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【ミシンの豆知識】ミシンの歴史 brother 編

こんにちは!ソーイングスクエア管理人です。

今回も、ミシンの歴史シリーズをお届けします。
本日ご紹介するのは、「brother」です。
ミシンの4大メーカーとして、家庭用・工業用ともに世界トップクラスのシェアを誇る企業です。
また、プリンターやファクシミリなどの製造販売など、電機メーカーとしてその売上の大半を海外がしめています。

今回はミシンメーカーとしての歴史を紐解いていきましょう♪

・創業

1908年「安井ミシン紹介」を設立。ブラザー工業創立者兄弟の父である安井兼吉が輸入ミシンの修理と部品の製造を開始。

1926年 安井兼吉死去(1925年11月)後、息子の正義ら兄弟達は、「安井ミシン兄弟商会」と改称し、国産ミシンの製造を目指す。


・ミシンの国産化に向けて

1928年 苦心の末それまでの修理経験から「麦わら帽子製造用環縫ミシン」第1号機を完成。昭和三年にちなみ「昭三式ミシン」と命名した。
商標を「BROTHER」と定めます。
兄弟達全員の協力によって、完成したミシン。商標にもその意が込められています。

昭三式ミシン

その後、家庭用本縫ミシンの開発を進めますが、最大の難関はシャトルフックという部品の製造でした。上糸と下糸を交差させるという本縫ミシンで最も重要な役割を持つこの部品は、1930年代当時の国内技術では困難とされていました。

1932年 創業者兄弟は、製造に必要な機械設備を自らの手で作りあげながら、ついに国産のシャトルフックの量産化に成功。同年、国産の家庭用ミシン1号機を完成させました。

前年から実地された関税の引き上げにより、輸入ミシンの価格が高騰しており、そういった背景も国産ミシンの販売を加速させました。    

家庭用本縫いミシン 15種70型


1934年 安井ミシン兄弟商会を改組し、現在のブラザー工業の前身となる「日本ミシン製造株式会社」を創立。
    

量産を開始した当時のミシン工場


戦時中は、日本国内では軍事縫製用の工業用ミシンの需要が増え、ブラザーは工業用ミシンの量産化のために必要な自動歯切盤を自作し、鋳物と機械加工を専門に行う工場をスタート。

陸軍の工場で使用された工業用ミシンの部品カタログ(表紙)

1936年 工業用本縫ミシンの発売

工業用本縫ミシン

1941年 ブラザーミシン販売株式会社を設立

戦後、1946年にミシンの生産を再開。
戦後の復興のためにその需要が急速に高まる国内市場に向け出荷を開始しました。

1947年 家庭用直線ミシンHA1を、上海向けに200台輸出
1950年 安井正義社長、50日間のアメリカ市場視察

全米の家庭に普及しつつあった電化製品に強い関心を持ち、事業の    多角化を決意します。
家庭用編機を皮切りに、ミシンで培ったモーター技術などを生かして洗濯機や掃除機、扇風機などさまざまなジャンルの製品の製造開始。
家庭向けにブラザーブランドの商品を普及させていきました。
またこの頃にポータブルタイプライターの開発にも着手。

1954年 ブラザーインターナショナルコーポレーションを設立し、本格的に海外の販売を展開していきます。

電気洗濯機 BWM-1
家庭用編機 KH1-B1

1956年には、80㏄オートバイ「ダーリン号」を完成させ、57年に試験販売を開始するなど、新しい製品を生み出しています。

80ccオートバイ「ダーリン号」(1956年)

オートバイまで製造していたとは驚きですよね!

1970年代に入ると工業製品全般の技術革新が進み、ミシンやタイプライターなどさまざまな製品の電子化が進みます。
1976年には初の電子ミシン「コンパルDX」を販売。

電子ミシン コンパルDX(1976)


1979年 家庭用ジグザグミシンZZ3-B820「オーパス8」製造開始
このミシンは業界初のコンピューターミシンでした。

家庭用ジグザグミシン ZZ3-B820「オーパス8」

1983年 家庭用音声付ミシンZZ2-B850「コンパルα」生産開始

1991年 コンピューター刺しゅう機付きミシン「サマンサ/ミモレ」を発売。自動糸切り機能、自動糸調子機能などを搭載。
またメモリーカードを使用することによって、さまざまな種類の刺しゅうや模様縫いが簡単にできるようになりました。

刺しゅう機付きのコンピューターミシンを発売
コンピューター刺しゅう機付きミシン「サマンサ/ミモレ」


今現在でも、ブラザーといえば、キャラクターなどの刺しゅうをイメージされる方も多いかもしれませんね。

他のミシンメーカーの歴史とはまた少し異なり、ミシンで培った技術を生かしてさまざまな電化製品を戦後の日本において開発・販売していったとは驚きでした。

ミシンメーカーによって、本当にさまざまな歴史があるものですね。

今後もまだミシンの歴史については調べていきたいと思います。


ソーイングスクエアでは、ハンドメイドに関するさまざまな情報を発信していきます。みなさまの参考にして頂けるとうれしいです。

また次回もお楽しみに~♪

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