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雉も鳴かずば撃たれまい

いま、あなたの心の中には、どの様な音楽が流れていますか。
 
「雉も鳴かずば撃たれまい」の言葉の意味は、<無用のことを言わなければ、禍いを招かないですむこと>のたとえと言えばいいのでしょうかね。
生きていく中では、ときおり起こりうるシチュエーションかも知れません。この言葉の語源とは、そもそも何故に雉なのか?

諸説あるようですが、代表的な言い伝えが2つありました。

1つは、9世紀の大阪・淀川の長柄橋(ながらばし)という橋を架ける工事の際、川が度々氾濫して難航。近くで雉が鳴く中、橋奉行らが相談していたところ、近くを夫婦が通りかかり、夫が「袴の綻びを白布でつづった人をこの橋の人柱にしたらうまくいくだろう」こうつぶやいた。
これを聞いた橋奉行らは、その男がその通りの格好をしていることに気が付くと、すぐに男を捕らえてその場で人柱にしてしまった。夫を失った妻は悲しみ、「ものいへば 長柄の橋の橋柱 鳴かずば雉の とられざらまし」と句を詠んで淀川に身を投じてしまったという噺。

そしてもう1つが、長野県の犀川にある久米路橋(くめじばし)の噺です。この橋は、何度架けても流されてしまう久米路橋を鎮めるため、村人たちは囚人を人柱にすることにし、ちょうど小豆を盗んで捕まっていた男がその犠牲となります。この男は、体を壊した幼い愛娘のために盗みを働いたのですが、幼い娘は「毎晩赤飯を食べている」と言いふらしてしまったために父親の罪が発覚し、父は捕まって人柱にされてしまいます。
父を失った娘はそれ以来、悲しみのあまり一言も口をきかなくなってしまいます。ある日、娘がたたずんでいると、近くで鳴いた雉を狩人が鉄砲で撃ち落とす光景を目にします。娘は雉を抱えたまま、「雉も鳴かずば、撃たれまいに」と言い、娘は再び口を閉ざし、それから一生口をきくことはなかったと言われています。

どちらも悲しい言い伝えとなっています。また、氾濫する川と橋を架ける工事、そして人柱がキーとなっているようです。

なぜ、雉なのか?となると、雉は大きな声で「ケーン」と鳴くと言われています。また、羽音もバタバタと体を叩くので大きな音となるようです。そのあたりから、雉が選ばれてしまったのかも知れません。

さて、この「雉も鳴かずば撃たれまい」の意味としては、余計な事を口走ると禍が起きると言う事ですので、「口は禍の元」など、類似している言葉はたくさんあるようです。
 
生きていくなかでは、黙っていた方が良いことが多々ありますね。仕事でも家庭でも。
 
さて、今日の1曲はサカナクションで「新宝島」です。

本日は、ここまで。お付き合いいただき、有難うございました。

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