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[ミシンの豆知識]ミシンの歴史 JANOME編

こんにちは!ソーイングスクエア管理人です。

先日からお届けしている、ミシンの歴史シリーズ。
ミシン4大メーカーのうち、SINGER、JUKI、BROTHERとご紹介してきましたが、本日はジャノメミシンの歴史を紐解いていきますよ~

・創設と国産家庭用ミシンの発売

1921年(大正10年)東京滝野川に、小瀬與作が、亀松茂、飛松謹一とともに 「パイン裁縫機械製作所」を創設しました。
同年、国産化第1号 小型手廻し式ミシン(パイン500種53型)が完成
国産ミシンの歴史はここから始まりました。
このミシンはハンドルを手で回して上糸と下糸で直線縫いをするシンプルなもので、昭和5年当時の価格は30円だったそうです。

パイン500種53型

1929年(昭和4年)国産初の家庭用標準型ミシン(パイン100種30型)を発売
※下糸機構に垂直半回転式を採用し、作業効率が飛躍的にアップしました。

パイン100種30型

・蛇の目ミシンのはじまり

1935年 社名を「帝国ミシン株式会社」に変更
「蛇の目ミシン」を商標として登録します。
※ジャノメミシンの名前の由来となった「蛇の目」
「パイン100種30型」が採用したボビンの形が「蛇の目」紋に似た丸い形をしていたことから「蛇の目式」ミシンと呼ばれました。
ミシンのボディにも、蛇の目模様がほどこされていました。

1934年 中野に新工場が完成。
敷地内にミシンと洋裁の普及を目的とした全日制の「日本洋裁学校」を設立しました。

1936年 国産初のミシン量産工場である小金井工場が竣工しました。

1948年 戦後の混乱の中、ミシン業界で「ミシン製造会」が発足。
国産家庭用ミシンの規格寸法が統一され、このミシンは「家庭用HA-1 102型」と呼ばれた。

「家庭用HA-1型」

・デザインへのこだわり

1954年 320型発売、戦後初の大ヒット商品となる
高速度運転に耐え、摩擦音や振動も少ないミシン。
工業デザイナー小杉二郎氏が手がけた近代的なデザインのこのミシンは、「第2回毎日工業デザインコンクール」で特選第一席に選ばれ、その後のミシン業界においてミシンのデザイン性も重視されるようになりました。

320型

1956年 蛇の目製品が業界初の「JIS規格合格品」に指定され、JISマークの表示が許可されました。

・ジグザグミシンの登場

1961年 560型フルオートジグザグミシンの登場。
カムという部品を利用して模様縫いが可能になりました。
ボタンホールやボタンつけなども、ミシンでできるようになり「ジグザグブーム」が到来します。

560型 


1964年 670型ハイドリーム発売

東京オリンピック開催を記念して発売。
業界初の自社生産による軽合金ダイカスト製。重量は従来の2分の1という軽さになりました。

670型 ハイドリーム

・海外進出開始
1968年(昭和43年)には、ヨーロッパにジャノメミシン株式会社を設立
その後も台湾・オーストラリア・カナダ・ニュージーランドなど海外にも進出していきます。

1971年 創業50周年記念モデル 801型ジャノメトピア発売
「全回転式カマ」を使用した最高級ジグザグミシン。
当時の最先端技術が詰め込まれたまさに理想(トピア)のミシンでした。

801型 ジャノメトピア

1976年 813型エクセル発売
ジャノメが国内主力機種で内蔵カム式、フリーアームを採用した最初の機種。実用性はバツグンで、機械式ミシンの最高機種と言われました。

813型、エクセル

・日本初のコンピューターミシン発売

1979年 5001型メモリア発売
日本初のコンピュータミシン。
それまでは、ダイヤルやレバーで調節してきた針と送り歯の動きを、コンピュータで制御。
針の動きは自由自在となり、模様縫いは一気に広がりを見せました。

5001型、メモリア

1983年 6000型メモリークラフト発売
コンピュータ機能を充実させ、当時世界一のステッチ数を内蔵。
国内外で大好評を博したコンピュータミシン。
このミシンは洗練されたデザインが評判で、英国でブルーリボン賞、日本ではグッドデザイン賞をそれぞれ受賞しました。

6000型、メモリークラフト

1986年 コンビDX2000発売
今ではなかなか見ることのない、ミシン1台で直線・ジグザグミシンとオーバーロックミシン2つの機能を持ったミシン。

コンビDX2000


・刺しゅう機付きミシン

1991年には創業70周年記念モデルとして、本格的な刺しゅう機能付きミシン8100型セシオ発売。タッチパネルで操作が可能になりました。

8100型セシオ


2001年には、世界初の自動糸通し機能付きミシン、9500型スーパーセシオを販売します。このミシンは大型フルカラー画面搭載、刺しゅう機能付きの最高級コンピューターミシンでした。

9500型スーパーセシオ

2021年 創業100周年を迎え、社名を「株式会社ジャノメ」に変更する。

ジャノメミシンは、1921年(大正10年)に、国産化第1号となる小型手廻し式ミシンを生産販売してから、およそ100年もの間、時代の変化とともに、ジグザグミシンやコンピュータミシンや家庭用刺しゅうミシン、スマホによる刺しゅう機などいずれも日本初となる画期的なミシンを開発してきました。

また実用性や縫い目の美しさはへのこだわりはもちろんのこと、
何度もグッドデザイン賞を受賞するなど、ミシンの外観デザインにもこだわりを持って開発している点が、すばらしいなと思いました。

ミシンの歴史シリーズ、4大メーカー各社の歴史についてそれぞれお届けしてきましたが、いかがだったでしょうか?
こうやって調べてみると、普段使っている自分のミシンにも歴史を感じましたし、より愛着がわきました。

ミシンの購入を検討されている方も、こういったミシンメーカーの歴史を知った上で、ミシンを選んでみるのもいいかもしれませんね。


ソーイングスクエアではハンドメイドに関するさまざまな情報を発信していきます。
みなさまに少しでも参考にして頂けると幸いです。
また次回もお楽しみに~!!



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