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演芸

いま、あなたの心の中には、どの様な音楽が流れていますか。
 
 毎日、“芸人”さんをテレビや雑誌などで拝見することが多いのですが、“芸人”さんとは何なのか?
辞書などでは「遊芸を職業とする人。転じて、遊芸がうまい人。また、身に備わった技芸や芸能をもって職業とする人のことを指す日本特有の概念。」と解されています。その<遊芸>ですが、こちらも「遊びごとに関した芸能。謡曲・茶の湯・生花(いけばな)・踊り・琴・三味線(しゃみせん)・笛など。」とされています。
正しくは、この様な意味合いがあったようですが、最近では本来の意味としてより、テレビ番組などの影響もあり「お笑い芸人」を指している事が多いかも知れません。もしかすると更に、範囲を狭くしてテレビを中心とした「お笑いタレント」のみを指しているかも知れませんね。
何もここで、「芸人」とは語ろうとも思っていませんし、ワタシも「芸人」イコール「お笑い芸人」と見做しているところはあります。
ワタシが最初にお笑い芸人と意識した方が、藤山寛美さんです。小学生の頃に学校から帰宅すると、テレビで「松竹新喜劇」が放送されていました。チョイ白塗りで小太りなオッサンが丁稚になったり、気障なセリフとボケの連発、そして最後は泣かせる名場面は、いまも記憶にありますね。その後は、横山やすし・西川きよしの“やすきよ”漫才ですね。テンポの速いボケとツッコミに、時折きよしさんが、横山やすしさんをいたぶるようなツッコミが面白かったですね。
さらに年齢があがってからは、ビートたけしさんと明石家さんまさんの「オレたちひょうきん族」と、ビートたけしさんの「オールナイトニッポン」は毎週欠かさずチェックしていました。ただ、ビートたけしさんは立川流創設者の立川談志師匠の弟子でもあって、談志師匠から本格的に落語を聴くようになりました。たまたま小さい頃に五代目 柳亭痴楽師匠の出身地に住んでいたこともあり落語には興味がありました。さらに三代目 古今亭志ん朝師匠の艶っぽい落語にも魅せられました。地方ではなかなか落語を聴く機会が少ないのですが、東京では浅草、池袋、上野、新宿などに定席がありますので、若い頃は通ったりもしました。
いまも寄席には行きますし、大阪に行けばNGKにも行きます。ワタシにとって「芸人」は、人を惹きつける話芸を持っていると言う事だと思っています。
ちなみに、いまワタシがイチバンに推している落語家さんは<蝶花楼桃花>師匠です。「ちょうかろう ももか」と読みます。この方は、春風亭小朝師匠のお弟子さんです。前座名が<春風亭ぽっぽ>で、二つ目が<春風亭ぴっかり>でしが、そしてこの度、真打に昇進されました。とてもキビキビとした、それでいて落ち着きのある語り口の落語家さんです。
 
本日の1曲は、GLAYの「BELOVED」です。1996年8月にリリースされています。歌詞の中には「街角に夏を飾る向日葵 面倒な恋を投げ出した過去 想い出すたびに切なさ募る」、「やがて来る それぞれの交差点を 迷いの中立ち止まるけれど それでも 人はまた歩き出す」など、若い頃の寂寥感や、それでも続いていく人生などを思ったりします。
 
落語も、噺の主人公や、その周りの人物たちをいきいきと描き、多くの噺が笑いで終わります。演者である落語家さんの力量というよりは、落語家さん自身の人生も高座に出ている様な気がします。それが『演芸』かとも。
 
本日は、ここまで。お付き合いいただき、有難うございました。

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