再び温かさを知る。そう思った。

それからまたしばらくして、僕は冷静になった。冷静になったと言うより、冷静だった脳に不安や恐怖という本来あるべきシステムが復活して、冷静でない状態に戻った。

命を終わらせるつもりはない。けれど、命を続けるつもりもない。だから終わりと継続が50/50になるような選択肢を考えたんだと思う。

いい働きをした。そのまま終われば、僕は最後まで幸せだと思いながら終わる。続けば、あぁ続くことができたとはなんて幸せだ、と思って新しい生活が始まる。

だから、どちらにせよ、幸せであるうちに、眠りたい。

どうか幸せであるうちに、だれか僕を保護してはくれませんか。

それが人なら受け入れます。

それが人でないなら、泣いて喜びます。

神様なんていないし、悪魔も天使も閻魔様もいないんです。でも、どうせ保護されるなら、こう言えば人でない者が保護してくれるのかもしれない。それこそ半分の可能性で。

だから、だから、誰か僕を、保護してください。

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